モビルスは従来、オペレーターが電話/音声対応していた顧客サポートを非音声のテキスト/チャット、人の介在度合いを下げた自動対応できるソリューションを提供

さて、初めにモビルスのプロダクトについてご紹介します。2021/8/3時点の同社ホームページによれば、モビルスは、企業の顧客サポート業務にて、
・オペレーターが電話/音声対応していた顧客サポートを非音声のテキスト/チャット、人の介在度合いを下げた自動対応できるソリューションを提供
しています。会社の社長メッセージによれば、顧客サポートの現場では、
・高いオペレーターの採用難易度
・高い離職率
・高まる人件費
・高まる運営コストの上昇
など、日々課題に直面しており、最近では、新型コロナ対応でオペレーションの見直しも必要になっているという背景があるようです。人により、電話対応していた工数を、少しでも自動化、ないしは問い合わせしてきた顧客が自己解決できれば、大幅に工数を減らすことができますね。

2011年9月モバイルアプリケーションの受託開発を目的にモビルス(株)設立後、2016年4月有人チャットのモビエージェント(MOBI AGENT)をリリース。2021年9月東証マザーズ市場へ上場予定

続いて2021/7/29発表 第9期有価証券報告書よりモビルスの沿革についてご紹介します。モビルスの沿革によれば、
・2011年9月モバイルアプリケーションの受託開発を目的にモビルス(株)設立
・2016年4月有人チャットのモビエージェント(MOBI AGENT)をリリース
・2017年4月LINE配信をターゲティングできるモビキャスト(MOBI CAST)をリリース
・2019年10月電話・音声ボットのモビボイス(MOBI VOICE)をリリース
・2021年9月東証マザーズ市場へ上場予定
とのことです。創業後2〜4年くらいでサービスをリリースしており、顧客サポートを網羅的に解決できるソリューションラインナップを充実させていっているんですね。
2020年8月期末で9.5億円、直近YoY成長率は+29%

では続いてモビルスの売上高から見てみましょう。
2016年8月期から2020年8月期の5年分の売上高を見ると、YoYの売上高成長率は+9%〜+62%の水準で推移しています。直近YoY成長率は+29%となっています。
2020年8月期末のストック売上高比率は38%(売上高に占めるサブスクリプション売上の比率)

続いて、モビルスの売上高の構成比率について見てみましょう。2021/7/29発表 第9期有価証券報告書によれば、モビルスはサブスクリプション売上高を公開しており、その売上高比率は34%となっています。
さて、次回はモビルスのSaaSプロダクトがどのようなKPIになっているのか、分析していきます。モビルスはARR、解約率などの指標も公開しており、その内訳及び各種数字がどのようになっているかの深掘りがとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
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