ストック売上型の弁護士向けリーガルメディアを運営！アシロのKGI/KPI推移を調べてみた(2/2)

2020年10月期末時点の推定MRRは0.84億円(2020年10月期末リーガルメディア売上高/12)

はじめに、アシロのMRRについて述べます。なお、アシロはそのMRR/ARRを有価証券報告書の中では公開していません。一方で、そのリーガルメディアについてはほぼリカーリング売上高だということがわかっています。そこで、リーガルメディアの売上高を12(ヶ月)で割り算を行った数字をMRRとして算出しています。

アシロのリーガルメディアサービスは主要ポイントとしてSEO対策・管理画面・PR文章作成サポートが特徴

続いて、2021/7/25時点 同社ホームページより抜粋してきたアシロの安否確認サービスの機能概要を紹介します。同社ホームページによれば、同社のプロダクトであるリーガルメディアサービスの主要ポイントは、

・SEO対策

・管理画面

・PR文章作成サポート

です。必ずしもウェブの集客に明るいとは限らない弁護士にとって、文章作成サポートも受けられる、というのが弁護士業界に沿ったサービス、ということが言えそうですね。

株式会社アシロ｜CLARIFY THE CORE PART

株式会社アシロのコーポレートサイト。法律・弁護士業界とインターネットを結びつけた事業を展開している企業です。

asiro.co.jp

弁護士ナビシリーズの有料プランは初期費用：50,000円、月額費用：20,000〜100,000円

こちらは2021/7/21時点の弁護士ナビシリーズに関するアシロのホームページの抜粋情報です。同社ホームページによれば弁護士ナビシリーズの利用に際しては、

・初期費用：50,000円、

・月額費用：20,000〜100,000円

で利用できるとのことです。初期費用が0円ということが記載があるのはとても特徴的ですね。なお、月額は弁護士事務所のある地域によって変動するとのことです。アシロ自体がSEOに強いことを売りにしているので、弁護士事務所の多い地域ほど競争が激しくなるためではないか、と推測します。

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2020年10月期末の平均顧客単価は19.1万円/月。直近YoY成長率は+0.1%　 

続いて、2021/6/16発表 第5期有価証券報告書にて公開されているアシロの利用件数から算出した件数あたり単価についても見てみましょう。こちらによれば、アシロのリーガルメディアサービスのプロダクトの2020年10月期末の平均顧客単価は

・19.1万円/月

・直近YoY成長率は+0.1%　 

となっています。顧客単価についてはほぼ成熟した価格にある、ということが言えそうですね。

2020年10月期末の年間平均掲載枠数は1,260件、年間平均顧客数は439件。直近YoY成長率はそれぞれ+16.7%、+16.4% 

続いて、アシロの有料導入社数についても見てみましょう。こちらは2021/6/16発表 第5期有価証券報告書より抜粋してきた同社の枠数・顧客数の推移をグラフにしたものです。こちらの情報によれば、2020年10月期末については、

・年間平均掲載枠数は1,260件、直近YoY成長率は+16.7%

・年間平均顧客数は439件、、直近YoY成長率は+16.4% 

となっており、平均顧客単価の情報をもとに考えると顧客数の伸びによって売上が増えていることがわかります。

2020年10月末時点で掲載枠数ベースの解約率は2.2%(ただし、売上解約率でないことに注意)

続いて、アシロの公開している解約率について見てみましょう。同社によれば、その掲載枠数ベース解約率については、2020年10月末時点で2.2%とのことです。ただし、こちらは件数となっており、売上高の解約率ではないので、参考情報としてご参照ください。

2020年10月期の最新従業員数は43人。最新YoY伸び率は+8%

最後に、アシロの従業員数について述べます。2020年10月期の最新従業員数は43人で最新YoY伸び率は+8%とのことです。2016年から2017年、2017年から2018年にかけて大きく伸びたあとは、やや従業員数の伸び率はやや下がってきています。

最後に

今回取り上げたアシロは、リーガルメディアを半年契約でSaaSのような提供をしている会社でした。今後、弁護士業界に依らず、異なる業界で今後もますますアシロのようなメディアが出てきそうで、今後もどうなって行くかがとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました！

最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝

SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。

ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、

• ホリゾンタル・バーティカルSaaS
• エンタープライズとSMBSaaS

などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。

時期	表紙	取扱SaaSとそのリンク(上場日付順)
FY2022Q2		セカンドサイトアナリティカ サークレイス ペットゴー トリプルアイズ ヌーラボ
FY2022Q1		エッジテクノロジー カジー マーキュリーリアルテックイノベーター ビーウィズ
FY2021Q4		シンク フォトシンス GRCS サイエンスアーツ ラストワンマイル スローガン ボードルア フレクト ネットプロテクションズ トゥルーデータ ブロードエンタープライズ JDSC ヒュウガプライマリケア グローバルセキュリティエキスパート ラバブルマーケティンググループ サインド 網屋 ザクー フィナテキストホールディングス エクサウィザーズ ハイブリッドテクノロジーズ エフ・コード CS-C ニフティライフスタイル セキュア
FY2021Q3		ラキール フューチャーリンクネットワーク モビルス ユミルリンク ロボットペイメント セーフィー
FY2021Q2		ビジョナル ペイロール プラスアルファ・コンサルティング サイバートラスト ファブリカコミュニケーションズ ネオマーケティング
FY2021Q1		ワカル ウイングアーク1st ベビーカレンダー スパイダープラス エイピアー