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saaslife_「映え(バエ)」視点で整理する2020年4月時点のZoom飲みのメリデメと必勝戦略

「映え(バエ)」視点で整理する2020年4月時点のZoom飲みのメリデメと必勝戦略

TL:DR;

  • Zoom飲みは誰と飲むかによって取るべき戦略・戦術が劇的に変わる
  • 同僚と行うインターナルZoom飲みの場合、「映え(バエ)」なんか気にせずとにかく相手に生活感を与えるのが必勝
  • 社外と行うアウターZoom飲みの場合、「映え(バエ)」をとにかく意識して、会議だと思って飲むのが必勝

まずは用語の定義とZoom飲みのプロコン整理から

Zoom飲みとは

いわゆる、オンライン・ミーティングツール「Zoom」を使った飲み会のこと。Zoomといえば、コロナ 関連で株価が爆あがりしたSaaS銘柄であり、直近で日次ユーザー数が2億人を超えたという記事もあった。

Zoom飲みのメリットは、場所の物理移動が必要ないのでハシゴし放題・安い・好きなようにできる、の三点びょうし

Zoom飲みで相手に見えるのはこちらの画面。こちらに見えるのは相手の画面。飲み物、つまみは完全セルフサーブのZoom飲み。相手にお酒を注ぐ必要もなければ、相手から注がれることもない。ただ、人数が増えると困る状態にあることには変わりがない。これによってすごいパラダイム転換が起きている。

(1)場所移動が物理必要ないのでハシゴし放題

これは本当にパラダイム転換。URLをクリックさえすれば、別の飲みに入れるのだから、理論的には

  • 2つのZoom飲みに同時進行で入る

こともできる。そこまでしたいかは別として、「自分の興味で飲みを選べる」時代がくるというのは圧倒的なパラダイム転換である。

(2)安い

言わずもがな。居酒屋に行くと仮定するとざっくり都心では3,000円から5,000円かかるが、家にいて一人でこれだけ飲んで食べるのはまあまあ気合がいるだろう。

(3)好きなようにできる

アレルギー、今日はノンアルコールな気分、なんでもござれだ。冷蔵庫の中、近くのコンビニに相談すれば良いだけ。強いていうなら、「予めどの程度飲むか、何をつまみとするか」の予測は結構うまくやった方がい良いというのはあるが、これはZoom飲みの回数を増やすことでいろんな人の飲み物・つまみを目撃することで洗練されていくだろう。

Zoom飲みのデメリットは、同時発言できない、途中参加で文脈のキャッチアップがわからない、終わりづらい

(1)同時発言できない

冒頭にあげたメリットはある一方、明確なデメリットはある。それは「同時発言ができない」という点だ。リアルな飲み会だと、人数が増えると、クラスター(塊)ができて、それぞれ「歓迎会」「送別会」だったりするフワッとした場の目的を共有しながら、各クラスターで別々の話題を話すことができる。一方で、Zoom飲みだと、話者が1つに限られる結果、話を待ち続ける必要がある。さらに、必ず話さない人が出てくるので、その人への配慮が必要だ。ただ、一方で、飲み会と違って、画面をオンにしている以上表情が見えるので、ある程度空気を想定しつつ飲み会を進める必要がある。

(2)途中参加で文脈のキャッチアップがわからない

これも「同時発言ができない」に関わるところではあるが、参加者が入ったときに、それまでのサマリを話してあげる人がいないと、ここがわからない。例えばこれがクラスター単位だと、「場の空気は全く変わらずに」その人に状況を共有してあげる人がいる、という違いがある。今後このあたりの補充プラグインが伸びてくるのかもしれない、とは感じるところである(例えば、音声の書き起こしのように)。

(3)終わりづらい

Zoom飲み、と言っても本質的にはテレビ会議なので、「途中抜け」が結構難しい場合がある。ここは、「空気なんか読まずに速攻抜ける」というのが良いのではないかと思っている。この手はZoom飲みのホスト(コロナ前の「幹事」に当たる人)は使えないが、そのほか参加者には有効である。

1. Zoom飲みは誰と飲むかによって取るべき戦略・戦術が劇的に変わる

以上、駆け足でここ一週間で私SLが体感したZoom飲みのプロコンをまとめた。Zoom飲みを社内向け/社外向けでやってみて、大まかに以下がわかった。

2. 同僚と行うインターナルの場合、「映え(バエ)」なんか気にせずとにかく相手に生活感を与えるのが必勝

相手にこっちの画面しか見えていない、ということは実は使いようによってはかなりメリットがある。それは、

  • 画面の向こうに対しては、相手の生活が垣間見えるので、映り込むものに対して質問をすれば良いし、
  • 画面に映り込むこちらについては、相手に「こちらの生活を垣間見せて映り込むものに対して質問をさせれば良い」

ということである。

例えば、本が写っている人に対しては

  • どんな本を読んでいるんですか?
  • kindle(デジタル)よりもアナログ派なんですか?

など、大量に質問する/させることができる。

そして、ビジュアルで相手には見えているので、どれだけリアルの飲み会で話すよりも、それ以上の情報が断片的に見えてくる。これは革命に近い。だから、

  • 普段はSaaSKPIしか興味のない上司として振る舞いつつも、「抜け感・ツッコミどころ」を最大限に用意

という、「相手にこちらが生身の人間であることを感じさせる」さらに「相手が生身の人間であることを感じる」ことを最大限利用できるのである。

3. 社外と行うアウター飲み場合、「映え(バエ)」をとにかく意識して、会議だと思って飲むのが必勝

この場合、相手にはかっちりした印象を与えておいた方がいい。ので、背景には気を使うべきで、変な生活感を出さない方が良い。ここは全力で映えを狙うべき。結局、解決したいイシューがあって、それを知ることができるかどうかが最重要なのだから、イシューを解決できるかの視点で会議だと思って取り組むのが吉。もちろん相手との関係性ができてくると、先ほど述べた「同僚とのインターナル」に近い信頼感が醸成された構造が出来上がるので、

