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saaslife_The difference between the most important KPI in SaaS MRR and ARR

The difference between the most important KPI in SaaS :MRR and ARR

I guess there is no exaggeration in saying that “SaaS is all about MRR.”

MRR is the abbreviation for “Monthly Recurring Revenue,” which presents the revenue recurring every month. ARR stands for “Annual Recurring Revenue,” which is slightly different from MRR because it represents the “annual” recurring revenue.

In other words, assuming that the churn rate is zero,

  • if the present MRR is 1 million USD, it will lead to 1 million USD in revenue next month,
  • if the present ARR is 1 million USD, it will lead to 1 million USD in revenue next year.

So which should you use for your SaaS metrics, MRR or ARR?

To relate MRR with ARR, by simply multiplying the MRR by 12, you can relate the MRR to the ARR. However, in a rapid growing startup, the MRR of its first month and its last month will be quite different, which will lead to difference in ARR value, depending on the month of the MRR you use to make the calculation. Sure, it depends on whether you are feeling confident, or slightly careful on your growth. The churn rate also effects the MRR heavily, since if the churn is larger than your new customer, the last month MRR will be smaller than the first month MRR. This is a nightmare scenario for a growing SaaS startup.

According to SaaSOPTICS,

  • you should use ARR to MRR, if the contract period is less than 1 year, and mostly to  business clients(not consumers)
  • it is rare to use ARR to consumer services, because they tend to churn easier than business clients
  • it is easier to predict revenue by using ARR to MRR, since MRR tends to give you a discount by starting the contract in the middle of the month, therefore leading to fluctuation in its value

SaaSOPTICS


Summary

In my opinion, the contract period is not much of a big issue, and you just have to align what metrics you are using, just to align the interests when you are having conversation with your employees and investors.

saaslife_SaaSスタートアップに転職する前に知っておくべきSFAで一変したSaaS関連の21世紀型職種一覧とさらに重要になるスキル(2020年1月版)

SaaSスタートアップに 転職する前に知っておくべき SFAで一変したSaaS 関連の21世紀型職種一覧と さらに重要になるスキル (2020年1月版)

TL:DR;

  1. SFA(Sales Force Automation)はSaaSスタートアップ運営の肝だ
  2. 20世紀型職業に対して、SFAが組み合わさることで、様々なカタカナ語の職種が生まれた
  3. 全てと切り離せないのが「データ活用」。派手なカタカナ語に惑わされずに後悔のない選択をしよう

はじめに

SaaS関連の募集要項を見ていて、どのスタートアップもカタカナ語をたくさん並ぶ。フィールドセールスに始まり、インサイドセールス、カスタマーサクセス、セールスOps、…などなど。実際にスタートアップに身を置く立場としては、これらのカタカナ語は「ハイハイ、あの仕事のことですね」とすぐにピンとくる。ただ、そもそも自分が大企業にいてSaaSスタートアップに興味を持ったとして、いまいち何が違うのかがわかりづらいだろうし、転職エージェントは細かい職種など何もわかっちゃいない。そこで、そんな方のために極力漢字に変換する形で以下に対応関係を作った。

なお、私自身が事業側を管掌している関係上、売上を作り出すことに関係しているビジネスサイドを中心にまとめた。ただ、実感として、

  • プロダクトサイドは、DevOpsとか、SREとかいろんな名前が出てるけど、「SaaSだからこそ」という職種は皆無

と私は考えている。つまりプロダクトサイドにはSaaSならではの職業パラダイムシフトは一切ないと私は思っている。

では、はじめよう。はじめに、長々と職種の説明を書く。その後に何がこれらを成り立たせるのか、SFAとの関連は何かを紹介するので、興味を持っている職種のつまみよみだけでいいので、最後まで読んでみて欲しい。


(1)マーケ = 名刺獲得部隊

言うまでもない。リード、という言葉は「名刺」を表しており、どれだけの名刺を獲得できるかを目的とした部隊だ。


(2)インサイドセールス = 架電部隊

これは、マーケの獲得した名刺に対して架電を行う部隊を指す。後述のフィールド(実地)セールスと異なり、基本的に社内もしくは屋内(リモートなどの場合)で働くことが多炒め「インサイド」という冠がついている。


(2-a)SDR = 顕在顧客架電部隊

マーケの獲得する名刺には大きく、

  • 資料請求を中心とした(先方からの)友好的な問い合わせのあった連絡先
  • 過去に交換した名刺、顧客リストやインターネット情報などから生成した(こちらからの)一方的な連絡用連絡先

の2種類がある。

これらの名刺のうち、前者の「友好的な名刺」に電話をする部隊がSDRだ。なお、SDRはSales Development Representativeの略称だ。これは、確か Salesforceが発祥だった気がするが、IT企業で「営業」というのを「アカウントマネージャー」のようにより高い次元で意味づけして呼ぶことに成功している、という印象を持っている。


(2-b)BDR = 潜在顧客架電部隊

2-aで述べた「一方的な連絡用連絡先」に電話をする部隊を指しており、Business Development Representativeの略称である。こちらもSalesforceが発祥だ。一般に行って、ニーズが顕在化していないお客さんに連絡を取り、ニーズを顕在化する必要があることが多く、難易度は一般にSDRより高いとされている。


