現代のビジネスシーンで最も影響力を持つ業界の一つが、SaaS(Software as a Service)業界です。SaaS企業は製品をインターネット経由で配信することで、顧客に対して手間やコストをかけずに、高品質なソフトウェア体験を提供します。しかし、成功したSaaS企業には共通の重要なポイントがあります。本記事では、そのポイントと具体的な企業の例を通じて、成功するSaaS企業の要素を解説します。
明確な価値提案
どんなに優れた技術を持っていても、それが顧客にとっての価値を明確に伝えられなければ意味がありません。Salesforceはこの良い例です。彼らは「すべてのビジネスが一つのプラットフォーム上で統合される」ことの価値をはっきりと伝え、これによりCRMの市場を牽引してきました。
ユーザーフレンドリー
SaaS製品は使用が簡単で、直感的なインターフェースを持っているべきです。Slackはこの良い例で、そのシンプルかつ直感的なUIにより、多くのビジネスチームがコミュニケーションツールとして採用しています。
高いセキュリティ
顧客データの安全性はSaaS企業の信頼性を左右します。セキュリティ対策に優れたSaaS企業としては、Dropboxが挙げられます。彼らはデータ暗号化や二段階認証など、高いセキュリティ対策を実施しており、ユーザーからの信頼を得ています。
継続的なイノベーション
顧客のニーズは常に変化します。そのニーズに応じて製品を進化させ続けることが求められます。Adobeはその良い例で、クリエイティブソフトウェアのリーダーとして、常に新たな機能やサービスをリリースしています。
顧客サポート
SaaS企業は顧客が問題に直面した時に、迅速かつ的確なサポートを提供することが求められます。Zendeskはこれを得意としており、その顧客サポートのソリューションは世界中の多くの企業で利用されています。
スケーラブルなビジネスモデル
SaaS企業は顧客が増えれば増えるほど、利益も増えます。このビジネスモデルの典型的な例が、MicrosoftのOffice 365です。Microsoftはユーザーが必要に応じてライセンスを追加できる、スケーラブルなビジネスモデルを提供しています。
これらのポイントは成功するSaaS企業が共有する特性です。代表的なSaaS企業の戦略を理解することで、新たなビジネスモデルや製品開発に役立つヒントを得ることができます。この知識を武器に、次世代の成功するSaaS企業を創り上げていきましょう。
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。