国内SaaS」カテゴリーアーカイブ

saaslife_SaaSスタートアップに転職する前に知っておくべきSFAで一変したSaaS関連の21世紀型職種一覧とさらに重要になるスキル(2020年2月1日版)

SaaSスタートアップに 転職する前に知っておくべき SFAで一変したSaaS 関連の21世紀型職種一覧と さらに重要になるスキル (2020年2月1日版)

TL:DR;

  1. SFA(Sales Force Automation)はSaaSスタートアップ運営の肝だ
  2. 20世紀型職業に対して、SFAが組み合わさることで、様々なカタカナ語の職種が生まれた
  3. 全てと切り離せないのが「データ活用」。派手なカタカナ語に惑わされずに後悔のない選択をしよう

はじめに

SaaS関連の募集要項を見ていて、どのスタートアップもカタカナ語をたくさん並ぶ。フィールドセールスに始まり、インサイドセールス、カスタマーサクセス、セールスOps、…などなど。実際にスタートアップに身を置く立場としては、これらのカタカナ語は「ハイハイ、あの仕事のことですね」とすぐにピンとくる。ただ、そもそも自分が大企業にいてSaaSスタートアップに興味を持ったとして、いまいち何が違うのかがわかりづらいだろうし、転職エージェントは細かい職種など何もわかっちゃいない。そこで、そんな方のために極力漢字に変換する形で以下に対応関係を作った。

なお、私自身が事業側を管掌している関係上、売上を作り出すことに関係しているビジネスサイドを中心にまとめた。ただ、実感として、

  • プロダクトサイドは、DevOpsとか、SREとかいろんな名前が出てるけど、「SaaSだからこそ」という職種は皆無

と私は考えている。つまりプロダクトサイドにはSaaSならではの職業パラダイムシフトは一切ないと私は思っている。

では、はじめよう。はじめに、長々と職種の説明を書く。その後に何がこれらを成り立たせるのか、SFAとの関連は何かを紹介するので、興味を持っている職種のつまみよみだけでいいので、最後まで読んでみて欲しい。


(1)マーケ = 名刺獲得部隊

言うまでもない。リード、という言葉は「名刺」を表しており、どれだけの名刺を獲得できるかを目的とした部隊だ。


(2)インサイドセールス = 架電部隊

これは、マーケの獲得した名刺に対して架電を行う部隊を指す。後述のフィールド(実地)セールスと異なり、基本的に社内もしくは屋内(リモートなどの場合)で働くことが多炒め「インサイド」という冠がついている。


(2-a)SDR = 顕在顧客架電部隊

マーケの獲得する名刺には大きく、

  • 資料請求を中心とした(先方からの)友好的な問い合わせのあった連絡先
  • 過去に交換した名刺、顧客リストやインターネット情報などから生成した(こちらからの)一方的な連絡用連絡先

の2種類がある。

これらの名刺のうち、前者の「友好的な名刺」に電話をする部隊がSDRだ。なお、SDRはSales Development Representativeの略称だ。これは、確か Salesforceが発祥だった気がするが、IT企業で「営業」というのを「アカウントマネージャー」のようにより高い次元で意味づけして呼ぶことに成功している、という印象を持っている。


(2-b)BDR = 潜在顧客架電部隊

2-aで述べた「一方的な連絡用連絡先」に電話をする部隊を指しており、Business Development Representativeの略称である。こちらもSalesforceが発祥だ。一般に行って、ニーズが顕在化していないお客さんに連絡を取り、ニーズを顕在化する必要があることが多く、難易度は一般にSDRより高いとされている。


(3)フィールドセールス = 外勤営業部隊

インサイドセールスの設定した商談に関して、顧客と会い、受注を獲得するための部隊。いわゆる「営業」。


(4)セールスイネーブルメント = 営業教育部隊

最近、「うちのセールスイネーブルメントは〜」という使われ方でSaaSスタートアップでもちょくちょく聞く職種。SaaSスタートアップにも人事はいるけど、正直採用/制度設計などのいわゆる旧来のコストセンターとしてしか機能しないので、人事に頼らず売上を上げるために設置されることが多い。