(3)フィールドセールス = 外勤営業部隊

インサイドセールスの設定した商談に関して、顧客と会い、受注を獲得するための部隊。いわゆる「営業」。


(4)セールスイネーブルメント = 営業教育部隊

最近、「うちのセールスイネーブルメントは〜」という使われ方でSaaSスタートアップでもちょくちょく聞く職種。SaaSスタートアップにも人事はいるけど、正直採用/制度設計などのいわゆる旧来のコストセンターとしてしか機能しないので、人事に頼らず売上を上げるために設置されることが多い。


(5)セールスOps = 営業推進 | 営業庶務

そろそろ数の多さに食傷気味になってきたような気がするが、まだ続く。これはもはやただ単にカタカナを使いたいんちゃうかという感じだが、いわゆる営業推進を業務効率化実施文脈で行う部隊として置かれることが多い。


(6)ビジネスデータアナリスト = 営業企画 | 営業推進 | 集計部隊

SaaSはそのシンプルなビジネスモデルと、SFAに適切な(これだけで相当にエントリが書けそうな予感がするんだけど)情報さえ入っていれば、それなりに分析ができるため、ビジネスデータアナリストという職種があり、まだ日本では聞かないが、アメリカではもういるそうだ。


(7)カスタマーサクセス = 既存巡回営業

個人的には一番この職種が言い得て妙だと思っているんだが、「顧客の巡回営業のことを『カスタマーサクセス』と呼んだことは本当にSalesforceの行った最大の発明だ」と言っても過言ではないと思う。ただ、論理的に考えればわかることなんだが、

  • 解約の阻止も大事だが企業のモメンタムとしては新規受注獲得の方が優先度が高い

という当たり前の事実から、一般的にフィールドセールスよりも下に見られることが多い(プライドを持ってカスタマーサクセスしている人たちを知っているが、売上責任の比重が弱めに設定されていることが多く、に対するコミットメントが弱い人は多い感じはある)。


番外編:プロダクトマネージャー = 商品企画

結局このあたりを、開発者が自分たちの居心地がいい状態を作るために「スクラム」とか「アジャイル」とか好き勝手言った結果日本のスタートアップのプロダクトがつまらなくなった、というのが私の持論ではあるが、「名称を変更した結果過剰に評価されている」職種だと思う。


これらの数多い職種を支える前提、SFA

さて、と。(1)〜(7)は全て、SFA(Sales Force Automation、営業力自動化)というクラウドツールのおかげで可能になっていることがSaaSのキモだ。SFA、といえば私はSalesforceを思い浮かべるわけなんだが、評判を聞く限りHubspotでも似たことが代替できると思っている。

実はこれらの仕事は全て、

  • 顧客の状態
  • 顧客の情報

を部門間でパスしながら売上の創出につなげている特徴を持っている。そして、SFAがこれらを全て可能にしているのだ。すなわち、SFAを使いこなすことができるのか、というのがこれらの仕事の質を支えていると言っても過言でない。

例えば日本におけるtoCスタートアップの代表のように今なっているメルカリなどはここまで営業は細分化されていないだろうし、どちらかというと

  • マーケ
  • プロダクトマネージャー

が、前者は広告CPAデータ、後者は内部のユーザー行動データを見るために各種集計ツールを駆使するという意味で強い感じはある。ので、一言で「顧客データ」と言っても、それが果たして一般消費者のデータなのか法人顧客のデータなのかで組織も全く変わる。


最後に

新しい一歩はいつだってドキドキする。私も初めての転職はそうだった。ただ、実際にそのタイミングになって、緊張しながらいろいろ調べたり自分の頭で考えたり、人と会って決断に至った後は不思議と後悔していない。

May the force be with you.あなたの職業選択に幸あれ。

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saaslife_masteryoda
saaslife_大企業にいながらにしてできるSaaSスタートアップへの転職準備3選

大企業にいながらにしてできるSaaSスタートアップへの転職準備3選

TL:DR;

  1. 転職候補のSaaSスタートアップが本当にSaaSが適した事業モデルか見極めよう
  2. 今いる大企業の中で優秀な人と繋がっておこう
  3. 今いる大企業ののIR/KGI/KPIを隅から隅まで理解しておこう

はじめに

私が今所属するSaaSスタートアップに転職したころ、日本の資金調達環境は今ほどの活況はなく、SaaSもそこまで注目されていなかった。

このページにたどり着いた方は、ある程度SaaSスタートアップの転職に興味があるのだろうと思う。一方、SaaSスタートアップの本当にほしい情報はネットには出まわっていない。非上場会社である以上、事業数値向上に寄与しない情報を出回らせる必要がないからだ。

そこで、これまで私が体験したSaaSスタートアップの勤務経験を元に、あなたが転職を決断する前に何をしておくべきかを厳選してここに3つ記す。

(なお、自分は転職の際転職エージェントを利用したが、転職エージェントはSaaS特化型ではなく、ビジネスモデルをほとんど理解していなかった。したがって「人生の重要な決断をするんだ」と考えて以下を自分で調べて納得のいく答えを出すことを強くオススメする)