「あえて背景が映り込む意図的なZoom放映事故」

を起こすことで、相手の心を掴む高等テクニックもある。

最後に

Zoom飲みの周辺領域で、まだ見ぬSaaS/toCサービスが今後勃興してきそうで、10年後の未来が楽しみで仕方がない。今日の投稿はあまりオペレーショナルな話としては書いてなかったが、このZoom飲みのトレンドは、ザモデル にも多大な影響を及ぼすこと必至である。改めてこの時代に、オペレーションの前提としてコロナ以前は何が前提とされていて、そのパラダイムのどこをどうハックすることがコロナ以降でできるのか、は各SaaS企業に求められていることに疑いの余地はない。コロナ以降はまたパラダイムが大きく変わるとは思うものの、SaaSのオペレーショナルな部分を知るにはやっぱりザモデルが一番優れていると思うので、まだ読んだことがなくてSaaSに興味のある方は是非読んでみてください。

saaslife_SaaSにおけるCAC,LTVとは何か? 適正なLTV/CAC比率の目安はどの程度か?

SaaSにおけるCAC,LTVとは何か? 適正なLTV/CAC比率の目安はどの程度か?

TL:DR;

  • CACはある期間に1ユーザーを獲得するのにかかった必要、LTVは当該期間に獲得したユーザーが解約までに支払う費用
  • LTVとCACの比率目安は3:1と言われており、LTV/CACは3が目安
  • もしLTV/CACが1だとビジネスが危うい、これが5だともっと広告を使うべき、という指標になる

では、まずは用語の定義から。

CAC

CAC:Customer Acquisition Costの略。シーエーシー、だったりカックと言う。あるSaaS企業のCACは、ある期間の内1ユーザー(取引先)を獲得するのにかかったセールス・マーケティング費用の総額を表す。CACは費用なので、低ければ低いほど良い。CACを下げる方法には大きく以下の3つがある。

  • マーケティングチーム/インサイドセールスが質の高いオーガニックリード/商談を獲得する(要は、ザ・モデルで言う入り口の効率が良い)
  • フィールドセールスによる健全なパイプジェン(要は、ザ・モデルで言うリードに対するコンバージョン効率が高い)
  • カスタマーサクセスによるクロスセル/アップセル(既存顧客による横展開なので、基本的にセールス・マーケティング費用が新規でかかることがない)

なお、CACは以下の式で算出できる。

ある期間にかけたセールス・マーケティング費用 / 獲得したユーザー(取引先数)

セールス・マーケティング費用には大まかに以下を入れておけば良い。

  • (a) 広告出稿額
  • (b) 従業員の給与
  • (c)  その他マーケティング費用(ツール費用など)

LTV

LTV:Life Time Valueの略。エルティーヴィー、と読む(CACと対照的に、読み方のばらつきは無い)。1ユーザー(取引先)あたりが解約までに払い続ける金額なので、

  • ユーザー(取引先)あたり平均利用料
  • ユーザー(取引先)あたり平均利用期間

の積で求められる。

LTVとCACの比率目安はどの程度が適正水準なのか?

一般的に、LTV:CACの比率は3:1、つまりLTVをCACで割ると3が目安だとSaaSの世界では言われている。この比率は高ければ高いほど良い。一般的に事業が成長するとCACは広告出稿効率の低下やシェア争いが生じて増える傾向にある。このため、LTV:CACを高い水準に保つには、

  • いかにして値上げをしてLTVの構成要素である平均利用料を引き上げるかと、
  • カスタマーサクセスに力を入れて平均利用期間を増やしていくか

と言うことが重要になる。

LTV/CACは3が目安なので、これよりも高い場合は、もっと顧客獲得を増やすために広告を出向することを考えるべきだし、逆にこの水準が1に近い状態だと、広告を使ってユーザーを獲得するが、ユーザーはすぐに解約するもしくは極めて不健全な状態、と言うことができる。

このCAC、LTV議論はどちらかと言うと細かいオペレーションというか、経営にやや偏った話にはなる。一方でオペレーショナルな導入としてはやっぱりザモデルが一番優れていると思うので、まだ読んだことがなくてSaaSに興味のある方は是非読んでみてください。

saaslife_SaaSに関わり始めて変わった/変わらない私の強み(SaaSとストレングス・ファインダー)

SaaSに関わり始めて変わった/変わらない私の強み(SaaSとストレングス・ファインダー)

TL:DR;

  • SaaSは全員野球
  • 強みが多分横スライドする
  • 役割の変わり続けるスタートアップの中で、自分の強みにフォーカスして進化を楽しみながら事業を伸ばしていこう

以下本題。


SaaSビジネスは常に動き続けており、終わりがない

ちょうど今から約2年前に以下のfreee佐々木さんブログに、「SaaSは全員野球」だと書かれていた。

SaaSのビジネスを考えるとこの内容には共感しかない。

  • マーケチームがリードジェンする。
  • インサイドが商談設定する。
  • フィールドセールスがクロージングする。
  • クロージング後はカスタマーサクセスとカスタマーサポートが顧客に伴走する。

わかりやすくビジネスサイドについてだけ書いたが、当然これらのビジネス活動をプロダクトが支えており、細かく言えばフロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、、、などなど、組織一丸となってビジネスに取り組むのがSaaSだ。


組織が大きくなることで役割が変わり、効率化を図るために分業を進めるとボールが落ち始める

人数が少ない頃はいい。顔が見える。顔色が悪いとかもすぐわかる。みんなが何に取り組んでいるかがわかる。何か気になることがあれば、すぐに声をかければ良い。

これが100人を超えるあたりから怪しくなる。別拠点ができてこの傾向が見え隠れし、フロア分割で決定打となる。


どうすればいいか?

