テレワークで日本を変える!ビジュアルコミュニケーションSaaS、ブイキューブ のKGI/KPI推移を調べてみた(2/2)

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saaslife_テレワークで日本を変える!ビジュアルコミュニケーションSaaS、ブイキューブ のKGI/KPI推移を調べてみた(2/2)

開示KPI:ブイキューブの推定期末時点ストック比率は2018年から2019年にかけて60%超えの水準まで増加!

saaslife_開示KPI:ブイキューブの期末時点推定ストック売上比率
saaslife_開示KPI:ブイキューブの期末時点推定ストック売上比率

はじめにブイキューブの期末時点ストック(月額課金)比率を見てみましょう。ブイキューブの推定ストック比率は直近は60%を超える水準まで増加しています。

なお、第20期の通期有価証券報告書ベースで、ブイキューブの事業セグメントは

  • ビジュアルコミュニケーション事業
  • ラーニングマネジメントシステム事業
  • アプライアンス事業

の3つから構成されています。

それぞれ

  • web会議サービスV-VUBEのクラウド型、オンプレミス型の提供
  • 学習管理システムASKnLearn(ASEANの学校・企業向け)
  • テレビ会議システムに関連するハードウェア(Webカメラ、ヘッドセットなど)

を提供しており、セグメント別に提供しているサービスを見る限り、

  • 海外
  • ソフトウェアだけでなくハードウェアも

提供しており、ウェブ会議の関連事業で幅広いサービスを提供しています。ブイキューブについては、明確にストック比率を開示していないので、ここでは性質的にビジュアルコミュニケーション事業の売上が最もストック売上に近いものとみなして以降の調査を進めていきます。なお、決算説明資料にセグメント変更前のクラウド比率の記載がありましたが、そちらではざっくり60%近い数字でしたので、それなりに数字は妥当なはずだと考えています。

saaslife_参考資料:ブイキューブのセグメント分割
saaslife_参考資料:ブイキューブのセグメント分割

推定KPI:ブイキューブの期末時点推定MRRは2019年12月期末時点で3.39億円超え

saaslife_推定KPI:ブイキューブの期末時点MRR推移
saaslife_推定KPI:ブイキューブの期末時点MRR推移

次に、ブイキューブの推定MRRについて述べます。なお、こちらは

  • ビジュアルコミュニケーション事業売上 / 12(ヶ月)

により算出しています。

saaslife_参考資料:ブイキューブのMRR/社数/解約率

開示KPI:ブイキューブの2019年12月期末の請求社数は1,215件

saaslife_開示KPI:ブイキューブの期末時点請求社数
saaslife_開示KPI:ブイキューブの期末時点請求社数

次はブイキューブの請求社数をみてみましょう(厳密には社数=契約数でないこともありますが、これが実質の契約件数であるとみなして大きな違いは無いでしょう)。ブイキューブの場合、契約件数はほぼ横ばいで1200件付近を推移しています。こちらはあくまで2019年12月末時点の情報であり、前提としてコロナの影響でもっと契約件数は伸びていることが推測できます(なお、FY2020の第二四半期決算説明資料によれば、2Q末で1,393件まで増えていました)。

推定KPI:ブイキューブの2019年12月時点ARPAは約13.6万円

saaslife_開示KPI:ブイキューブの2020年12月時点ARPAは約13.6万円

続いて、ブイキューブのARPAについてわかったことを述べます。FY2019通期の決算説明会資料によれば、ブイキューブのARPAは、約13.6万円で、期末時点のARPAは13.6万円だとのことです。この調査をしている2020年8月23日時点で同社のホームページには特に価格の表示はありませんでしたが、こちらは1会議あたりいくら、という単価設定になっている可能性があります。

saaslife_参考資料:PGiホームページのV-CUBEミーティング料金

参考までに、Googleで2020年8月23日に検索した際に「ブイキューブ 料金」で検索した結果ででてきたPGiのホームページに乗っていた料金を載せておきます。これを見る限り、ARPAが13万円ということはざっくりと10アカウントくらいを1社が使っているということなんでしょうかね。最低契約が10ポート、ということである程度のポート数を確保しつつ、ポートが増える契約の場合にも柔軟に対応できる料金体系であることがわかります。

