- 2020年3月期末時点の推定MRRは2.2億円(2020年3月期末のリカーリング売上高/12)
- 認証・セキュリティプロダクトは5つのサービスから成り立つ
- Linux/OSSプロダクトは4つのサービスから成り立つ
- IoTプロダクトは3つのサービスから成り立つ
- SureServerは年間52,800円〜120,000円、月額4,400〜10,000円で利用可能
- Asianuxは年間48,800円、月額4,066円で利用可能
- EMLinuxは3ヶ月200,000円、月額16,666円で利用可能
- 2020年3月期末の推定導入社数はセキュリティ・プロダクト:28.9万社、Linux/OSS:14.4万社、IoT:479社(ただし、単価は公開情報から全て推定)
- 2020年3月期の最新従業員数は207人。最新YoY伸び率は104%
- 最後に
- 最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
2020年3月期末時点の推定MRRは2.2億円(2020年3月期末のリカーリング売上高/12)

はじめに、サイバートラストのMRRについて述べます。なお、サイバートラストはそのMRR/ARRを有価証券報告書の中では公開していません。一方で、認証・セキュリティ、Linux/OSS、IoTの各事業売上高に占めているリカーりんぐ売上高は公開されています。そこで、このリカーリング売上高を足し上げたものを12ヶ月で割り算したものをMRRとして算出しています。
認証・セキュリティプロダクトは5つのサービスから成り立つ

続いて、2021/6/16時点の同社ホームページより抜粋してきたサイバートラストの認証・セキュリティ事業に関連するプロダクトの機能概要を紹介します。同社ホームページによれば、同社の認証・セキュリティ事業は
・パブリック認証情報サービス
・電子認証局サービス
・トラストサービス
・プロフェッショナルサービス
・Webセキュリティサービス
から構成されています。

Linux/OSSプロダクトは4つのサービスから成り立つ

続いて、2021/6/16時点の同社ホームページより抜粋してきたサイバートラストのLinux/OSS事業に関連するプロダクトの機能概要を紹介します。同社ホームページによれば、同社のLinux/OSS事業は
・Linux OS
・インフラソリューション
・映像ソリューション
・OSSプロフェッショナルサポート
から構成されています。

IoTプロダクトは3つのサービスから成り立つ

続いて、2021/6/16時点の同社ホームページより抜粋してきたサイバートラストのIoT事業に関連するプロダクトの機能概要を紹介します。同社ホームページによれば、同社のIoT事業は
・EMLinux
・セキュアIoTプラットフォーム
・Vdoo Vision
から構成されています。

SureServerは年間52,800円〜120,000円、月額4,400〜10,000円で利用可能

こちらは2021/6/16時点のSureServer(認証・セキュリティ事業)の料金ページの抜粋です。同社ホームページによればSureServerは
・年間52,800円〜120,000円、
・月額4,400〜10,000円(年額を月額に換算)
で利用可能とのことです。なお、SureServer以外のサービスについては金額が問い合わせになっていました。このため、後述の契約社数はこの月額費用の平均値を平均顧客単価と仮定して推定を行います。

Asianuxは年間48,800円、月額4,066円で利用可能

こちらは2021/6/16時点のAsianux(Linux/OSS事業)の料金ページの抜粋です。同社ホームページによればAsianuxは
・年間48,800円、
・月額4,066円(年額を月額に換算)
で利用可能とのことです。なお、Asianux以外のサービスについては金額が問い合わせになっていました。このため、後述の契約社数はこの月額費用の平均値を平均顧客単価と仮定して推定を行います。
EMLinuxは3ヶ月200,000円、月額16,666円で利用可能

こちらは2021/6/16時点のEMLinux(IoT事業)の料金ページの抜粋です。同社ホームページによればEMLinxは
・3ヶ月200,000円
・月額16,666円(3ヶ月の金額を月額に換算)
で利用可能とのことです。なお、EMLinux以外のサービスについては金額が問い合わせになっていました。このため、後述の契約社数はこの月額費用の平均値を平均顧客単価と仮定して推定を行います。

2020年3月期末の推定導入社数はセキュリティ・プロダクト:28.9万社、Linux/OSS:14.4万社、IoT:479社(ただし、単価は公開情報から全て推定)

続いて、サイバートラストの導入社数についても見てみましょう。こちらは2021/3/12発表 第20期有価証券報告書、2021/6/16時点同社ホームページより抜粋してきた情報からの推定値にはなりますが、
・セキュリティ・プロダクト:28.9万社
・Linux/OSS:14.4万社
・IoT:479社
でした。ただし、こちらは平均顧客単価を
・セキュリティ・プロダクト:月額4,400〜10,000円(SureServerの年額を月額に換算)
・Linux/OSS:月額4,066円(Asianuxの年額を月額に換算)
・IoT:月額16,666円(EMLinuxの3ヶ月の金額を月額に換算)
と仮定し、割り算によって求めており、あくまでも参考情報であることにご注意ください。
2020年3月期の最新従業員数は207人。最新YoY伸び率は104%

最後に、サイバートラストの従業員数について述べます。2020年3月期の最新従業員数は207人で最新YoY伸び率は104%とのことです。2017年から2018年にかけて、人数が急増しているのは、(株)サイバートラストの吸収合併に要因がありそうですね。
最後に
今回取り上げたサイバートラストは、認証・セキュリティ事業を軸に、数多くのプロダクトを提供している会社でした。企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していく上で、認証・セキュリティの概念は必須の要素であり、今後もそのプロダクト単価など、SaaS関連情報が公開されていくことがとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
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などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。