社会人でありプロである以上「相手の期待を超え続ける」のは前提である。しかし、その中でも所詮は人と人だ。自分と相手のタイプを知っておくことで自分を理解し、相手を理解することにつながるのではないか。

と言うことで、昔受けたストレングス・ファインダーテストをもう一度受けてみた。


変わった資質と変わらない資質

saaslife_管理人SLのストレングス・ファインダー結果(2020年3月時点)

前回(2015)と変わっていない資質

  • 学習欲
  • 最上志向

TOP5に新規で追加された資質

  • 活発性
  • 達成欲
  • 目標志向

TOP5から消えた資質

  • 内省
  • 着想
  • 指令性

全体で30近くある資質のTOP5資質だけが分かり、残りはさらに課金が必要というクs仕様であることには目をつむりつつ、意識的に思い当たるところとしては、

  • 学習欲:常に学び続けないと死ぬ
  • 最上志向:スタートアップなら上目指すでしょ

は、これがないとSaaSで成果だせないでしょ的な話あたりが気になるところではある。

新規追加になった3資質については、日々Salesforceを見て売り上げについて考えているからこうなってるのかな、と言うレベル。活発性は、これがないと自分で適切な意思決定をするための情報をとりに行けないから、磨かれたような感覚はある。

削除された内省/着想/指令性については、

  • 内省:忙しすぎてあんまり考える暇がない?
  • 着想:アートよりもサイエンスな実利追求に触れすぎてる?
  • 指令性:主導権が常に変わり続けるので、主導権を握る必要性をそこまで感じてない?

と言う強引なまとめをして締め括ろうと思う。ぜひ、これを読んでいる方も受けてみて、比べてみて欲しい(なお、中古で買うとアクティベーション用のコードが使えないので必ず新品を買う必要があることにご注意!)。

saaslife_マーク・ベニオフから届いたSalesforceのコロナ対応に関する手紙

マークベニオフから届いたSalesforceのコロナ対応に関する手紙

Salesforceを使っていたところ、このようなメールが届いた、と同じくSaaS企業に勤務する知り合いに転送してもらったので紹介する。

TL:DR;

  • 改めてSalesforceのプロダクトとしての凄さを強調
  • 期間限定のQuip(Google docsみたいなもの)の試用版を無償提供
  • 買収したTableauの有用性をコロナに絡めて強調

以下本題。

お客様への手紙(というタイトルのメールだった)

私たちは前例のない状況に直面しています。 世界的なコロナウイルスの世界的大流行は、私たちの家族、ビジネス、コミュニティ、そして私たちの生活のすべてに影響を及ぼしています。 私たちSalesforceはこの状況にどのように対応しているかをお知らせしたいと思います。

何よりもまず、私たちの心は、直接的または間接的に、ウイルスの影響を受けた人に向けられています。 私たちは、特に病気にかかった人たちのことを気にしています。私たちは心からの完全な回復を願っています。 

第二に、あなたの会社と同様にSalesforceでは、従業員、家族、コミュニティの健康と安全に重点を置いています。

世界中のすべての従業員は、自宅で仕事をすることを強く奨励されています。高度に分散した従業員と多くの従業員が通常リモートで作業しているため、この移行は比較的スムーズであり、最高レベルのパフォーマンス、可用性、セキュリティを提供し続けています。

また、可能な限りデジタルチャネルを通じて顧客と連携するようチームに依頼しています。

第三に、このパンデミックに対処している間も、Salesforceの50,000人のチームはあなたの成功にレーザーを集中したままです。すべてのビジネスは未知の領域にありますが、Salesforceはこのような瞬間を処理するように構築されており、お客様の成功に対する当社の絶え間ないコミットメントはこれまで以上に強力です。当社は、信頼、顧客の成功、革新、平等というコアバリューに基づいて設立されており、私たちの価値は揺るぎないものであり、私たちが行うすべてを導き続けています。

この間、私たちは、私たちが住み、働く地域コミュニティを支援するための慈善寄付を通じて、世界中のコミュニティを支援しています。また、当社の技術の一部をお客様、パートナー、およびコミュニティが利用できるようにしています。

Health Cloudを介して、Salesforceは、コロナウイルスの影響を受ける医療システムの有資格の緊急対応チーム、コールセンター、およびケア管理チームに無料でアクセスできるようにしています。昨年買収したTableauは、Johns Hopkins Universityが収集した症例データと、世界保健機関およびCenters for the Centersのデータを使用して、組織がコロナウイルスデータをほぼリアルタイムで表示および理解できるようにしました。従業員がオフィスを離れている間にチームが協力できるように、Quip Starterは、2020年9月30日まで、Salesforceのお客様または非営利組織が無料で利用できるようになります。

弊社の技術で他の人を支援する他の機会をご存知の場合は、xxx @ salesforce.comで私までお知らせください。

Salesforceにはあなたのためのすばらしいチームがあります。 この瞬間は、私たち全員がこれまでにない方法でつながっていることを思い出させてくれます。 Salesforceの私たち全員を代表して、私たちはあなたのパートナーであり、今後何年も何年も一緒に頑張ります。

今後も常に最新情報をお届けし、私たちはあなたのご質問、アイデア、フィードバックを常に大切にしています。

マーク・ベニオフ

Salesforce会長兼CEO

SalesforceCEOのマーク・ベニオフより届いた英語メールを日本語訳したもの

メールアドレスはぼかしている。大前提として、あなたの会社が従業員を大切にするように私たちも大切にしています、できることを自社プロダクトを生かして最大限やってます、と言うのがやっぱベニオフ先輩はすごいなと感じた。

彼の自伝はコチラ。

Salesforceの目標管理であるV2MOMなども載ってて示唆に富んでいる。

saaslife_エンジニアがSaaS企業の非エンジニアCEOが本当に使えるのかを見抜く方法

エンジニアがSaaS企業の非エンジニアCEOが本当に使えるのかを見抜く方法

TL:DR;

