TL:DR;
- 開示KPI:AI insideの期末時点ストック比率は2019年から2020年にかけて急増。その比率は約50%まで急上昇中!
- 推定KPI:AI insideの期末時点推定MRRは2020年3月期末時点で0.63億円超え
- 推定KPI:AI insideの2020年3月の推定契約件数は2,291件
- Intelligent OCRとElastic SorterはDX Suiteの一部
- 推定KPI:AI insideの2020年3月時点ARPAは約27,000円〜
- AI insideの従業員数は70人未満、最新のYoY伸び率は186%近い水準
開示KPI:AI insideの期末時点ストック比率は2019年から2020年にかけて急増。その比率は約50%まで急上昇中!
はじめにAI insideの期末時点ストック(月額課金)比率を見てみましょう。AI insideのストック比率は2018年3月期末にはわずか10%弱、と言うところでしたが、直近は50%まで急激に増加しています。
なお、有価証券報告書に書かれている限りにおいては、
- セリング:特定の取引毎に発生(いわゆるショット)
- リカーリング:継続的に計上(いわゆるMRR/ARR)
となっており、こちらのリカーリングの比率をストック比率とここでは呼んでいます。
推定KPI:AI insideの期末時点推定MRRは2020年3月期末時点で0.63億円超え
次に、AI insideの推定MRRについて述べます。なお、こちらは
- アプリケーション事業売上 / 12(ヶ月)
により算出しています。
推定KPI:AI insideの2020年3月の推定契約件数は2,291件
次はAI insideの契約件数です。AI insideの場合、有価証券報告書においては契約件数をIntelligent OCRとElastic Sorterそれぞれで公開しています。
Intelligent OCRとElastic SorterはDX Suiteの一部
なお、AI insideの契約件数を推定するために、Intelligent OCRとElastic Sorter、それぞれどう言うプロダクトなのかを調べようとGoogleで検索したところ、リスティング広告を除いて、ともにDX Suiteのページが表示されるようになっていました。有価証券報告書をみる限りも、DX Suiteの中にIntelligent OCRとElastic Sorterが入っているようなので、単純な契約件数はIntelligent OCRとElastic Sorterの和であると考えれば良さそうですね。
推定KPI:AI insideの2020年3月時点ARPAは約27,000円〜
続いて、AI insideのARPAについてわかったことを述べます。AI insideのARPAについては、MRRを契約件数で割って算出しています。DXsuiteの価格帯は3万円から始まり、さらに利用に応じて従量課金になることがあるようです。この部分については、現プランの下限が3万円、10万、20万円となっているので、今後中央のプランがさらに売れていくように料金が設計されているであろうことを考えると、ARPAはこれからもさらに上がっていきそうですね。
AI insideの従業員数は70人未満、最新のYoY伸び率は186%近い水準
最後に、AI insideの従業員数についてです。2020年3月期で従業員数は67名でした。この人数で物凄い成長率、と言うところがこれまでに紹介してきたSaaSとはちょっと異なる特徴を持っていますね。導入件数がYoYで7倍になっているあたりは、これまでにみたことがないSaaSだったので、とても勉強になりました。コロナの影響により、今後はさらにリモートの活用だったり、一箇所に集まらずに仕事を進めるスタイルが定着してくるはずなので、さらに契約件数も増え、売上も増加していきそうですね。
最後に
AIを使ったOCR SaaSを提供するAI insideについてご紹介しました。見ていただいた通り、伸び率が過去に紹介してきたSaaSの中でダントツで大きい会社でした。今後は価格がどう上がっていくか、次の通期決算が非常に楽しみなSaaSです。SaaSって、本当にいいものですね!最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
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