- 2020年12月期末時点の推定MRRは2.9億円(2020年3月期末のリカーリング売上高とサブスクリプション売上高/12)
- ラキールはアマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの大手クラウド事業者の提供するクラウドサービス上での開発を効率化するためのLaKeelDX、LaKeelDX上で稼働する数多くのLaKeelアプリケーションを提供
- LaKeelのアプリケーションは9つあり、LaKeel BI・LaKeel Data Insight・LaKeel Messenger・LaKeel Commerce・LaKeel Online Media Service・LaKeel My Number・LaKeel StressCheck・MONEY/HUMANから成り立つ
- ラキールの各種プロダクト料金は要問い合わせ
- 2020年12月期末の期末契約社数あたり単価は57.2万円/月。最新YoY伸び率は112%
- 2020年12月期末のユーザー数は739ユーザー、直近YoY成長率は128%
- 2019年第一四半期〜2021年第一四半期にかけての四半期のユーザー数グロス解約率は0〜2.9%、ユーザー数ネット解約率は-7.7〜-2.3%
- 2020年12月末時点で売上解約率(グロス)は2.1%、売上解約率(ネット)は-57.1%
- 2020年12月期の最新従業員数は387人。最新YoY伸び率は106%
- 最後に
- 最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
2020年12月期末時点の推定MRRは2.9億円(2020年3月期末のリカーリング売上高とサブスクリプション売上高/12)
はじめに、ラキールのMRRについて述べます。なお、ラキールはそのMRR/ARRを有価証券報告書の中では公開していません。一方で、
・プロフェッショナルサービスの中のリカーリング売上高
・プロダクトサービス売上高のサブスクリプション売上高
は公開されていますので、この金額を合計し、12(ヶ月)で割り算を行った数字をMRRとして算出しています。
ラキールはアマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの大手クラウド事業者の提供するクラウドサービス上での開発を効率化するためのLaKeelDX、LaKeelDX上で稼働する数多くのLaKeelアプリケーションを提供
続いて、2021/6/11発表 第4期有価証券報告書より抜粋してきたラキールのプロダクトの機能概要を紹介します。同社有価証券報告書によれば、同社のプロダクトはは
・LaKeelDX:アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの大手クラウド事業者の提供するクラウドサービス上での開発を効率化するためのサービス
・LaKeelアプリケーション:LaKeelDX上で稼働する多くのアプリケーション(詳細後述)
から構成されています。
LaKeelのアプリケーションは9つあり、LaKeel BI・LaKeel Data Insight・LaKeel Messenger・LaKeel Commerce・LaKeel Online Media Service・LaKeel My Number・LaKeel StressCheck・MONEY/HUMANから成り立つ
続いて、LaKeelのアプリケーションについて紹介します。2021/6/11発表 第4期有価証券報告書によれば、ラキールの提供するアプリケーションは9つあり、
・LaKeel BI:経営・会計・人事などのデータを集約・加工できるツール
・LaKeel Data Insight:データを統合的に管理できるツール
・LaKeel Messenger:企業向けSNS
・LaKeel Commerce:eコマースツール
・LaKeel Online Media Service:マイクロ・ラーニング(隙間時間で学習できる)ツール
・LaKeel My Number:マイナンバー管理プラットフォーム
・LaKeel StressCheck:企業向けストレスチェックツール
・MONEY/HUMAN:会計・人事給与パッケージ
の特徴があります。
ラキールの各種プロダクト料金は要問い合わせ
こちらは2021/6/20時点のラキールプロダクトに関する同社ホームページの抜粋情報です。同社ホームページによればラキールのプロダクトの料金は公開されておらず、個別問い合わせが必要でした。企業によって従業員数であったり、どの機能を組み合わせるかは異なるはずですので、あえて公開していないのかもしれないですね。
2020年12月期末の期末契約社数あたり単価は57.2万円/月。最新YoY伸び率は112%
続いて、同様に2021/6/11発表の第4期有価証券報告書にて公開されているラキールのユーザー数から算出した契約社数あたり単価についても見てみましょう。こちらによれば、ラキールプロダクトの2020年12月期末のサブスクリプション単価は57.2万円/月で最新YoY伸び率は112%となっています。プロダクトの特性上、おそらく単体の導入、というよりは複数のプロダクトを同時契約していると想定される一方で、どのプロダクトが中心なのかは不明でした。今後さらに情報が開示されるのが楽しみですね!
2020年12月期末のユーザー数は739ユーザー、直近YoY成長率は128%
続いて、ラキールの導入社数についても見てみましょう。こちらは2021/6/11発表 の第4期有価証券報告書より抜粋してきた同社のサブスクリプションユーザー数をグラフにしたものです。こちらの情報によれば、2020年12月期末のユーザー数は739ユーザー、直近YoY成長率は128%とのことです。
2019年第一四半期〜2021年第一四半期にかけての四半期のユーザー数グロス解約率は0〜2.9%、ユーザー数ネット解約率は-7.7〜-2.3%
続いて、ラキールの公開している解約率について見てみましょう。同社によれば、そのユーザー数解約率について、四半期の
・ユーザー数グロス解約率は0〜2.9%
・ユーザー数ネット解約率は-7.7〜-2.3%
とのことです。なお、グロスの解約率、ネットの解約率ともに数字は低いほど良いことにご注意ください(特に、ネット解約率は、解約数より新規契約が多いとマイナスになるのが通常ですので、数字の絶対値が大きいほど良いことになります)。
2020年12月末時点で売上解約率(グロス)は2.1%、売上解約率(ネット)は-57.1%
続いて、ラキールの公開している解約率について見てみましょう。同社によれば、その売上解約率については、2020年12月末時点で
・売上解約率(グロス)は2.1%
・売上解約率(ネット)は-57.1%
とのことです。さらに同社は有価証券報告書の中でその主要プロダクトとプロダクト全体の解約率を公開しており、解約数が少なく、新規売上が伸びているのがLaKeelDXとLaKeelBIであることを公開しており、昨今の日本におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)需要が事業にも影響を良い方向でしているのではないかということが推測されます。
2020年12月期の最新従業員数は387人。最新YoY伸び率は106%
最後に、ラキールの従業員数について述べます。2020年12月期の最新従業員数は387人で最新YoY伸び率は106%とのことです。第2期にあたる2018年時点で既に347名の従業員数がいるのは、同社の沿革でも紹介した通り、母体となるラキールの母体となる会社は約20年前に設立されていたことが影響しています。
最後に
今回取り上げたラキールは、企業の業務効率化のために、数多くのプロダクトを提供している会社でした。これまで取り上げたところでは、サイボウズやラクモと近いプロダクトを提供している会社です。日系企業においては、今後もますます社内システムのSaaS置き換えが進んでいくはずなので、今後もどうなって行くかがとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。