サイボウズはグループウェアによる情報共有のためのクラウドサービス・パッケージウェアを提供。
さて、前回のネオジャパンに引き続き、今回取り上げるサイボウズ、どのようなサービスを提供しているのでしょうか。2019年12月期の事業説明会資料によれば、サイボウズはグループウェアのdesknet’s NEOを提供しています。BOXILのページによれば、グループウェアは、業務アプリ開発クラウドのkintone、中小企業向けグループウェアのサイボウズOffice、大企業・中堅企業向けグループウェアのGaroon、メール共有システムのMailwise
を主力製品として、企業内におけるコミュニケーションを円滑にすることを支援している会社とのことです。
導入社数は8,800〜66,000社
サイボウズの提供するサービスはクラウドのみのkintoneとパッケージウェアとクラウド混在のサイボウズOffice、Garoon、Mailwiseに分かれているようです。元々の沿革を辿ると、最初はサイボウズOfficeより出発しているとのことで、パッケージのみならずクラウドによる製品提供もしているところがネオジャパンとも似ている感じはありそうですね。
1997年に創業後、2000年8月には東証マザーズ上場
サイボウズの沿革によれば、同社は1997年の設立以来、グループウエアのパッケージウェアとして、サイボウズOfficeの販売をまずはじめ、その後2002年にはサイボウズガルーンを市場投入しているとのことです。サイボウズOfficeは中小企業向け、サイボウズガルーンは大企業・中堅企業向けということで、社内における協働をテーマに、企業規模を小さいところから大きいところに拡大するようプロダクトを変えて行ったということが言えるでしょうか。
サイボウズの開示KGI(売上高)推移:2019年1月期末で134.2億円。直近YoY成長率は119%に増加
では続いてサイボウズの売上高から見てみましょう。直近5年の売上高の推移を見ると、売上高は2018年1月期末に100億円を突破後、2019年には130億を突破し、134.2億円に至っています。このペースでいくと、2020年1月期末には150億円を突破するのは堅そうですね。
直近のクラウドサービス比率は71.3%
続いて、クラウドサービス(月額課金)の比率について見てみましょう。サイボウズ自身は単一セグメントではありますが、有価証券報告書の中ではクラウドサービスによる売上を公開しています。こちらによれば、直近のクラウドサービス比率は71.3%ということでした。元々パッケージウェアから始まっている会社なので、パッケージのクラウド転換、及びパッケージの純粋な新規契約の純増という形でこの比率を変えて行っているのだろう、と推測します。
次回以降、気になるKPI推移について紹介していきます!サイボウズはネオジャパンにつづいて、日経のグループウェア会社です。特徴的な値付けなど、ネオジャパンとはまた異なる事業運営をしているはずなので、こちらも分析が非常に楽しみです!
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