フィードフォースは「『働く』を豊かにする。~B2B領域でイノベーションを起こし続ける~」をミッションに、(ウェブ集客・広告運用を中心に)企業の生産性を向上させるサービス・プロダクトを提供。

さて、フィードフォースという会社はどのようなサービスを提供しているのでしょうか。2020/9/1時点の同社ホームページによれば、フィードフォースはフィードフォースは「『働く』を豊かにする。~B2B領域でイノベーションを起こし続ける~」をミッションに、
(ウェブ集客・広告運用を中心に)企業の生産性を向上させるサービス・プロダクトを提供しているようです。詳細は次回の分析にて紹介しますが、ストック型売上のサービスをもちながら、広告の運用でフロー売上もしっかりと確保するモデルになっているのが提供しているサービス群から見てとることができます。
2006年に創業後、2019年7月に東証マザーズ上場

フィードフォースの沿革によれば、同社は2006年の設立以来、ウェブの集客周りを中心に展開をしてたようです。2012年4月にソーシャルログインサービスをリリースして以来は、データフィード最適化サービスをリリースし、2019年7月にはマザーズ市場への上場を果たしています。そして、2020年にはアナグラム(運用型広告の会社)を子会社化しました。創業以来一貫してウェブの集客周りをやっている会社、といえるでしょうか。
フィードフォース の開示KGI(売上高)推移:2019年12月期末で15.0億円。直近YoY成長率は218%と高い伸び率で増加

まずはフィードフォースの売上高から見てまいりましょう。直近5年の売上高の推移を見ると、売上高は2017年、2018年とxx%付近を推移していましたが、2018年から2019年で218%と爆発的な成長をしています。SaaSは積み上げビジネスなのでこれ系の急成長は急激なニーズ発生か、買収かのどちらかなのですが、果たしてどちらだったのでしょうか。
アナグラムの買収により、売上・利益が大幅増加

さて、決算説明資料をみる限り、フィードフォースの売上増加はアナグラムの買収による増えているようですね。アナグラムは具体的にどのようなことをしている会社なのでしょうか。
アナグラムは運用型広告を中心に提供

ついで、アナグラム社の提供しているサービスを見る限り、広告運用を中心として提供しているようです。このため、売上としてはストック比率が下がる方向の子会社化だったと解釈することができそうです。
直近の推定月額課金比率は31.2%

続いて、月額課金の比率について見てみましょう。フィードフォースのセグメントは
- プロフェッショナルサービス事業
- SaaS事業
となっており、それぞれ
- プロフェッショナルサービス事業:Anagrams、Feedmatic、DF PLUS、Contents Feeder
- SaaS事業:EC Booster、dfplus.io、ソーシャルPLUS
のサービス群を含んでいます。プロフェッショナルサービスで大きく売上を作り、SaaS関連サービスとうまく連携をとりつつサービス提供している会社である、ということができそうですね。
次回以降、気になるKPI推移について紹介していきます!フィードフォースはこれまで取り上げてきたSaaS会社の中でも、サービス数が相対的に多いSaaSであり、サービス単位での利用件数もしっかりと数字で公開している会社です。とても分析が楽しみです!
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SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
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