  • 非エンジニアCEOに必要なのはプロダクトのユーザー理解、その一点に尽きる
  • プログラミング/ファイナンス/マーケティングの細かい各論の知識はあればベターレベル
  • とにかくプロダクトの先にいるユーザーの理解がどれだけできているかを見極めよう

この記事を書こうと思ったきっかけ

非エンジニアの創業者が1人目の実力を見抜く方法、と言う記事を最近読んだ。記事を読み終えて、この反対側の視点だったらどうだろう、とふと思ったのでここに私の考えをまとめておく。なお、先に述べておくと私は非エンジニアである。


大前提としてSaaS企業のCEOには何が求められるか

まず、SaaS(Software As A Service)の定義から考えても、SaaS企業にてビジネスサイドとエンジニアサイドはプロダクト(クラウドソフトウェア)によって繋がっているといえるだろう。全社ビジョンの策定/成長戦略/組織・人事などCEOの考えるべきことは無限にある。しかしCEOが解くべきイシューの根元には「ユーザーに熱狂的に受け入れられるイケてるプロダクトをどう作るのか?」があるべきだ。

全社ビジョンの策定/成長戦略/組織・人事などを考える目的は、

ユーザーに使われてナンボのプロダクトをいかにしてさらに効率的に広めるか

と言うことだったりする。

以上を元に考えると、CEOは「誰のどういう具体的なペインを解決して対価を会社を運営していくのか」に答えを出し続ける存在ということである。このため以下3特質が「SaaS企業で本当に使えるCEO」の性質ということになるだろう。


(1)プロダクトの使われ方について誰よりも詳しい(詳細の技術仕様については知らなくて良い)

ユーザーは裏でどういう技術が使われてるなんかに興味はない。飛行機の揚力の仕組みを考えながらみんな飛行機に乗らないし、内燃機関など考えて車を運転しないのと一緒だ。重要なのはプロダクトの使い心地という結果のみである。

このため、CEOは細かい技術仕様について知る必要はないが、一方で

  • 技術が自社の負債になっていないか
  • 負債解消の投資をいつするのか

については考える必要はあれど、技術面の詳細については知る必要はない、と私は考えている。

もちろん、採用などで技術面についてのアピールポイントがわかっているとエンジニアに対してはプラスにはなる、けどあくまで加点程度。本質的に重要なのは

  • 自社プロダクトのコアユーザーは誰で
  • 何の機能に満足しているか(さらなるアップセル/クロスセルの機会探究)
  • 何の機能に不満を抱いているか(解約の防止)

を肌で理解しているか、という点だ。


(2)プロダクトを当たり前のように実際に触っている

これは結構びっくりすることなんだけど、意外にみんな自社プロダクトを触っていない。なので、CEOがこれを触ってたりすると、グッとくるよね。どちらかというと精神論な話かもしれないけど。


(3)なぜそのプロダクトがイケているか/どうしたらさらにイケている状態にできると思うか自分の言葉でコメントできる

これは詰まるところ

「ユーザーに熱狂的に受け入れられるイケてるプロダクトをどう作るのか?」

のイシューに答える上で

どういう仮説を持っていて、何が不確定要素なのか

の切り分け精度を見極めるための基本的な特質な気がしている。

上記に付随する資質として、

  • 疑問の解消のためにはあらゆる人脈を駆使する
  • 自社プロダクトによらず、他社のプロダクトを誰よりも触っている

も挙げられるが、CEOであれば当たり前にこれくらいやるよね、ということばかりだ。


まとめ

SaaSプロダクトはtoCプロダクトと違って、実際に自分で試すことが難しい場合が結構ある。

であるが故に、もしあなたがエンジニアで興味のあるSaaS企業があるんだとしたら、例えばイベントに参加して実際にプロダクトを見せてもらうだったり、無料でユーザー登録をして使ってみるなどのやり方があるだろう。てことで当たり前なんだが、エンジニアはSaaS企業への転職においては、

  • 転職先候補のSaaS企業プロダクトをなるべく触っておく
  • 触れないのであれば知り合いに頼んで触らせてもらう

ということを行っておくと、イケてるCEOと出会える可能性が上げられると思いますよ、というお話でした。本当かどうか知らんけど。


興味のある人のためのおすすめ書籍

以下2作は時代背景的にweb完結、かつSaaSよりもコンシューマー向けプロダクトの勝ち方にやや寄せて書かれている感もあり、「とりあえず雑でもいいからプロダクトを出そうよ」という誤解をされがちだけど名著。いいSaaSプロダクト、いいSaaS人材を見つけ出す上で何か参考になれば幸いです。

saaslife_The difference between the most important KPI in SaaS MRR and ARR

The difference between the most important KPI in SaaS :MRR and ARR

I guess there is no exaggeration in saying that “SaaS is all about MRR.”

MRR is the abbreviation for “Monthly Recurring Revenue,” which presents the revenue recurring every month. ARR stands for “Annual Recurring Revenue,” which is slightly different from MRR because it represents the “annual” recurring revenue.

In other words, assuming that the churn rate is zero,

  • if the present MRR is 1 million USD, it will lead to 1 million USD in revenue next month,
  • if the present ARR is 1 million USD, it will lead to 1 million USD in revenue next year.

So which should you use for your SaaS metrics, MRR or ARR?

To relate MRR with ARR, by simply multiplying the MRR by 12, you can relate the MRR to the ARR. However, in a rapid growing startup, the MRR of its first month and its last month will be quite different, which will lead to difference in ARR value, depending on the month of the MRR you use to make the calculation. Sure, it depends on whether you are feeling confident, or slightly careful on your growth. The churn rate also effects the MRR heavily, since if the churn is larger than your new customer, the last month MRR will be smaller than the first month MRR. This is a nightmare scenario for a growing SaaS startup.