1.本当にそのサービスはSaaSである必要があるのか?を見極める

最近は、資金調達がバブリ気味になところと、財務が読みやすい性質(参考:過去記事)もあって、SaaSはVCからも大人気だ。実際、前田ヒロさんによるAll Star SaaS FUNDなるものも存在する。

このように大人気のSaaS。しかし、「それ、SaaSである必要あるの?」という観点が実証されないと、導入はされてもその後すごいスピードで解約が起こることを忘れてはいけない。経営的観点で考えると、使いもしないものにお金は払わない。利用しない物はオンプレだろうが、SaaSだろうが価値は等しくゼロなのである。

解約を起こさず使い続けてもらうためには大まかに以下の観点を満たしたプロダクトである必要がある。(全てが突出して高い必要はないが、これがバランスよく高い、もしくは振り切れていると最高だ)

  • 顧客(基本的に法人)の業務性質上、利用頻度が高い
  • 顧客のすごく重要なデータが溜まっていて、解約するとデータでアクセスできない
  • 顧客はすでに非効率な解決方法を保有もしくは発見しており、ソフトウェアで代替解決可能である

簡単に解説しよう。


顧客(基本的に法人)の業務性質上、利用頻度が高い

これは、議論の余地が少ないと思うが、「そもそも使われることが確約されていますよね」ということだ。いわばビジネスマンにとってのExcelやPowerPoint的な役割を担うことができているのか?ということである。ここに対してはyesと言うことができるように、社員に話を聞いてみたり、知り合いのツテをたどって情報収拾をすべきだ。


顧客のすごく重要なデータが溜まっていて、解約するとデータでアクセスできない

これは、解約防止にとても有効だ。例えば人事評価。人事評価は基本的に四半期、半年、年単位で行われるため、一部の人を除いて利用頻度は高いとは言い難い。しかし、過去の評価をもとに組織編成/役職/人材の配置を決めるためには、「過去の情報」にとても価値が出てくる。これらの情報は溜まれば溜まるほど価値を発揮する。この情報が解約に対して強力な抑止力になるのは想像に難くない。



顧客はすでに非効率な解決方法を保有もしくは発見しており、ソフトウェアで代替解決可能である

つまるところ、アカウント数による契約/一社一括導入関係によらず、最終的にSaaSを導入するのは法人単位になる。法人である以上、予算が明確に決まっており、そのSaaSに使うことのできる費用にはキャップがある。また、法人である以上、Business As Usualとして回すべき業務があり、この業務に対しては何らかの解決方法をその法人ができていると、SaaSを当てて予算の付け替えを起こしやすい。ここは法人営業では真新しい話ではないが、転職などの重要な決断をする際に曇りがち(例:会った人との相性が良さそうだと感じたので、など)なので、私は重要な観点だと思っている。


2. 大企業の中で優秀な人と繋がっておこう

次に、人編。「え、大企業の『外』じゃないの?」と思うかもしれない。これは「中」で正しい。理由は2つある。

  • 大企業は、スタートアップの最終形態。よって、あらゆるものが揃っている
  • 入社後の必要人材は、自分で集めるしかない。そういう人材が重宝される


大企業は、スタートアップの最終形態。よって、あらゆるものが揃っている

結局どれ綺麗事を言おうとも、スタートアップは投資家から事業成長を求められている。成長というのは売上を増やすことで、売上を増やすことは人が増えるということだ。今は小さくカオスな会社も、人が増えるにつれ制度ができ、りん議ができ、決裁が必要になり、という流れに抗うことができない。今の大企業は全て昔スタートアップだった。この事実に目を向けると、大企業は、「最終ゴールはこれを目指すんだな」という意味ではとても有効だということがわかる。なお、私はいわゆる日本の製造業を中心とした大企業には在籍したことがないので、ここでいう大企業というのは製造業などは指していない。基本的にはDeNa、サイバーエージェントなどのIT企業を指す。


この点を踏まえると、大企業の中に当たり前に福利厚生や制度として存在しているものが、どういう前提で出来上がったのかを日々検討して、実装していくのがスタートアップの醍醐味だったりやりがいなんだな、と私は思っている。また、自分がスタートアップの中で働いている中で、大企業にまだいる同期に、「そういえばあの制度ってどうなってて、どう運用されてたっけ?」と聞いて、解決の糸口を得たことは計り知れない。自分から相手に提供できるものがあれば、優秀な人との繋がりは常に自分にとってプラスに働く。



入社後の必要人材は、自分で集めるしかない。そういう人材が重宝される

結局、スタートアップもある数を越えると人事機能が「なんでもバックオフィスさん」から切り出される事になる。実際に人事がいることの恩恵は計り知れない。だが、彼らはキャラクターとしての人材の見極めには長ける一方で、事業理解については苦手としていることが多い。このため、本当に自分が働きやすい環境を作るには、「以前共に働いたことのある人を引っ張ってくる」というのがもっとも効率がいいし、信用できる手段だ。そこで、一緒に仕事を優秀な人とする機会を逃さなければ、回り回ってスタートアップ入社後に、また働くことができる可能性はある。私も今の会社に元同僚がいるが、ベースとしての信頼があるので、コミュニケーションコストが下がるのに助かっている。


