開示KPI:サイボウズの直近期末時点ストック比率は約7割
まずはサイボウズの期末時点ストック(月額課金)売上比率を見てみましょう。なお、サイボウズのストック比率は、クラウド関連事業売上高/売上高の式により算出しています。直近3期については、60%程度だったストック比率を71.3%まで上げています。同じグループウェアを提供する企業ではありますが、ネオジャパンの50%程度に比べるとストック比率は高めのようです。参考:ネオジャパンのストック売上比率
推定KPI:サイボウズの期末時点推定MRRは2019年12月期末時点で7.97億円
続いて、サイボウズの推定MRRについて述べます。なお、こちらは
- クラウド関連事業売上高 / 12(ヶ月)
により算出しています。こちらについては安定して伸び続けており、2019年12月時点ではMRRはほぼ8億円に到達しています。このペースでクラウド関連事業の売上高が成長すると次の決算ではMRRは10億円近い水準まで到達しそうですね。
kintoneのARPUは780〜1,500円
こちらはサイボウズの自社ホームページより抜粋してきたkintoneの料金表です。料金ん表によれば、ライトとスタンダードコースがあり、1ユーザーあたりの料金は780円〜1,500円とのことです。ネオジャパンのdesknet’s NEOは400円なので単価はざっくり2-3倍ということが言えるでしょう。同じグループウェアというカテゴリにおいては、ネオジャパンよりも高単価の価格帯にいるといえそうですね。
サイボウズの導入社数はkintone、Garoon合算で1.9万社を突破
サイボウズは正確な導入社数は公開していません。一方、各年の有価証券報告書にて、何社を突破したか、というのは公開しています。この情報によれば、直近期末である2019年の12月きまつ情報で、主要クラウドサービスのkintoneとGaroonの導入社数は合算で1.9万社を超えているとのことでした。年次の成長率はGaroonは110%程度、kintoneが130%くらいと、引き続き順調に成長を遂げています。
サイボウズの従業員数は741人、最新のYoY伸び率は112%
最後に、サイボウズの従業員数について述べます。2019年12月期で従業員数は741名。直近1年では112%になりました。こちらについては、直近紹介したネオジャパンと比較してざっくり3倍近くの人数がいます。売上もネオジャパンが37億円、サイボウズが134億円ということで、ほぼ人数と同じくらいの倍率で売上も違うということがわかりました。
最後に
企業運営で必ず必要になってくる、従業員をまとめるためのグループウェア。直近の回では、同じグループウェアカテゴリに属しているネオジャパンとサイボウズについて、紹介しました。単価が明確に異なる両社が今後どのように成長していくのか、引き続き注視していきたいと思います。SaaSって、事業運営における各社の工夫が随所に現れていて本当にいいものですね!最後まで読んでいただきありがとうございました。
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SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
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