According to SaaSOPTICS,

  • you should use ARR to MRR, if the contract period is less than 1 year, and mostly to  business clients(not consumers)
  • it is rare to use ARR to consumer services, because they tend to churn easier than business clients
  • it is easier to predict revenue by using ARR to MRR, since MRR tends to give you a discount by starting the contract in the middle of the month, therefore leading to fluctuation in its value

SaaSOPTICS


Summary

In my opinion, the contract period is not much of a big issue, and you just have to align what metrics you are using, just to align the interests when you are having conversation with your employees and investors.

saaslife_SaaSスタートアップに転職する前に知っておくべきSFAで一変したSaaS関連の21世紀型職種一覧とさらに重要になるスキル(2020年2月1日版)

SaaSスタートアップに 転職する前に知っておくべき SFAで一変したSaaS 関連の21世紀型職種一覧と さらに重要になるスキル (2020年2月1日版)

TL:DR;

  1. SFA(Sales Force Automation)はSaaSスタートアップ運営の肝だ
  2. 20世紀型職業に対して、SFAが組み合わさることで、様々なカタカナ語の職種が生まれた
  3. 全てと切り離せないのが「データ活用」。派手なカタカナ語に惑わされずに後悔のない選択をしよう

はじめに

SaaS関連の募集要項を見ていて、どのスタートアップもカタカナ語をたくさん並ぶ。フィールドセールスに始まり、インサイドセールス、カスタマーサクセス、セールスOps、…などなど。実際にスタートアップに身を置く立場としては、これらのカタカナ語は「ハイハイ、あの仕事のことですね」とすぐにピンとくる。ただ、そもそも自分が大企業にいてSaaSスタートアップに興味を持ったとして、いまいち何が違うのかがわかりづらいだろうし、転職エージェントは細かい職種など何もわかっちゃいない。そこで、そんな方のために極力漢字に変換する形で以下に対応関係を作った。

なお、私自身が事業側を管掌している関係上、売上を作り出すことに関係しているビジネスサイドを中心にまとめた。ただ、実感として、

  • プロダクトサイドは、DevOpsとか、SREとかいろんな名前が出てるけど、「SaaSだからこそ」という職種は皆無

と私は考えている。つまりプロダクトサイドにはSaaSならではの職業パラダイムシフトは一切ないと私は思っている。

では、はじめよう。はじめに、長々と職種の説明を書く。その後に何がこれらを成り立たせるのか、SFAとの関連は何かを紹介するので、興味を持っている職種のつまみよみだけでいいので、最後まで読んでみて欲しい。


(1)マーケ = 名刺獲得部隊

言うまでもない。リード、という言葉は「名刺」を表しており、どれだけの名刺を獲得できるかを目的とした部隊だ。


(2)インサイドセールス = 架電部隊

これは、マーケの獲得した名刺に対して架電を行う部隊を指す。後述のフィールド(実地)セールスと異なり、基本的に社内もしくは屋内(リモートなどの場合)で働くことが多炒め「インサイド」という冠がついている。


(2-a)SDR = 顕在顧客架電部隊

マーケの獲得する名刺には大きく、

  • 資料請求を中心とした(先方からの)友好的な問い合わせのあった連絡先
  • 過去に交換した名刺、顧客リストやインターネット情報などから生成した(こちらからの)一方的な連絡用連絡先

の2種類がある。

これらの名刺のうち、前者の「友好的な名刺」に電話をする部隊がSDRだ。なお、SDRはSales Development Representativeの略称だ。これは、確か Salesforceが発祥だった気がするが、IT企業で「営業」というのを「アカウントマネージャー」のようにより高い次元で意味づけして呼ぶことに成功している、という印象を持っている。


(2-b)BDR = 潜在顧客架電部隊

2-aで述べた「一方的な連絡用連絡先」に電話をする部隊を指しており、Business Development Representativeの略称である。こちらもSalesforceが発祥だ。一般に行って、ニーズが顕在化していないお客さんに連絡を取り、ニーズを顕在化する必要があることが多く、難易度は一般にSDRより高いとされている。


(3)フィールドセールス = 外勤営業部隊

インサイドセールスの設定した商談に関して、顧客と会い、受注を獲得するための部隊。いわゆる「営業」。


(4)セールスイネーブルメント = 営業教育部隊

最近、「うちのセールスイネーブルメントは〜」という使われ方でSaaSスタートアップでもちょくちょく聞く職種。SaaSスタートアップにも人事はいるけど、正直採用/制度設計などのいわゆる旧来のコストセンターとしてしか機能しないので、人事に頼らず売上を上げるために設置されることが多い。


(5)セールスOps = 営業推進 | 営業庶務

そろそろ数の多さに食傷気味になってきたような気がするが、まだ続く。これはもはやただ単にカタカナを使いたいんちゃうかという感じだが、いわゆる営業推進を業務効率化実施文脈で行う部隊として置かれることが多い。


(6)ビジネスデータアナリスト = 営業企画 | 営業推進 | 集計部隊

SaaSはそのシンプルなビジネスモデルと、SFAに適切な(これだけで相当にエントリが書けそうな予感がするんだけど)情報さえ入っていれば、それなりに分析ができるため、ビジネスデータアナリストという職種があり、まだ日本では聞かないが、アメリカではもういるそうだ。


(7)カスタマーサクセス = 既存巡回営業

個人的には一番この職種が言い得て妙だと思っているんだが、「顧客の巡回営業のことを『カスタマーサクセス』と呼んだことは本当にSalesforceの行った最大の発明だ」と言っても過言ではないと思う。ただ、論理的に考えればわかることなんだが、

  • 解約の阻止も大事だが企業のモメンタムとしては新規受注獲得の方が優先度が高い

という当たり前の事実から、一般的にフィールドセールスよりも下に見られることが多い(プライドを持ってカスタマーサクセスしている人たちを知っているが、売上責任の比重が弱めに設定されていることが多く、に対するコミットメントが弱い人は多い感じはある)。