3. 自社のIR/KGI/KPIを隅から隅まで理解しておこう

さて、これは以外に軽視されがちなんだが、「自分の会社、本当に辞める必要あるんでしたっけ?」という観点だ。比較するのは大企業とスタートアップなので、メジャーリーガーと高校球児を比較するみたいなものだというのはわかっているが、もしもいい仕事をしたいとあなたが思っているなら、当たり前のようにこの辺は押さえておきたい。

これは、簿記の勉強をしろという話ではない。つまるところビジネスはどうやって回っているのか、なぜ組織がこうなっているのか、という現状を数字で理解するための手段として有効だからだ。残念ながら、日本の大企業にいると、部課長レベルではP/Lまでを理解していればそれだけでいいというところも多いはずだ。ただ、ここをP/L、B/S、C/Fで理解しておくことによって、「案外うちってすごく儲かってるな」ということに改めて気づくことができたり、例えば「自社のサービスをSaaSにしたらどうなるのか?」ということを考えて見て、起案したりすることもできるはずなのである。スタートアップへの転職を進めるような記事ではあるが、ここはフラットに考えたほうがいいと思う。


以上、自分の経験をもとに、今の経験を元に、大企業からもう一度別のSaaSに転職するとしたら、この辺りを重点的にチェックするかなとは思っていることをまとめた。なお、執筆の動機は、

よく知り合いに聞かれるので、テンプレ化したかった

というのが本音だ。


最後に

ここまで好き放題書いた。これまで、面接・実務含めてレイヤーがハイレイヤーから現場レイヤーまで様々な方を見てきた。が、身も蓋もない話をすれば、最初の段階で上記全てができている人は見たことがない。このため、自分の得意な領域を選んでみて、参考にしていただけると幸いである。異論、反論は積極的に認めます。


オススメ本

「3. 自社のIR/KGI/KPIを隅から隅まで理解しておこう」のやり方として、私がこれまで読んだ本の中で、一番いいなと思った本をあげておく。繰り返すが、簿記の勉強をする必要は転職先を適切に選定する観点だと一切必要ないので時間を有効に使って欲しい。

FY2018に売上が1000億円を超えた米国SaaS企業9社の売上推移

FY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)

さて、本日は2018年実績で売上が1000億円を超えた米国のSaaS企業、

  • Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau

の売上高推移とその売上高成長率の三年移動平均を紹介する。

TL;DR:

  • Salesforce/Adobeが二強
  • Salesforceは2015年にAdobe超え
  • 急激に拡大した後も高い成長率を維持し、2018年時点の三年移動平均は120-160%

Salesforce/Adobeが二強

saaslife_MarketoFY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)_売上高推移
saaslife_MarketoFY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)_売上高推移

はじめに売上高の年次推移を。

厳密にはMicrosoftとかもクラウド版Officeだったりを提供しているので入れたいところではあるが、Microsoftは売上をサブスク/プロフェッショナルサービスで公開していないので対象外とした。なお、1ドル100円換算で計算している。

また、Mircrosoftと同じくソフトウェアだけでなくオンプレサーバーの月額保守/ソフトウェアに軸足を置いているIBMやOracle、SAPは除外している。

Salesforceが1兆円、Adobeが9000億円と、2500億円以下に分布している他のSaaSに比べて大きく売上を突き放している。もちろん、これは扱っているソフトウェアの種類によって単価だったり、TAMも異なる。あくまで売上という統一指標における比較だ。

Salesforceは2015年にAdobe超え

しかし、Salesforceの伸びが著しい。

グラフ内に入っているTableauを2019年8月に買収したのも記憶に新しい。

なんと2015にはAdobeを抜き去っている。

急激に拡大した後も高い成長率を維持し、2018年時点の三年移動平均は120-160%

saaslife_MarketoFY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)_売上高成長率
saaslife_MarketoFY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)_売上高成長率

次に、三年移動平均で見た成長率を。(グラフは単年の成長率だと増減が激しいので、三年を合算して移動平均を出している)

グラフより、

  • 売上推移の最初の方は成長率が200%-300%付近を推移
  • 年数が経過するにつれて徐々に減衰する

特徴があることがわかる。前者は「とにかく早く認知を得て拡大する」という近年のSaaSの企業成長トレンドともかぶるところがあるし、T2D3(売上を最初の2年は3倍成長、後半の3年は2倍で成長)などと言われるところとも共通項があるだろう。それにしてもFY2018時点で成長率が低くても120%とか、、、SalesforceもAdobeも出来てからもう20年、あるいはそれ以上経っているのにすごいなという感じである。

最後に

intuitについて言及し忘れたけど、それはまたの機会で。

saaslife_社員皆経営者」な意識を私が持つ為に有効だった先輩の質問

社員皆経営者」な意識を私が持つ為に有効だった先輩の質問

たまには趣向を変えてお送りします。

特にある読者を想定している訳では無いが、強いて言うならあの頃の自分に向けたポエムということで。

なお、このアイキャッチ画像のダンディな紳士が誰かわからない人は、知り合いのSaaS企業勤務の人にこの投稿のリンクをシェアして誰なのか聞いてみたください。すごい人です。逆にその人が答えられなかったらその人はただの雰囲気でSaaS最高と言ってるただのワナビー野郎なので今後SaaS文脈においては連絡しないほうがいいと思います。

本題に入ろう。

よく「社員皆経営者」という話を耳にする。簡単にいうと、「経営者の目線を持って働きましょう」ということだ。

前職、広告会社で働いていた際私は正直言ってプライドばかり高いが仕事のできない、いわゆるお荷物社員だった。具体的にどうお荷物だったかというと、

  • 会社の文句はがっつり言う、態度も悪い
  • 先輩の言うことを聞かない
  • の割に的外れなことばかり言う

と言う、どうしようも無い社員だった。

これで、「仕事だけはこなせる」のであればまだマシだったんだが、仕事もろくにこなせていなかったと客観的に当時を振り返って思う。仕事において当事者意識なんてものはかけらもなかった。よくクビにならなかったな・・

当時は、

  • 俺は会社を辞めるぞジョジョーッ!!