開示KPI:ブイキューブの2019年12月時点解約率は10.7%

saaslife_開示KPI:ブイキューブの2020年12月時点解約率は10%超

最後に、ブイキューブの解約率について述べます。FY2019通期の決算説明会資料によれば、ブイキューブの解約率は10.7%とのことです。SaaSにおいては、解約率が1%に抑えられると良いと言われることが多いので、下がっているとはいえ、若干解約率は高めですね。

saaslife_参考:ブイキューブのSaaS + Service戦略
saaslife_参考:ブイキューブのSaaS + Service戦略

ブイキューブの従業員数はほぼ400人、最新のYoY伸び率は88%

saaslife_参考:ブイキューブの従業員数推移
saaslife_参考:ブイキューブの従業員数推移

最後に、ブイキューブの従業員数についてです。2019年12月期で従業員数は402名でした。サービス、の部分にも力を入れている同社なので、これまで紹介してきたSaaSの中では比較的従業員が多いということでしょうかね。人数が減っているのは、株式売却により、子会社を連結の対象としなくなったことなどが効いていそうです。

最後に

ビデオ会議支援SaaSを提供するブイキューブについてご紹介しました。見ていただいた通り、SaaSとしては解約率がやや高い水準にありながらも、独自の戦略をとっているところがとても印象に残る会社でした。コロナによる影響で今後も契約社数が増えていくはずなので、引き続き契約社数推移がどう推移していくか、次の通期決算が非常に楽しみなSaaSです。SaaSって、本当にいいものですね!最後まで読んでいただきありがとうございました。

最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝

SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。

ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、

  • ホリゾンタル・バーティカルSaaS
  • エンタープライズとSMBSaaS

などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。

時期表紙取扱SaaSとそのリンク(上場日付順)
FY2022Q2 セカンドサイトアナリティカ
サークレイス
ペットゴー
トリプルアイズ
ヌーラボ
FY2022Q1 エッジテクノロジー
カジー
マーキュリーリアルテックイノベーター
ビーウィズ
FY2021Q4シンク
フォトシンス
GRCS
サイエンスアーツ
ラストワンマイル
スローガン
ボードルア
フレクト
ネットプロテクションズ
トゥルーデータ
ブロードエンタープライズ
JDSC
ヒュウガプライマリケア
グローバルセキュリティエキスパート
ラバブルマーケティンググループ
サインド
網屋
ザクー
フィナテキストホールディングス
エクサウィザーズ
ハイブリッドテクノロジーズ
エフ・コード
CS-C
ニフティライフスタイル
セキュア
FY2021Q3ラキール
フューチャーリンクネットワーク
モビルス
ユミルリンク
ロボットペイメント
セーフィー
FY2021Q2ビジョナル
ペイロール
プラスアルファ・コンサルティング
サイバートラスト
ファブリカコミュニケーションズ
ネオマーケティング
FY2021Q1ワカル
ウイングアーク1st
ベビーカレンダー
スパイダープラス
エイピアー
出版履歴

管理人のSaaslifeです。

本サイトにお越しいただきありがとうございます!

SaaSについて、

・SaaSとオンプレミス型の違いは何か

・SMBとエンタープライズ

・ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaS

・MRRとARR、単価と社数の関係

・IPOした各社のプロダクト特徴や沿革

を各社の公開情報(IR)からまとめた電子書籍を四半期に一度発行しています。

SaaSビジネスの全体像を掴むためであれば1冊読んでいただければ十分です。

各社IRを見たら載っている、など辛辣なレビューもいただいてます。

良いレビューも悪いレビューも受け止めて今後も内容の充実に努めていきます。

が、IRを個別に見なくても全体像を把握できるようにする目的でまとめています。

上で紹介した電子書籍はkindle Unlimitedにご登録されていれば全冊無料で読んでいただくことができます。

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