- 2020年12月期末時点の2020年12月期末時点の公開MRRは1.4億円。
- サーバー初期設定費用は4.4万円、1IDあたりの単価は3,300円/月。これにオプション費用がニーズにより1,100円〜2,750円/月発生
- スパイダープラスは標準機能 / オプション/ 外部連携機能の3種類をSaaSとして用意
- 2020年12月期末のID単価は3,616円/月。最新YoY伸び率は108%
- 2020年12月期末の契約社あたり単価は17.6万円/月。最新YoY伸び率は108%
- 2020年12月期末の契約社数は793社。最新YoY伸び率は168%
- 2020年12月期末の契約社数1社あたりの平均ID数は49ID。最新YoY伸び率は79%
- 2020年12月期の最新従業員数は92人。最新YoY伸び率は142%
- 最後に
- 最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
2020年12月期末時点の2020年12月期末時点の公開MRRは1.4億円。
はじめに、スパイダープラスのMRRについて述べます。なお、スパイダープラスはそのMRR/ARRを数字で公開してくれています。このため、公開されているMRRを今回そのままグラフにして掲載しています。右肩上がりで美しい伸び方をしていますね。
サーバー初期設定費用は4.4万円、1IDあたりの単価は3,300円/月。これにオプション費用がニーズにより1,100円〜2,750円/月発生
こちらは2021/4/18時点の同社ホームページより抜粋したスパイダープラスの料金体系です。
・サーバー初期設定費用は4.4万円
・1IDあたりの単価は3,300円/月
・これにオプション費用がニーズにより1,100円〜2,750円/月
発生という料金体系であり、必要なオプションを選んで追加できるところが自前でソフトウェアを作る必要がないSaaSの利点ですね。
スパイダープラスは標準機能 / オプション/ 外部連携機能の3種類をSaaSとして用意
もう少し、スパイダープラスの機能に踏み込んだ抜粋がこちらです。こちらも2021/4/18時点の同社ホームページより抜粋したスパイダープラスの機能です。
標準機能 / オプション/ 外部連携機能の3種類をSaaSとして用意されているのが特徴で、標準機能の中にRICOHのTHETA対応があるあたりは、業界ならでは機能な感じもあり、バーティカルSaaSならではの特徴が強く出ている機能だと思います。オプションについては顧客の要望を受けて追加しているとのことで、SaaSとしての強みが生かされた機能ラインナップになっていそうです。
2020年12月期末のID単価は3,616円/月。最新YoY伸び率は108%
続いて、2021/3/31発表 第22期有価証券報告書にて公開されているID数を元にスパイダープラスのID単価についてもみてみましょう。有価証券報告書に掲載されているID数でMRRを割り算することによって求めたIDあたり単価によれば、2020年12月期末のID単価は3,616円で最新YoY伸び率は108%となっています。ホームページ掲載価格の3,300円/月より値段が高くなっているのは、オプションを加入する利用が多いであろうことが想像できます。さらに、過去のホームページ情報をWayback machineで調べてみたところ、少なくとも2018年3月時点の同社ホームページは月額利用料が3,000円だったということで、
・基本使用量の増大
・オプション加入の充実
両方が効いているようですね。オプションの充実によって単価が増加し、顧客も会社もwinwin、というのがSaaSの面白いところですね。
2020年12月期末の契約社あたり単価は17.6万円/月。最新YoY伸び率は108%
続いて、同様に2021/3/31発表 第22期有価証券報告書にて公開されているスパイダープラスの契約社数あたり単価についてもみてみましょう。有価証券報告書に掲載されている契約社数でMRRを割り算することによって求めた契約社あたり単価によれば、2020年12月期末のID単価は2020年12月期末の契約社あたり単価は17.6万円/月で、最新YoY伸び率は108%となっています。
2020年12月期末の契約社数は793社。最新YoY伸び率は168%
続いて、スパイダープラスの契約社数についても見てみましょう。こちらも2021/3/31発表 第22期有価証券報告書より抜粋してきた情報にはなりますが、2020年12月期末の契約社数は793社で最新YoY伸び率は168%とのことです。社数あたりのID単価の伸び率よりも社数の伸び率が大きいので、アップセルよりも新規の獲得の方が順調に進んでいるのではないか、ということが推測されます(ただ、解約率は開示されてないので、これはあくまで推測になります)。
2020年12月期末の契約社数1社あたりの平均ID数は49ID。最新YoY伸び率は79%
続いて、2021/3/31発表 第22期有価証券報告書にて公開されている情報をもとに算出したスパイダープラスの契約社数1社あたりの平均ID数について紹介します(ID数を契約社数で割り算して求めています)。こちらによれば、2020年12月期末の契約社数1社あたりの平均ID数は49IDで、最新YoY伸び率は79%とのことです。社数あたりのID数は、一気に増減するものではないと思いますが、目安として、数十件のIDが目安、ということが見えてきますね。
2020年12月期の最新従業員数は92人。最新YoY伸び率は142%
最後に、スパイダープラスの従業員数について述べます。2020年12月期の最新従業員数は92人で最新YoY伸び率は142%とのことです。2017年から現在にかけて、売上成長とともに従業員も大きく増えているようですね。
最後に
今回取り上げたスパイダープラスは、建設業界向け、という特化をしたバーティカルSaaSでした。現場から集めたデータを管理し、業務の効率を上げる、という観点において、スマートフォンやタブレット端末はいわばカメラ付きのパソコンのようなものなので、今後もアプリを活用したSaaSが出てくるかもしれないな、と感じて、とても楽しみになりました。スパイダープラスはMRR、ARR、契約ID数、契約社数と、本サイトでカバーしているKPIを数多く公開している会社で、とても分析が面白かったです。今後もさらに事業が伸びていって、日本におけるSaaSの認知度がさらに広がっていくといいなと改めて感じました。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。