という、「入社1-3年以内で仕事を辞めてノマド的な動きをしたりする人たち」をよそ目に、なんか違うんじゃ無いかと感じながら、でも自分も仕事を辞める選択はできなかった。無一文になりたくもなかったが、リーマンショック直後の2009-2012年ごろは今と違って猫も杓子もスタートアップ、経験不要のやる気採用という感じではなかったのである。

ということで、ズルズル仕事を続けていたわけなんだが、ある日レッドブルを買いに行った自販機で先輩に呼び止められた。

「SL君、君の担当している事業はいくら会社において売り上げているか答えられるかい?」

引用元:名もなき前職の先輩

正直答えることができなかった。先輩は続けた。

「そのくらいも知らないのに自分の仕事に対して文句を言ってるとか話にならないよね。せいぜい悲劇の主人公を気取ってなさい」

引用元:名もなき前職の先輩

悔しかった。ので、手元の情報を集めて、まずは先輩の質問に対して答えられるようにしてみた。

すると、

  • なぜあの先輩は「仕事できる」風な空気を出しているのか
  • なぜあの事業部は花形扱いされているのか

が一段違う視座で見えてきた。売上高が大きいからあそこの事業部は持ち上げられているのか、と。

この頃から、営業部の人たちとゴルフを始めた。

もちろん、売上を上げている所の営業部の人たちとだ。この頃、社内で働く仕事をしていたので、完全に「この人たちと仲良くしておけば自分の仕事が楽になるな」という下心と、「一体普段どういうことを考えているんだろう」「会社の決定に対して、どう解釈しているんだろう」ということに尋常ならざる興味を持っていた。中にはとにかく長期間売上目標を達成し続けている化け物もいたし、この人たちの考え方を理解することで自分も仕事ができるんじゃないか、と当時は思っていた。

このように異なる部署の営業の人たちとの関係性の中から、

  • 自分の仕事をボトムアップで理解し、
  • 会社においてどういう位置付けに今自分がいて、振る舞うのか

をまるで将棋のコマとして日々振舞いながら、盤面について考えるような感覚を持ったことがある日あった。

あの瞬間から、少しだけ私に社員皆経営者主義の片鱗が生まれたような気がする。もちろん、スタートアップで働いていると、株式やSOの話・比率は人によって大幅に異なるので、経営者が「経営に絡む視座で物事を考えよう」と言ったとしても

はいはいポジショントーク乙(成功したら恩恵を受けるのは自分だから言ってるんでしょ)

よくある社員皆経営者主義や当事者意識に対する反論

と捉えることはできるが、「その状況でさらに貢献するか・退職するかを含めて、どう最善に振る舞うか」はあなたに委ねられており、「自分の使える資源(主に時間)」をどう過ごすかは、将来に天と地ほどの差を作り出す。誰もが平等ではないが、わかりやすい事実だ。そして最後は自分がどうするかを決められる。

今思えば、あの日の瞬間はすごく嫌だったが、先輩には感謝しないといけないと思う。

saaslife_Adobeに買収されたMarketoの上場直前3期のサブスク比率と年間売上額 / 導入社数 /MRR

Adobeに買収されたSaaS企業、Marketoの上場直前3期のサブスク比率と年間売上額 / 導入社数 / MRR

TL;DR:

  • Form S-1によると2013年のNASDAQ市場上場直前期のMarketoの年間売り上げは約60億円
  • 上場直前の導入社数は2000社超え
  • 上場直前の推定MRR単価は21.9万~219.8万円/社

Marketoの歴史

saaslife_Marketo親会社の推移
saaslife_Marketo親会社の推移

2018年、Adobeに最近買収されたニュースがついこないだのことのようだ。

WikipediaのMarketoの項目によればMarketoはEpiphanyメンバーのPhil Fernandez、Jon Miller、David Morandiにより2006年に操業された。

その後

  • 2008年にリードマネジメント
  • 2009年にセールス・インサイト
  • 2010年に収益分析

のプロダクトを矢継ぎ早に公開している。

その後2013年にNASDAQ市場に創業後7年目で上場し、その後は

  • 2016年にビスタ・エクイティパートナーズ
  • 2018年にAdobe

に買収された。個人的な感想でいうと、前職でまさにMaketoで配信したメルマガの効果の詳細をAdobeのアナリティクスツールで分析していたので、さらに連携がうまく進むシナジーを期待した買収なんだろうなと勝手に胸熱に感じたのを覚えている。

Marketoのプロダクトで何ができるのか?

saaslife_Marketoプロダクト説明ページ(2009年9月7日時点)