(5)セールスOps = 営業推進 | 営業庶務

そろそろ数の多さに食傷気味になってきたような気がするが、まだ続く。これはもはやただ単にカタカナを使いたいんちゃうかという感じだが、いわゆる営業推進を業務効率化実施文脈で行う部隊として置かれることが多い。


(6)ビジネスデータアナリスト = 営業企画 | 営業推進 | 集計部隊

SaaSはそのシンプルなビジネスモデルと、SFAに適切な(これだけで相当にエントリが書けそうな予感がするんだけど)情報さえ入っていれば、それなりに分析ができるため、ビジネスデータアナリストという職種があり、まだ日本では聞かないが、アメリカではもういるそうだ。


(7)カスタマーサクセス = 既存巡回営業

個人的には一番この職種が言い得て妙だと思っているんだが、「顧客の巡回営業のことを『カスタマーサクセス』と呼んだことは本当にSalesforceの行った最大の発明だ」と言っても過言ではないと思う。ただ、論理的に考えればわかることなんだが、

  • 解約の阻止も大事だが企業のモメンタムとしては新規受注獲得の方が優先度が高い

という当たり前の事実から、一般的にフィールドセールスよりも下に見られることが多い(プライドを持ってカスタマーサクセスしている人たちを知っているが、売上責任の比重が弱めに設定されていることが多く、に対するコミットメントが弱い人は多い感じはある)。


番外編:プロダクトマネージャー = 商品企画

結局このあたりを、開発者が自分たちの居心地がいい状態を作るために「スクラム」とか「アジャイル」とか好き勝手言った結果日本のスタートアップのプロダクトがつまらなくなった、というのが私の持論ではあるが、「名称を変更した結果過剰に評価されている」職種だと思う。


これらの数多い職種を支える前提、SFA

さて、と。(1)〜(7)は全て、SFA(Sales Force Automation、営業力自動化)というクラウドツールのおかげで可能になっていることがSaaSのキモだ。SFA、といえば私はSalesforceを思い浮かべるわけなんだが、評判を聞く限りHubspotでも似たことが代替できると思っている。

実はこれらの仕事は全て、

  • 顧客の状態
  • 顧客の情報

を部門間でパスしながら売上の創出につなげている特徴を持っている。そして、SFAがこれらを全て可能にしているのだ。すなわち、SFAを使いこなすことができるのか、というのがこれらの仕事の質を支えていると言っても過言でない。

例えば日本におけるtoCスタートアップの代表のように今なっているメルカリなどはここまで営業は細分化されていないだろうし、どちらかというと

  • マーケ
  • プロダクトマネージャー

が、前者は広告CPAデータ、後者は内部のユーザー行動データを見るために各種集計ツールを駆使するという意味で強い感じはある。ので、一言で「顧客データ」と言っても、それが果たして一般消費者のデータなのか法人顧客のデータなのかで組織も全く変わる。


最後に

新しい一歩はいつだってドキドキする。私も初めての転職はそうだった。ただ、実際にそのタイミングになって、緊張しながらいろいろ調べたり自分の頭で考えたり、人と会って決断に至った後は不思議と後悔していない。

May the force be with you.あなたの職業選択に幸あれ。

saaslife_masteryoda
saaslife_masteryoda
saaslife_SaaS企業におけるNRRとは?SmartHRはなぜカスタマーサクセス採用に投資するか?

SaaS企業におけるNRRとは何か?SmartHRはなぜカスタマーサクセスの採用に投資するか?

