ウイングアーク1stは企業の基幹業務を支える帳票・文書管理ソリューションとデータから価値を生み出すデータエンパワーメントソリューションを提供
さて、初めにウイングアーク1stのプロダクトについてご紹介します。2021/4/14発表の2021年2月期決算説明資料によれば、同社は大きく2つのソリューションとして、
・帳票・文書管理ソリューション(BDS):SVF、SPA
・データエンパワーメントソリューション(DE):Dr.Sum、MotionBoard
を持っているとのことです。それぞれのツールは、
・SVF:帳票の設計・運用・管理
・SPA:帳票の電子化・保管・活用
・Dr.Sum:ビッグデータの集計・分析
・MotionBoard:リアルタイム可視化とアクション
ができるツールとのことです。主力の商品であるSVFについては、帳票の設計・運用・管理ができるツールとのことですが、企業間の要件を伝える際に使われる帳票はクラウドとも相性が良さそうなので、SaaSとして提供するのにもとても相性が良さそうですね。
1972年4月(株)ヤマギワ工作所を設立。2021年3月東京証券取引所第一部へ上場
続いて2021/2/18発表 第4期有価証券報告書よりウイングアーク1stの沿革についてご紹介します。ウイングアーク1stの沿革によれば、
・1972年4月(株)ヤマギワ工作所を設立
・2010年12月大阪証券取引所JASDAQ市場第二部に株式を上場
・2012年2月東京証券取引所第二部に株式を上場
・2013年9月東京証券取引所第二部の上場を廃止
・2021年3月東京証券取引所第一部へ上場
しています。途中に上場した後、上場廃止し再度上場した、という形のようですね。
1995年 SVFの前身となるツールを出荷開始し、2001年 Dr.Sumを出荷開始。
続いて同社ホームページより、ウイングアーク1stのプロダクトについて見てみます。同社ホームページによれば、主力商品のSVFについては、1995年に前身となるツールを出荷したとのことです。
時系列で並べると、
・1995年 SVFの前身となるツールを出荷開始
・2001年 Dr.Sumを出荷開始
・2011年 BIダッシュボードMotionBoard出荷開始
・2017年 文書データソリューション(旧名称:SVF PDF Archiver)を出荷開始
2020年2月期末で187億円。直近YoY成長率は108%
では続いてウイングアーク1stの売上高から見てみましょう。
2017年2月期から2020年2月期の4年分の売上高を見ると、YoYの売上高成長率は108%〜117%の水準で推移しています。直近YoY成長率は108%ということで、すでに売上高が190億円近くある中で確実に売上を伸ばしている、ことが見て取れますね。
2020年2月期末でストック売上比率は56%(リカーリング売上高)
続いて、ウイングアーク1stの売上高の構成比率について見てみましょう。2021/2/18発表の第4期有価証券報告書によれば、ウイングアーク1stの売上構成比率は、2020年2月期末で
・ライセンス/サービス売上:44%
・リカーリング売上:56%
となっていました。リカーリング比率もグラフを見る限りだと徐々に増加傾向にあるようですね。
さて、次回はウイングアーク1stのSaaSプロダクトがどのようなKPIになっているのか、分析していきます。ウイングアーク1stは設立後とても歴史のある会社なので、そのKPIがどのようになっているかの深掘りがとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。