さて、一体Marketoで何ができるのだろうか。デジタルマーケティングに馴染みの無い方に向けて超ざっくりと解説すると、Marketoは

  • 自社ウェブサイト
  • 広告キャンペーン用のランディングページ
  • ソーシャルメディア

など、さまざまにユーザー接点があったBtoBマーケティングの領域において、各種ユーザー接点を把握してその効果分析や、(メルマガを使った)ターゲティングマーケティングを行うことができるツールであり、マーケターにとってありがたいツールである。

例えば前職では、それなりの大企業だったのだが、

メルマガを自社ツールで送ると、抽出条件/送信テンプレートなどを都度エンジニアに依頼することが必要になり、なかなかに施策を試すことができない

CRMマーケティングに関わっていた某大企業勤務の前職同僚談

課題があった。そこを月あたり数十万円で解消できるので、

  • マーケターは自分の考える施策をすぐに試すことができる
  • エンジニアの工数を前提にしなくていい

メリットがあり、導入に至った経緯があった。それでは以降で売上とSaaS関連指標情報を読み解く。

会社の売上:上場直前のMarketoはサブスクリプション比率90%、売上は60億に到達

saaslife_Marketo上場前3年の売上推移(単位:億円、1USD=100JPYで換算)
saaslife_Marketo上場前3年の売上推移(単位:億円、1USD=100JPYで換算)

FormS-1によれば、Marketoの売上は

  • FY2011 -> FY2012で221%
  • FY2012 -> FY2013で176%

と毎年2倍近い成長を続けている。

FormS-1に公開されていた情報で、

  • サブスクリプション(S-1内では、”Subscription and support”)
  • プロフェッショナルサービス(“Professional services and other”)

がある。これらはそれぞれ、

  • いわゆるMRRに該当する、Marketoのソフトウェア利用、またはそのサポートに伴って発生する月額費用
  • Marketoソフトウェアのセットアップにかかる費用でショット(1回限り)で発生

となっており、サブスクリプション比率が高いほど純度の高いSaaSということになる。

サブスクリプション比率は低下傾向にあれど、FY2011->FY2012で共通して90%を超える水準だった。(サブスクリプション比率が下がっている理由は、MRRのパートにて後述)

上場直前の導入社数は2000社超え

saaslife_Marketo上場前3年の導入社数(FY2010は非公開につき推定値)
saaslife_Marketo上場前3年の導入社数(FY2010は非公開につき推定値)

続いて、導入社数を見てみよう。

Form S-1の中では、”over x companies(xが実数)”という表現をしており、下限の社数を以下の通りで公開していた。

  • FY2009:200
  • FY2011:1,000
  • FY2012:2,000

なお、FY2011->FY2012で数字が2倍の成長をしていることから、上のグラフはFY2010の社数をFY2009->FY2010で2倍社数が伸びたという仮定をおいている。こちらも売上の伸びに迫る大きな伸び率である。

上場直前のMarketoMRR単価は推定21.9万~219.8万/社

saaslife_Marketo上場前3年のMRR平均単価/社(1USD=100JPYで換算)
saaslife_Marketo上場前3年のMRR平均単価/社(1USD=100JPYで換算)

グラフは冒頭の売上(の内、サブスクリプション部分のみ)/12(ヶ月)/社数で求めたMRRである。若干の低下傾向にはあるが、20万~30万円の間を推移している、という感じだろうか。

なお、これは推定になるが、

  • Marketo導入の間口をさらに広げるさらなる廉価版の投入 や
  • 海外への展開に伴う価格体系の若干の変更

があったのではないかと管理人SLは推測している。

また、プロフェッショナルサービスの比率が増えているのは、

  • 大企業など、既存で大きなシステムが回っていて、そこの中にMarketoを組み込む

案件が増えていることを表している。

まとめ(TL;DR:の再掲)

  • Form S-1によると2013年のNASDAQ市場上場直前期のMarketoの年間売り上げは約60億円
  • 上場直前の導入社数は2000社超え
  • 上場直前の推定MRR単価は21.9万~219.8万円/社

今後もSalesforceを筆頭に、他のSaaSのKGI/KPI推移を調べた内容を紹介していくハード・コアなブログにしていこうと思っています。

saaslife_結局米国SaaS企業の事業数値を知るためには何を見る必要があるのか?

結局米国SaaS企業の事業数値を知るためには何をみる必要があるのか?

“原典に当たれ”

前職の先輩から受けた指導を思い出す。めっちゃ怖かった。ネットの情報よりも、現場でクライアントにヒアリングした情報を、など。

さて、SaaS発祥の地でもある米国の決算情報を知りたいと思ったことはないだろうか。さすがに直接米国SaaS企業の社員に聞くわけにもいかないし一次情報では全くないが、およそ第三者の手に入れうるまとまった質の高い二次情報として決算書は最高に使える。実は以下の通りになっているので何か参考になれば幸いである。

エグゼクティブ・サマリー

結論から言うと、

  • form 10-K、form 10-Q
  • annual report

を見れば、企業の概要をつかむ上では間違いない。以下、それぞれの役割を紹介しよう。

Form 10-K、form 10-Q

日本でいう、いわゆる通期の有価証券報告取引書。米国の会計基準はGAAP基準に則っており、form 10-Kは通期、Form 10-Qは四半期の企業成績が載っている。