番外編:プロダクトマネージャー = 商品企画

結局このあたりを、開発者が自分たちの居心地がいい状態を作るために「スクラム」とか「アジャイル」とか好き勝手言った結果日本のスタートアップのプロダクトがつまらなくなった、というのが私の持論ではあるが、「名称を変更した結果過剰に評価されている」職種だと思う。


これらの数多い職種を支える前提、SFA

さて、と。(1)〜(7)は全て、SFA(Sales Force Automation、営業力自動化)というクラウドツールのおかげで可能になっていることがSaaSのキモだ。SFA、といえば私はSalesforceを思い浮かべるわけなんだが、評判を聞く限りHubspotでも似たことが代替できると思っている。

実はこれらの仕事は全て、

  • 顧客の状態
  • 顧客の情報

を部門間でパスしながら売上の創出につなげている特徴を持っている。そして、SFAがこれらを全て可能にしているのだ。すなわち、SFAを使いこなすことができるのか、というのがこれらの仕事の質を支えていると言っても過言でない。

例えば日本におけるtoCスタートアップの代表のように今なっているメルカリなどはここまで営業は細分化されていないだろうし、どちらかというと

  • マーケ
  • プロダクトマネージャー

が、前者は広告CPAデータ、後者は内部のユーザー行動データを見るために各種集計ツールを駆使するという意味で強い感じはある。ので、一言で「顧客データ」と言っても、それが果たして一般消費者のデータなのか法人顧客のデータなのかで組織も全く変わる。


最後に

新しい一歩はいつだってドキドキする。私も初めての転職はそうだった。ただ、実際にそのタイミングになって、緊張しながらいろいろ調べたり自分の頭で考えたり、人と会って決断に至った後は不思議と後悔していない。

May the force be with you.あなたの職業選択に幸あれ。

saaslife_masteryoda
saaslife_masteryoda
saaslife_大企業にいながらにしてできるSaaSスタートアップへの転職準備3選

大企業にいながらにしてできるSaaSスタートアップへの転職準備3選

TL:DR;

  1. 転職候補のSaaSスタートアップが本当にSaaSが適した事業モデルか見極めよう
  2. 今いる大企業の中で優秀な人と繋がっておこう
  3. 今いる大企業ののIR/KGI/KPIを隅から隅まで理解しておこう

はじめに

私が今所属するSaaSスタートアップに転職したころ、日本の資金調達環境は今ほどの活況はなく、SaaSもそこまで注目されていなかった。

このページにたどり着いた方は、ある程度SaaSスタートアップの転職に興味があるのだろうと思う。一方、SaaSスタートアップの本当にほしい情報はネットには出まわっていない。非上場会社である以上、事業数値向上に寄与しない情報を出回らせる必要がないからだ。

そこで、これまで私が体験したSaaSスタートアップの勤務経験を元に、あなたが転職を決断する前に何をしておくべきかを厳選してここに3つ記す。

(なお、自分は転職の際転職エージェントを利用したが、転職エージェントはSaaS特化型ではなく、ビジネスモデルをほとんど理解していなかった。したがって「人生の重要な決断をするんだ」と考えて以下を自分で調べて納得のいく答えを出すことを強くオススメする)


1.本当にそのサービスはSaaSである必要があるのか?を見極める

最近は、資金調達がバブリ気味になところと、財務が読みやすい性質(参考:過去記事)もあって、SaaSはVCからも大人気だ。実際、前田ヒロさんによるAll Star SaaS FUNDなるものも存在する。

このように大人気のSaaS。しかし、「それ、SaaSである必要あるの?」という観点が実証されないと、導入はされてもその後すごいスピードで解約が起こることを忘れてはいけない。経営的観点で考えると、使いもしないものにお金は払わない。利用しない物はオンプレだろうが、SaaSだろうが価値は等しくゼロなのである。

解約を起こさず使い続けてもらうためには大まかに以下の観点を満たしたプロダクトである必要がある。(全てが突出して高い必要はないが、これがバランスよく高い、もしくは振り切れていると最高だ)

  • 顧客(基本的に法人)の業務性質上、利用頻度が高い
  • 顧客のすごく重要なデータが溜まっていて、解約するとデータでアクセスできない
  • 顧客はすでに非効率な解決方法を保有もしくは発見しており、ソフトウェアで代替解決可能である

簡単に解説しよう。


顧客(基本的に法人)の業務性質上、利用頻度が高い

これは、議論の余地が少ないと思うが、「そもそも使われることが確約されていますよね」ということだ。いわばビジネスマンにとってのExcelやPowerPoint的な役割を担うことができているのか?ということである。ここに対してはyesと言うことができるように、社員に話を聞いてみたり、知り合いのツテをたどって情報収拾をすべきだ。


顧客のすごく重要なデータが溜まっていて、解約するとデータでアクセスできない

これは、解約防止にとても有効だ。例えば人事評価。人事評価は基本的に四半期、半年、年単位で行われるため、一部の人を除いて利用頻度は高いとは言い難い。しかし、過去の評価をもとに組織編成/役職/人材の配置を決めるためには、「過去の情報」にとても価値が出てくる。これらの情報は溜まれば溜まるほど価値を発揮する。この情報が解約に対して強力な抑止力になるのは想像に難くない。



顧客はすでに非効率な解決方法を保有もしくは発見しており、ソフトウェアで代替解決可能である

つまるところ、アカウント数による契約/一社一括導入関係によらず、最終的にSaaSを導入するのは法人単位になる。法人である以上、予算が明確に決まっており、そのSaaSに使うことのできる費用にはキャップがある。また、法人である以上、Business As Usualとして回すべき業務があり、この業務に対しては何らかの解決方法をその法人ができていると、SaaSを当てて予算の付け替えを起こしやすい。ここは法人営業では真新しい話ではないが、転職などの重要な決断をする際に曇りがち(例:会った人との相性が良さそうだと感じたので、など)なので、私は重要な観点だと思っている。


