2020年12月期末時点の推定MRRは0.2億円。
はじめに、ベビーカレンダーのMRRについて述べます。なお、ベビーカレンダーはそのMRR/ARRを有価証券報告書の中では公開していません。そこで、産婦人科向け事業の売上が純粋なMRRによるものであるという仮定を置いて、産婦人科向け事業売上を12で割り算をすることで算出しています。
初期費用は11.0万円、月額費用は1.1万円。
こちらは2021/5/15時点の同社ホームページより抜粋したベビーパッドの料金体系です。初期費用、月額費用ともに料金が明確に公開されており、
・初期費用は11.0万円
・月額費用は1.1万円
となっています。特徴がiPadで提供、というところです。ベビーパッドでできることとして、診察予約システムなども使えるようなので、スマートフォンよりもiPadの方が画面が大きく、情報を表示に向いている背景がありそうですね。
推移は非公開だが2020年5月15日時点で450院を超える院で取引実績あり
続いて、ベビーパッドの契約社数についても見てみましょう。同社は契約数の推移は公開していないため、同社ホームページからの情報になりますが、少なくとも2020年5月15日時点で450院を超える契約があるとのことです。月額のMRR2,000万円と仮定して、それを450で割ると4万円程度になりますので、1医院の平均導入数は4台程度と推測されますね(ただし、厳密には産婦人科向け売上にて初期費用の割合を0とおいているのと、月額は過去から変動がない一定価格だと仮定していることにご注意ください)。
2020年12月期の最新従業員数は31人。最新YoY伸び率は100%
最後に、ベビーカレンダーの従業員数について述べます。2020年12月期の最新従業員数は31人で最新YoY伸び率は100%とのことです。直近で急増するということはないようです。
最後に
今回取り上げたベビーカレンダーは、産婦人科向けのバーティカルSaaSという特徴を持っている会社でした。プロダクトもiPadで提供する、ということがとても特徴的で、今後もさらにバーティカル・端末固定のSaaSが出てくるかもしれないな、と感じました。法人向けにiPadを活用する、可能性を感じる会社でした。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。