「スモールビジネスを、世界の主役に。」ついに謎に包まれていた解約率の推移公開を始めたクラウド会計ソフトフリー(freee)のKGI/KPI推移を調べてみた(1/2)

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saaslife_「スモールビジネスを、世界の主役に。」ついに謎に包まれていた解約率の推移公開を始めたクラウド会計ソフトフリー(freee)のKGI/KPI推移を調べてみた(1/2)

フリーは会計フリー、人事労務フリーを中心とした統合型クラウドERPをスモールビジネス向けに向けに提供。

saaslife_参考:フリーの提供サービス

はじめにフリーの各サービスについてご紹介します。こちらはフリーの抱えているプロダクトの一覧(会計フリー、人事労務フリー、申告フリー、マイナンバー管理フリー、会社設立フリー、フリーカード、開業フリー)です。フリーはこれらのプロダクトを通して、スモールビジネス(フリーの定義によれば、フリーは従業員が1,000人未満の事業)向けにサービスを提供しているようです。前回紹介したチームスピリットとはまた異なる定義なのですが、各種SaaS会社によって、ターゲットとする顧客セグメントに特色が出て面白いですね。

フリーの提供する各種プロダクトは、ざっくり以下の機能を備えているようです。サービス名ができることをそのまま表していて、わかりやすいものが多いですね。スモールビジネス向け、ということであえてわかりやすいネーミングを採用しているのでしょうか。

  • 会計フリー:統合型クラウド会計ソフト(請求書発行・経費精算・決算書作成・予実管理・内部統制業務などに対応)
  • 人事労務フリー:統合型クラウド人事労務ソフト(勤怠管理・入退社管理・給与計算・年末調整・マイナンバー管理業務などに対応)
  • 申告フリー:税務申告業務に対応
  • マイナンバー管理フリー:マイナンバー管理業務に対応
  • 会社設立フリー:会社設立業務に対応
  • フリーカード:クレジットカード
  • 開業フリー:開業業務に対応

こちらは、フリーがターゲットとする顧客群の概念図です。従業員1,000名未満の会社は全国に約600万超存在し、市場としてはかなり大きいということが言えるでしょう。

saaslife_参考:フリーがターゲットとする顧客群

2012年に7月に創業後、2019年12月には東証マザーズに上場

saaslife_参考:フリーの沿革

続いてフリーの沿革についてです。フリーの沿革によれば、同社は2012年にCFO株式会社という名称で設立されています。翌年にはクラウド会計ソフトのfreeeをリリースし、社名もフリー株式会社に変更されています。サービスが完成するまでに、すでにCFOの役割、つまり財務情報などを取り扱う会社にする想定があった、ということでしょうか。いずれにしても社名とサービス名が解離すると、初めてサービスを知る利用者の目線からは混乱する(電話や名刺交換などで、「CFO株式会社のフリーです」とプロダクトを紹介する必要があるため)ことを考えると、サービスリリース後の4ヶ月後には社名変更に踏み切っている感じなんですね。その後2014年10月にはクラウド給与計算ソフトfreeeをリリースしており、現在の主要サービスが出そろった形です。その後は2018年にクラウド会計ソフトのフリーを使っている企業に借入可否を提示したりオンラインで売掛債権を現金化できる「請求書ファイナンス」を提供するフリーファイナンスラボを設立し、昨年12月の2019年12月には東証マザーズに上場を果たしています。

フリーの開示KGI(連結売上高)推移:2020年6月期末で68.9億円、直近YoY成長率は153% 

saaslife_フリーの開示KGI(売上高)推移

では続いてフリーの連結売上高から見てみましょう。直近2年の連結売上高の推移を見ると、売上高の成長率はYoYで150%を超えており、力強く成長していることがわかります。一方、こちらはフリーファイナンスラボともう一社非公開の子会社を含んでいるため、フリー単体での売上高推移を見てみましょう。

フリーの開示KGI(単体売上高)は2020年6月期末で69.2億円、直近YoY成長率は151%。

saaslife_フリーの開示KGI(単体売上高)推移

では続いてフリーの単体売上高から見てみましょう。直近5年の単体売上高の推移を見ると、それでも売上高の成長率はYoYで200%超えの水準から下がってきているものの150%を超えており、力強く成長しています。なお、単体の売上高の方が連結の売上高よりも売上高が高い、ということが起きていますが、これは子会社の売上による内部取引を反映した結果、単体の売上高よりも連結の売上高が大きい、ということにつながっている、と推測できます。

参考:フリーのストック売上比率は90%以上

saaslife_参考:フリーのストック売上比率は90%以上

続いて、クラウドサービス(月額課金)の比率について見てみましょう。2020年8月12日に発表された2020年6月期の決算説明資料によれば、フリーのサブスクリプション比率(いわゆる月額課金比率で、このサイトではストック売上と呼んでいる指標です)は90%より高いとのことです。フリーは特に売上高をプロダクト単位で公開はしていないため、その内訳詳細は不明ですが、そもそもスモールビジネスを相手にしており、基本的に初期の導入に手間がかからないプロダクトを中心に提供していることから、売上高のほとんどの部分をストック売上が占めていることについては特に違和感はない感じがします。それにしても90%はこれまで取り上げてきたSaaS企業の中でもかなり高い方ですね。

参考:フリーは主要サービスでマネーフォワードと競合

saaslife_参考:フリーは主要サービスでマネーフォワードと競合

最後に、フリーはあまり売上高の内訳がわかりづらいので、どのような企業群と競合関係にあるのかを同社ホームページの情報からまとめました。こちらはフリーの主要2プロダクト、クラウド会計ソフトとクラウド給与計算のシェアについて表示しているものです。順番がクラウド給与計算からになっていますが、クラウド給与計算から説明すると、競合は

  • SmileWorks
  • Money Forward クラウド給与
  • Crew給与計算(廃止)
  • フリーウェイ給与計算

の4つとのことです。一方、クラウド会計については、

  • Money Forward
  • 弥生

とのことで、両者ともにマネーフォワードが出てきます。マネーフォワードも領域が似たサービスを提供していることもあって、まさにど競合という感じなんですね。過去にマネーフォワードはフリーから特許侵害で訴えられていたこともあり、それぞれの数字を比較すると見えるプロダクトの違いなど、分析が非常に楽しみです。

次回以降、気になるKPI推移について紹介していきます!フリーはARR・ARPU・解約率(12ヶ月平均がついに開示されるようになりました)など含めて各種KPIを細かく開示しているので、かなり分析が非常に楽しみです!最後までお読みいただきありがとうございました。

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