- 2021年2月期末時点の計算MRRは0.52億円。直近YoY成長率は+0.34%
- サマリネットはマンション・統計・賃貸・売買・開発・用地・地質サマリの7サービスを提供
- リアナビは不動産のリサーチ業務をする上で必要になる情報をリアルタイムに提供
- サマリネットの料金体系は月額費用、初期費用ともに非公開。要問い合わせ
- リアナビの料金体系は初期費用:0円、月額費用:2,000円〜
- 2021年2月期末時点のサマリネット・リアナビの平均顧客単価は17.9万円/月。直近YoY成長率は+3.47%
- 2021年2月期末時点の顧客数は277、直近YoY成長率は-2.1%
- 2021年2月期の最新従業員数は53人。最新YoY伸び率は+3.9%
- 最後に
- 最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
2021年2月期末時点の計算MRRは0.52億円。直近YoY成長率は+0.34%
はじめに、マーキュリーリアルテックイノベーターのMRRについて述べます。なお、マーキュリーリアルテックイノベーターはその2021年2月期末時点のMRRを有価証券報告書の中で公開していない一方で、その2021年2月期末のARRを公開しています。そこで
・公開されている2021年2月期末のARRを12ヶ月で割り算
することによりそのMRRを算出しています。
サマリネットはマンション・統計・賃貸・売買・開発・用地・地質サマリの7サービスを提供
続いて、2022/4/30時点 同社ホームページより抜粋してきたサマリネットのページからサマリネットの特徴を紹介いたします。同ページによればサマリネットは
・マンションサマリ
・統計サマリ
・賃貸サマリ
・売買サマリ
・開発サマリ
・用地サマリ
・地質サマリ
の7サービスを提供しており、それぞれ
・マンションサマリ:首都圏版、関西版、東海版 からなる物件の販売データから一覧や帳票を作成可能なツール
・統計サマリ:商圏データを用いて、数多くの案件調査に必要なデータを、高いパフォーマンスと、やさしい操作性により瞬時に分析が可能なツール
・賃貸サマリ:毎月更新・蓄積される膨大な居住用賃貸物件(マンション・アパート・戸建・テラスハウス・タウンハウス)の中から、多彩な検索項目と集計分析機能を用いて、周辺相場の把握や物件賃料を導き出すためのツール
・売買サマリ:毎月更新・蓄積される豊富な流通物件(中古マンション・戸建・土地・テラスハウス・タウンハウス)によって、物件の査定業務や変動する相場分析を力強くサポートするツール
・開発サマリ:首都圏主要都市の中高層建築計画情報から新規建築動向をいち早く正確に把握できるツール
・用地サマリ:電子地図にマッピングをすることで用地情報をビジュアル的なものとし、迅速な意思決定や会議用の提案資料として活用できるツール
・地質サマリ:東京都内における土地履歴情報と地盤リスク情報の基礎データをサマリネットで閲覧できるツール
となっています。不動産は一度建てると簡単に変更がしづらいので様々な情報を把握するためのツールを網羅的に提供していることがわかりますね。
リアナビは不動産のリサーチ業務をする上で必要になる情報をリアルタイムに提供
続いて、2022/4/30時点 同社ホームページ抜粋してきたリアナビの特徴を紹介いたします。同ホームページによればリアナビは
・不動産のリサーチ業務をする上で必要になる情報をリアルタイムに提供
しており、
・マンションカタログ
・不動産市況
・エリアポテンシャル
・流通価値算定
・ニュース&トピックス
の5機能を提供しています。それぞれの機能の特徴として、
・マンションカタログ:いつでも、どこでも分譲マンションが印刷ダウンロードできる
・不動産市況:不動産の販売時期・総戸数・階数・会社名・行政区・路線・駅・物件名を検索できる
・エリアポテンシャル:統計データをGoogle Maps上に表示して市場の規模や特徴を分析し、商圏の実力を見定めることができる
・流通価値算定:簡単に物件の流通市場価格や賃料、利回りを算定できる
・ニュース&トピックス:不動産実務をする上で必要な新規販売開始物件や新規竣工物件、完売物件情報に加え、キャンペーン情報や値引き情報など、不動産の販売活動にダイレクトに役立つ情報をリアルタイムで受け取ることができる
とのことです。
サマリネットの料金体系は月額費用、初期費用ともに非公開。要問い合わせ
続いて、2022/4/30時点 同社ホームページより抜粋したサマリネットの料金体系を紹介します。同資料によれば、サマリネットの料金体系は
・初期費用ともに非公開
となっており、詳細を知るには問い合わせが必要になっています。
リアナビの料金体系は初期費用:0円、月額費用:2,000円〜
続いて、2022/4/30時点 同社ホームページより抜粋したリアナビの料金体系を紹介します。同資料によれば、リアナビの料金体系は
・初期費用:0円〜
・月額費用:2,000円〜
となっており、
・マンションカタログは従量課金あり
・月額費用については1ライセンスあたり5人まで最大同時アクセスが可能
となっています。
2021年2月期末時点のサマリネット・リアナビの平均顧客単価は17.9万円/月。直近YoY成長率は+3.47%
続いて、マーキュリーリアルテックイノベーターのサマリネット・リアナビの平均顧客単価について紹介します。なお、マーキュリーリアルテックイノベーターはそのサマリネット・リアナビの顧客の平均顧客単価を公開しています。この公開情報によれば、
・2021年2月期末時点のサマリネット・リアナビの平均顧客単価は17.9万円/月
・直近YoY成長率は+3.47%
となっています。ざっくりと、従量課金分がないと仮定すると、マンションカタログ、不動産市況、エリアポテンシャル、流通価値算定に加入しているところが平均的な顧客、という感じでしょうか(なお、これは純粋に月額を足し上げて近い金額になるサービスを挙げているいるだけであり、あくまで推論であることにご注意ください)。
2021年2月期末時点の顧客数は277、直近YoY成長率は-2.1%
続いて、マーキュリーリアルテックイノベーターの顧客数についても見てみましょう。2022/1/20発表 第30期有価証券報告書にて公開されている数字によれば、サマリネット・リアナビの顧客数は
・2021年2月期末時点の顧客数は277
・直近YoY成長率は-2.1%
と減少傾向にあります。社数は減っていますが、期末のARRは増えて顧客単価は上がっているので、単価の小さな顧客が離脱して単価の高い顧客を獲得できていることが読み取れますね。
2021年2月期の最新従業員数は53人。最新YoY伸び率は+3.9%
最後に、マーキュリーリアルテックイノベーターの従業員数について述べます。2022/1/20発表 第30期有価証券報告書によれば、
・2021年2月期の最新従業員数は53人
・最新YoY伸び率は+3.9%
とのことです。従業員数の成長率は直近の5年間で-3.8%〜+3.96%の範囲で変動しています。直近1年で従業員はほとんど変わっていませんが、今後SaaSにさらに注力していく過程で人も必要になるはずなので、まだまだ従業員数は伸びていきそうですね。
最後に
今回取り上げたマーキュリーリアルテックイノベーターは、不動産市場のDXという分野にて、SaaSを提供していました。今後もさらにサマリネット・リアナビの拡大に注力していくとのことなので、今後のKPI情報の推移がとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。