2. 大企業の中で優秀な人と繋がっておこう

次に、人編。「え、大企業の『外』じゃないの?」と思うかもしれない。これは「中」で正しい。理由は2つある。

  • 大企業は、スタートアップの最終形態。よって、あらゆるものが揃っている
  • 入社後の必要人材は、自分で集めるしかない。そういう人材が重宝される


大企業は、スタートアップの最終形態。よって、あらゆるものが揃っている

結局どれ綺麗事を言おうとも、スタートアップは投資家から事業成長を求められている。成長というのは売上を増やすことで、売上を増やすことは人が増えるということだ。今は小さくカオスな会社も、人が増えるにつれ制度ができ、りん議ができ、決裁が必要になり、という流れに抗うことができない。今の大企業は全て昔スタートアップだった。この事実に目を向けると、大企業は、「最終ゴールはこれを目指すんだな」という意味ではとても有効だということがわかる。なお、私はいわゆる日本の製造業を中心とした大企業には在籍したことがないので、ここでいう大企業というのは製造業などは指していない。基本的にはDeNa、サイバーエージェントなどのIT企業を指す。


この点を踏まえると、大企業の中に当たり前に福利厚生や制度として存在しているものが、どういう前提で出来上がったのかを日々検討して、実装していくのがスタートアップの醍醐味だったりやりがいなんだな、と私は思っている。また、自分がスタートアップの中で働いている中で、大企業にまだいる同期に、「そういえばあの制度ってどうなってて、どう運用されてたっけ?」と聞いて、解決の糸口を得たことは計り知れない。自分から相手に提供できるものがあれば、優秀な人との繋がりは常に自分にとってプラスに働く。



入社後の必要人材は、自分で集めるしかない。そういう人材が重宝される

結局、スタートアップもある数を越えると人事機能が「なんでもバックオフィスさん」から切り出される事になる。実際に人事がいることの恩恵は計り知れない。だが、彼らはキャラクターとしての人材の見極めには長ける一方で、事業理解については苦手としていることが多い。このため、本当に自分が働きやすい環境を作るには、「以前共に働いたことのある人を引っ張ってくる」というのがもっとも効率がいいし、信用できる手段だ。そこで、一緒に仕事を優秀な人とする機会を逃さなければ、回り回ってスタートアップ入社後に、また働くことができる可能性はある。私も今の会社に元同僚がいるが、ベースとしての信頼があるので、コミュニケーションコストが下がるのに助かっている。


3. 自社のIR/KGI/KPIを隅から隅まで理解しておこう

さて、これは以外に軽視されがちなんだが、「自分の会社、本当に辞める必要あるんでしたっけ?」という観点だ。比較するのは大企業とスタートアップなので、メジャーリーガーと高校球児を比較するみたいなものだというのはわかっているが、もしもいい仕事をしたいとあなたが思っているなら、当たり前のようにこの辺は押さえておきたい。

これは、簿記の勉強をしろという話ではない。つまるところビジネスはどうやって回っているのか、なぜ組織がこうなっているのか、という現状を数字で理解するための手段として有効だからだ。残念ながら、日本の大企業にいると、部課長レベルではP/Lまでを理解していればそれだけでいいというところも多いはずだ。ただ、ここをP/L、B/S、C/Fで理解しておくことによって、「案外うちってすごく儲かってるな」ということに改めて気づくことができたり、例えば「自社のサービスをSaaSにしたらどうなるのか?」ということを考えて見て、起案したりすることもできるはずなのである。スタートアップへの転職を進めるような記事ではあるが、ここはフラットに考えたほうがいいと思う。


以上、自分の経験をもとに、今の経験を元に、大企業からもう一度別のSaaSに転職するとしたら、この辺りを重点的にチェックするかなとは思っていることをまとめた。なお、執筆の動機は、

よく知り合いに聞かれるので、テンプレ化したかった

というのが本音だ。


最後に

ここまで好き放題書いた。これまで、面接・実務含めてレイヤーがハイレイヤーから現場レイヤーまで様々な方を見てきた。が、身も蓋もない話をすれば、最初の段階で上記全てができている人は見たことがない。このため、自分の得意な領域を選んでみて、参考にしていただけると幸いである。異論、反論は積極的に認めます。


オススメ本

「3. 自社のIR/KGI/KPIを隅から隅まで理解しておこう」のやり方として、私がこれまで読んだ本の中で、一番いいなと思った本をあげておく。繰り返すが、簿記の勉強をする必要は転職先を適切に選定する観点だと一切必要ないので時間を有効に使って欲しい。

FY2018に売上が1000億円を超えた米国SaaS企業9社の売上推移

FY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)

さて、本日は2018年実績で売上が1000億円を超えた米国のSaaS企業、

  • Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau

の売上高推移とその売上高成長率の三年移動平均を紹介する。

TL;DR:

  • Salesforce/Adobeが二強
  • Salesforceは2015年にAdobe超え
  • 急激に拡大した後も高い成長率を維持し、2018年時点の三年移動平均は120-160%

Salesforce/Adobeが二強

saaslife_MarketoFY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)_売上高推移
saaslife_MarketoFY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)_売上高推移

はじめに売上高の年次推移を。

厳密にはMicrosoftとかもクラウド版Officeだったりを提供しているので入れたいところではあるが、Microsoftは売上をサブスク/プロフェッショナルサービスで公開していないので対象外とした。なお、1ドル100円換算で計算している。

また、Mircrosoftと同じくソフトウェアだけでなくオンプレサーバーの月額保守/ソフトウェアに軸足を置いているIBMやOracle、SAPは除外している。

Salesforceが1兆円、Adobeが9000億円と、2500億円以下に分布している他のSaaSに比べて大きく売上を突き放している。もちろん、これは扱っているソフトウェアの種類によって単価だったり、TAMも異なる。あくまで売上という統一指標における比較だ。