SaaSの企業にはとにかく様々な英字三文字指標がある。

まず、日々経営をする上でKPIとして見るべき指標だけでも、

  • MRR / ARR / CAC / LTV / TCV 

インサイドセールスの役割合だって、

  • SDR / BDR 

マーケティングの概念に広げると

  • ABM / MQL / SQL

マーケ用語をさらに組み合わせると

  • CPA / CTR / CVR

など例には事欠かない。

SaaSスタートアップ界隈激震のSmartHR資金調達

さて、最近61.5億円の資金調達で国内SaaS界隈で話題になったSmartHRが記憶に新しい。

私管理人のSLも宮田さん(社長)のブログの愛読者で、資金調達で調達した資金の使途ととして、採用に投資しますと言うことを書いたブログを読んだ。その記事内で、

「Churn RateとNRRがとっても重要になってきた」

https://blog.shojimiyata.com/entry/2019/07/26/165422

と言うことに触れていた。

てか、「M」RRじゃないの?

この「NRR」、「M」じゃないの?と言う感じなんだが、NRRで間違っていない。NRRはNet Revenue Retentionの略だ。SaaSビジネスの本質は、月額課金で月額をどれだけ維持してあげていくかが重要だ。

このため、

  • (1)解約が起きない
  • (2)解約が起きようが、アップセル(orエクスパンション)によって売上が増える

必要がある(後者については、解約によりMRRが下がろうが、それを上回るMRRがアップセルで生まれれば、MRRはプラスだよね!よっしゃ!と言うこと。)

結局カスタマーサクセスの役割は計り知れない

さて、実はこの(1)と(2)を推し進める上で、「カスタマーサクセス」の役割が極めて重要になってくる。

簡単におさらいすると、カスタマーサクセスは、

  • マーケがとってきたリード(名刺)に対して
  • インサイドセールス(BDR/SDR)が商談設定
  • フィールドセールスがクロージングし
  • イニシャルセットアップなどが終わってからクライアントに伴走する ← ここ

を指す部隊である。(カスタマーサポートと何が違うの?と言う点についてはまた今度触れます。)

このクライアントに伴走、と言うのはどちらかと言うと「能動的な」伴走になる。つまり、SaaSなので、クライアントは不満を抱くと解約してしまう。そこで、

  • 「クライアントがSaaSを導入することで解決したいことが本当に解決できているのか?」
  • 「クライアントはちゃんとSaaSを使いこなせているのか?」

を手を変え品を変え解消していく必要がある。この辺のくだりはこの本(通称青本)にとてもよくまとまっている。特にいかに我々SaaSの提供側が「いや、そのくらい使い方わかるっしょ」とクライアントに対してサービス(ソフトウェア)が不便かをあまり考えずに提供してしまっていることに気づかされるのだ。

実は解約防止だけでない、超重要なサクセスの役割:クライアントへのアップセル案内

さて、そんな具合で、カスタマーサクセスが解約の防止にとても重要であることは疑いの余地がないわけだが、同様にアップセルを生み出す部隊として、カスタマーサクセスはまた重要な役目を持つ。そもそもSaaSは基本的にマルチテナントでサービスを提供しているので、常にプロダクトが変化しており、機能追加や仕様の変更に事欠かない。また、クライアントのニーズは日々要望として上がってくるから、

  • フィールドセールスが商談をクロージングした地点Aでは特にクライアントに提供できるサービスがなかった
  • がしかし、その後プロダクト開発ができ、クライアントに提供できる機能が導入できた
  • その機能は有償オプションとしてクライアントに提供が可能になり、クライアントはそのことを知らない

と言うことが起こり得る。

したがって、そのような場合に、クライアントに連絡して、今もそのニーズがあるのかを確かめて、商品を案内し、納得して買ってもらうわけだ。これは、常に「新規顧客を開拓する」ミッションを持って邁進しているフィールドセールスには担うことができない役割だ。(もちろん、フィールドとクライアントの関係性などにより、サクセスに話が行かずに、フィールドにクライアントから直接話が来ることは起こりうる。だが、これはまた別の話だ。)

そう考えると、大型の資金調達をして、人を採用します。それに重要なのはエンジニアとカスタマーサクセスです、と言う宮田さんのブログは的をいてるなぁと感じたのであった。知らんけど。

最後に

ここに書いてることは全て管理人SLの妄想です。