Annual report

日本でいう、いわゆる決算説明会資料のこと。米国の会計基準はGAAP基準に則っており、form 10-K、form10-Qはこの会計基準に則った報告内容の一方で、annual reportには各社独自のKPIがでてきたり、form10-Kやform10-Qの数値をビジュアライズしたものが多く、よりわかりやすい内容になっている。

ということで

Google翻訳の精度も劇的に改善してるご時世なわけだし、このサイトを読んでる方はそれなりに受験英語も得意だった人なはずだ。以上、とりあえずAnnual reportを読んで自社のSaaSと比べると色々学びがあると思いますよ!という話でした。

番外編

上場時の数値は、Form s-1に載っている(googleで「企業名 form s-1」で検索すれば一番上にでてくる)。高い数値目標を掲げながら邁進しているときに、「あの巨大企業もこんな時代があったんだな」と眺めて勇気をもらうのにオススメです。

saaslife_SaaS企業におけるNRRとは?SmartHRはなぜカスタマーサクセス採用に投資するか?

SaaS企業におけるNRRとは何か?SmartHRはなぜカスタマーサクセスの採用に投資するか?

SaaSの企業にはとにかく様々な英字三文字指標がある。

まず、日々経営をする上でKPIとして見るべき指標だけでも、

  • MRR / ARR / CAC / LTV / TCV 

インサイドセールスの役割合だって、

  • SDR / BDR 

マーケティングの概念に広げると

  • ABM / MQL / SQL

マーケ用語をさらに組み合わせると

  • CPA / CTR / CVR

など例には事欠かない。

SaaSスタートアップ界隈激震のSmartHR資金調達

さて、最近61.5億円の資金調達で国内SaaS界隈で話題になったSmartHRが記憶に新しい。

私管理人のSLも宮田さん(社長)のブログの愛読者で、資金調達で調達した資金の使途ととして、採用に投資しますと言うことを書いたブログを読んだ。その記事内で、

「Churn RateとNRRがとっても重要になってきた」

https://blog.shojimiyata.com/entry/2019/07/26/165422

と言うことに触れていた。

てか、「M」RRじゃないの?

この「NRR」、「M」じゃないの?と言う感じなんだが、NRRで間違っていない。NRRはNet Revenue Retentionの略だ。SaaSビジネスの本質は、月額課金で月額をどれだけ維持してあげていくかが重要だ。

このため、

  • (1)解約が起きない
  • (2)解約が起きようが、アップセル(orエクスパンション)によって売上が増える

必要がある(後者については、解約によりMRRが下がろうが、それを上回るMRRがアップセルで生まれれば、MRRはプラスだよね!よっしゃ!と言うこと。)

結局カスタマーサクセスの役割は計り知れない

さて、実はこの(1)と(2)を推し進める上で、「カスタマーサクセス」の役割が極めて重要になってくる。

簡単におさらいすると、カスタマーサクセスは、

  • マーケがとってきたリード(名刺)に対して
  • インサイドセールス(BDR/SDR)が商談設定
  • フィールドセールスがクロージングし
  • イニシャルセットアップなどが終わってからクライアントに伴走する ← ここ

を指す部隊である。(カスタマーサポートと何が違うの?と言う点についてはまた今度触れます。)

このクライアントに伴走、と言うのはどちらかと言うと「能動的な」伴走になる。つまり、SaaSなので、クライアントは不満を抱くと解約してしまう。そこで、

  • 「クライアントがSaaSを導入することで解決したいことが本当に解決できているのか?」
  • 「クライアントはちゃんとSaaSを使いこなせているのか?」

を手を変え品を変え解消していく必要がある。この辺のくだりはこの本(通称青本)にとてもよくまとまっている。特にいかに我々SaaSの提供側が「いや、そのくらい使い方わかるっしょ」とクライアントに対してサービス(ソフトウェア)が不便かをあまり考えずに提供してしまっていることに気づかされるのだ。

実は解約防止だけでない、超重要なサクセスの役割:クライアントへのアップセル案内

さて、そんな具合で、カスタマーサクセスが解約の防止にとても重要であることは疑いの余地がないわけだが、同様にアップセルを生み出す部隊として、カスタマーサクセスはまた重要な役目を持つ。そもそもSaaSは基本的にマルチテナントでサービスを提供しているので、常にプロダクトが変化しており、機能追加や仕様の変更に事欠かない。また、クライアントのニーズは日々要望として上がってくるから、

  • フィールドセールスが商談をクロージングした地点Aでは特にクライアントに提供できるサービスがなかった
  • がしかし、その後プロダクト開発ができ、クライアントに提供できる機能が導入できた
  • その機能は有償オプションとしてクライアントに提供が可能になり、クライアントはそのことを知らない

と言うことが起こり得る。

したがって、そのような場合に、クライアントに連絡して、今もそのニーズがあるのかを確かめて、商品を案内し、納得して買ってもらうわけだ。これは、常に「新規顧客を開拓する」ミッションを持って邁進しているフィールドセールスには担うことができない役割だ。(もちろん、フィールドとクライアントの関係性などにより、サクセスに話が行かずに、フィールドにクライアントから直接話が来ることは起こりうる。だが、これはまた別の話だ。)

