サイバートラストは認証・セキュリティ事業、Linux/OSS事業、IOT事業の3事業を展開
さて、初めにサイバートラストのプロダクトについてご紹介します。2021/6/15時点の同社ホームページによれば、サイバートラストは、
・認証・セキュリティ事業
・Linux/OSS事業
・IOT事業
の3事業を展開しているとのことです。主要事業であり、売上高の比率も高い認証・セキュリティ事業とLinux/OSS事業はともにITインフラに関わる事業であり、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいく上でなくてはならないプロダクトである、と言うことができそうですね。
2000年6月国産Linuxディストリビューションの開発会社としてミラクル・リナックス(株)設立。2021年4月東証マザーズ市場へ上場
続いて2021/3/12発表 第20期有価証券報告書よりサイバートラストの沿革についてご紹介します。サイバートラストの沿革によれば、
・2000年6月国産Linuxディストリビューションの開発会社としてミラクル・リナックス(株)設立
・2008年8月サーバー監視サービスを提供開始
・2009年2月組み込みOS事業に参入
・2017年10月旧サイバートラスト(株)を吸収合併し、商号をサイバートラスト(株)に変更
・2019年10月IoT製品の長期利用サービスを提供開始
・2021年4月東証マザーズ市場へ上場
とのことです。2000年の創業以来、上場まで約20年かかっているんですね。プロダクトとしては、LinuxOS事業、認証セキュリティ事業、IOT事業の順番で発展してきたことがわかります。
売上高は2020年3月期末で44.2億円。直近YoY成長率は106%
では続いてサイバートラストの売上高から見てみましょう。
2016年3月期から2020年3月期の5年分の売上高を見ると、YoYの売上高成長率106%〜231%の水準で推移しています。直近YoY成長率は106%で、2017年3月以降は全体的に成長率は減少傾向にあることがわかりますね。
2020年3月期末でストック売上比率は60.7%(リカーリング売上高比率)
続いて、サイバートラストの売上高の構成比率について見てみましょう。2021/3/12発表の第20期有価証券報告書、2021/4/23発表の2021年3月期決算説明資料によれば、サイバートラストのストック売上高比率は60.7%です(同社はそのストック比率をリカーリング売上高という形で公開しています)。
さて、次回はサイバートラストのSaaSプロダクトがどのようなKPIになっているのか、分析していきます。サイバートラストはライセンス・リカーリング・プロフェッショナルサービスと収益発生の異なるモデルを組み合わせてビジネスをされていることもあって、その各種KPIがどのようになっているかの深掘りがとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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