Salesforceは2015年にAdobe超え

しかし、Salesforceの伸びが著しい。

グラフ内に入っているTableauを2019年8月に買収したのも記憶に新しい。

なんと2015にはAdobeを抜き去っている。

急激に拡大した後も高い成長率を維持し、2018年時点の三年移動平均は120-160%

saaslife_MarketoFY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)_売上高成長率
saaslife_MarketoFY2018に売上が1000億円を超えたSaaS企業9社の売上推移(Salesforce、Adobe、Palo Alto Networks、Workday、Fortinet、Dropbox、Splunk、LogMein、Tableau)_売上高成長率

次に、三年移動平均で見た成長率を。(グラフは単年の成長率だと増減が激しいので、三年を合算して移動平均を出している)

グラフより、

  • 売上推移の最初の方は成長率が200%-300%付近を推移
  • 年数が経過するにつれて徐々に減衰する

特徴があることがわかる。前者は「とにかく早く認知を得て拡大する」という近年のSaaSの企業成長トレンドともかぶるところがあるし、T2D3(売上を最初の2年は3倍成長、後半の3年は2倍で成長)などと言われるところとも共通項があるだろう。それにしてもFY2018時点で成長率が低くても120%とか、、、SalesforceもAdobeも出来てからもう20年、あるいはそれ以上経っているのにすごいなという感じである。

最後に

intuitについて言及し忘れたけど、それはまたの機会で。

saaslife_社員皆経営者」な意識を私が持つ為に有効だった先輩の質問

社員皆経営者」な意識を私が持つ為に有効だった先輩の質問

たまには趣向を変えてお送りします。

特にある読者を想定している訳では無いが、強いて言うならあの頃の自分に向けたポエムということで。

なお、このアイキャッチ画像のダンディな紳士が誰かわからない人は、知り合いのSaaS企業勤務の人にこの投稿のリンクをシェアして誰なのか聞いてみたください。すごい人です。逆にその人が答えられなかったらその人はただの雰囲気でSaaS最高と言ってるただのワナビー野郎なので今後SaaS文脈においては連絡しないほうがいいと思います。

本題に入ろう。

よく「社員皆経営者」という話を耳にする。簡単にいうと、「経営者の目線を持って働きましょう」ということだ。

前職、広告会社で働いていた際私は正直言ってプライドばかり高いが仕事のできない、いわゆるお荷物社員だった。具体的にどうお荷物だったかというと、

  • 会社の文句はがっつり言う、態度も悪い
  • 先輩の言うことを聞かない
  • の割に的外れなことばかり言う

と言う、どうしようも無い社員だった。

これで、「仕事だけはこなせる」のであればまだマシだったんだが、仕事もろくにこなせていなかったと客観的に当時を振り返って思う。仕事において当事者意識なんてものはかけらもなかった。よくクビにならなかったな・・

当時は、

  • 俺は会社を辞めるぞジョジョーッ!!

という、「入社1-3年以内で仕事を辞めてノマド的な動きをしたりする人たち」をよそ目に、なんか違うんじゃ無いかと感じながら、でも自分も仕事を辞める選択はできなかった。無一文になりたくもなかったが、リーマンショック直後の2009-2012年ごろは今と違って猫も杓子もスタートアップ、経験不要のやる気採用という感じではなかったのである。

ということで、ズルズル仕事を続けていたわけなんだが、ある日レッドブルを買いに行った自販機で先輩に呼び止められた。

「SL君、君の担当している事業はいくら会社において売り上げているか答えられるかい?」

引用元:名もなき前職の先輩

正直答えることができなかった。先輩は続けた。

「そのくらいも知らないのに自分の仕事に対して文句を言ってるとか話にならないよね。せいぜい悲劇の主人公を気取ってなさい」

引用元:名もなき前職の先輩

悔しかった。ので、手元の情報を集めて、まずは先輩の質問に対して答えられるようにしてみた。

すると、

  • なぜあの先輩は「仕事できる」風な空気を出しているのか
  • なぜあの事業部は花形扱いされているのか

が一段違う視座で見えてきた。売上高が大きいからあそこの事業部は持ち上げられているのか、と。

この頃から、営業部の人たちとゴルフを始めた。

もちろん、売上を上げている所の営業部の人たちとだ。この頃、社内で働く仕事をしていたので、完全に「この人たちと仲良くしておけば自分の仕事が楽になるな」という下心と、「一体普段どういうことを考えているんだろう」「会社の決定に対して、どう解釈しているんだろう」ということに尋常ならざる興味を持っていた。中にはとにかく長期間売上目標を達成し続けている化け物もいたし、この人たちの考え方を理解することで自分も仕事ができるんじゃないか、と当時は思っていた。

このように異なる部署の営業の人たちとの関係性の中から、

  • 自分の仕事をボトムアップで理解し、
  • 会社においてどういう位置付けに今自分がいて、振る舞うのか

をまるで将棋のコマとして日々振舞いながら、盤面について考えるような感覚を持ったことがある日あった。

あの瞬間から、少しだけ私に社員皆経営者主義の片鱗が生まれたような気がする。もちろん、スタートアップで働いていると、株式やSOの話・比率は人によって大幅に異なるので、経営者が「経営に絡む視座で物事を考えよう」と言ったとしても

はいはいポジショントーク乙(成功したら恩恵を受けるのは自分だから言ってるんでしょ)

よくある社員皆経営者主義や当事者意識に対する反論

と捉えることはできるが、「その状況でさらに貢献するか・退職するかを含めて、どう最善に振る舞うか」はあなたに委ねられており、「自分の使える資源(主に時間)」をどう過ごすかは、将来に天と地ほどの差を作り出す。誰もが平等ではないが、わかりやすい事実だ。そして最後は自分がどうするかを決められる。

今思えば、あの日の瞬間はすごく嫌だったが、先輩には感謝しないといけないと思う。