そう考えると、大型の資金調達をして、人を採用します。それに重要なのはエンジニアとカスタマーサクセスです、と言う宮田さんのブログは的をいてるなぁと感じたのであった。知らんけど。

最後に

ここに書いてることは全て管理人SLの妄想です。

saaslife_SaaSで大流行している「ザ・モデル」の適用限界

SaaSで大流行している「ザ・モデル」の適用限界

最近セールスフォースの提唱する「ザ・モデル」に関する話を聞く機会が増えた。端的にいうと、

  • 新規リード→新規商談→新規受注の段階的な遷移で営業組織を考えましょう
  • この段階遷移に合わせて分業しましょう
  • その際はセールスフォースを活用しましょう
  • リードはセールスフォースのパードットを使ってナーチャリングしましょう

というお話。

一見極めて合理的で、SaaS系ベンチャーキャピタリスト激推しのこのモデル。確かにパワフルなフレームワークではあるが、全ての営業組織に当てはまるかというと、そうでは無いと思っている。

以下、具体的な反証を3つあげよう。

新規リードが発生しないルート営業。

同じクライアントを巡回し続けることになるので、分業すると逆に非効率なケース。CRMの一環としてセールスフォースを活用できる可能性があるが、そもそも同じ営業が同じクライアントを担当し続けるケースが多く、セールスフォースへの入力などもサボりがちになる。

今まで売れてた自覚のあるエース集団を別組織から集約して一箇所に集めた組織。

ありがちなんだけど、エースは自分の営業を型化できていないことが多く、独自の営業手法を開発していたりする。さらに、そもそもセールスフォースに何かを入力する習慣が無いとSFAの情報を信頼しながら、協業してザ・モデルが成り立たない。

まだPOCが終わっておらず、どこに何を売っていいのかわからない超初期のスタートアップ。

そもそも、フィールドセールスとインサイドセールスの分離をすると効率が下がるケースが多い。その点でいうと事業開発に近いので、何でも屋的な人材が活きるフェーズ。

急成長を志向するスタートアップにおいては、巡回セールスでビジネスがスケールする、こと自体が定義矛盾なところもあり、起きにくいだろう。ただし、スケールの過程でセールスフォースに入力の習慣が無いVPを雇ったり、そもそも検証できないフェーズでザモデル通りやろうとしても無駄であり、結局は事業を科学できて初めてザモデルはワークするのである。

そういう意味ではいかに入力することで業績に変わるかをファクトと情理で動かせるビジネス・データ・アナリスト的な人材がSaaSスタートアップには必要だ。まだ日本ではあまり注目されていないし、経営管理と混ざってもいるんだけど、これから増えてきそうな予感が個人的にはしている。

saaslife_SaaSとタム※TAM(Total Addressable Market)

SaaSとタム ※TAM(Total Addressable Market)

SaaSで重要な3文字と言えば、M(A)RRであることに異論はないと思うんだけど、時価総額を決めるためで超重要な3文字がある。それがTAM(タム、と読む。Total Addressable Marketの略称)だ。

TAMはあるSaaSがサービスとして最大でリーチできる売上規模のことを言う。つまり、例えばERPの市場規模がx兆円あるとして、あなたがERPのSaaSを「仮に」理論上全ての企業に提供できるんだとしたら、あなたのSaaSのTAMはx兆円だと言うことだ。TAMの広さ(ベン図で言う全体集合みたいなの)をユニバースと呼ばれることが多い。なので、「タムのユニバースは~~」みたいな使い方をしたりする。ただソフトウェアを打ってるだけなのに、「ユニバース(宇宙)」と言う言葉が出てくると元理系少年としては胸アツになるこの言葉。

TAMは「Addressable」と言うところが肝で、「あなたの企業がそこにサービスを提供し売るか」と言うところが妥当に示せないと意味がない。つまり、先ほど例であげたERPSaaSをあなたが作り上げることに成功したとして、おそらくそのSaaSは「この業態に強い / この企業規模に強い」みたいな特徴を持っていたりするだろう。だとしたら、あなたの想定すべきTAMは全企業ではなくて、むしろ

  • あなたのSaaSが強い企業に導入できる理論売上 = 全企業の数 x 業態の割 x 企業規模の割合 x SaaS単価

だったりする。

※ここの売上がMRRかARRなのかと言う細かい話はあるが、12を割り算するのか掛け算するのかと言うだけの話なので、瑣末な話だろう

もちろん、実際はこんなに簡単じゃなくて、「そもそもそのTAMで捉えている企業のお財布的にお金を出せるのか」は重要な論点だったりする。

正直SaaS企業経営に携わっていると、外向けの値として多少大きめにTAMを捉えて、「夢を語る」フェーズと、実際に予実を合わせに行く文脈で、「堅くTAMを捉える」両方が求められる。このように、正解が全くなく、全てのSaaSで推定・算出根拠が全く異なるであろうTAMもSaaS経営の面白いところだったりする。みんな各種統計をこねくり回したりとか、涙ぐましい努力をしてTAMを算出してたりする。TAMの捉え方をしくじると、経営的にはまあまあ渋いことになるので要注意だ。日々自分を戒めている。