TL:DR;
- ロジザードは「物流・在庫」にフォーカスしたプロダクト・サービスを提供
- ロジザード の開示KGI(連結売上高)推移:2019年3月期末で売上高は14.5億円超え
- 直近クラウドサービス比率は69.9%
ロジザードは「物流・在庫」にフォーカスしたプロダクト・サービスを提供
さて、ロジザードという会社はどのようなサービスを提供しているのでしょうか。2018年7月のロジザード成長可能性に関する説明資料によれば、ロジザードは2001年に設立され、当初アパレル企業の在庫管理クラウドサービスから出発し、EC通販企業向け、3PL(Third Party Logisticsの略で、荷主以外の第三者が荷主企業に変わりロジスティクスを請け負うこと)企業向け企業への対応、海外向けの対応などと顧客層を広げてきました。
ロジザード の開示KGI(連結売上高)推移:2019年3月期末で売上高は14.5億円超え
それではまず売上高から見ていきましょう。直近4年の売上高の推移を見ると、2017年6月期から2018年6月期にかけて売上高はYoY成長率で125%に急に伸び、その後108%に下がっています。この間、何が起きたのでしょうか。
有価証券報告書によると、2017年から2018年への増加については、開発・導入サービスの伸び率が148.5%に伸びたことが主な要因のようです。ロジザードは後述するように、クラウドサービス比率がざっくりと7割であり、非クラウドの部分が売上成長率に及ぼすインパクトがそれなりにあることがわかりました。2017年6月末から2018年6月末にかけてと、2018年6月末から2019年6月末にかけて、クラウドサービスについては変わらず115%以上の水準で伸びているので、クラウドサービスは順調に伸びているようです。
直近クラウドサービス比率は69.9%
続いて、売上高のセグメント別構成比率を見てみましょう(なお、ロジザードは単一セグメントにつき、サービス区分を見ています)。ロジザードのサービス区分は3つの区分に分かれており、それぞれ
- クラウドサービス:ロジザードの各システムサービスの提供、システムで利用する端末機器レンタル/サポートの提供により月額利用料を費用として取得
- 開発・導入サービス:顧客からの要望に基づくカスタマイズやクラウドサービスの導入支援により費用を取得
- 機器販売サービス:クラウドサービスで顧客が利用する機器やサプライ品(ラベル等)の販売費用が売上になる
となっています。
次回以降、気になるKPI推移について紹介していきます!ロジザードはこれまでSaaSlifeで取り上げてきたSaaS会社の中でも、「物流」「在庫」という形で、小売に特化したSaaSを提供しています。こちらはこれまでとはまた違う特徴を持っているはずで、とても分析が楽しみです!
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