ラキールは企業のデジタル化支援ソリューションとしてLaKeelDXを中心にLaKeelシリーズを展開
さて、初めにラキールのプロダクトについてご紹介します。2021/6/19時点の同社ホームページによれば、ラキールは、企業のデジタル化支援ソリューションとして
・LaKeelDXを中心にLaKeelシリーズを展開
しているとのことです。企業はLaKeelシリーズの導入により、
・自前でシステムを導入してそのシステムをメンテナンスし続ける必要がなくなる
ことに加えて、
・LaKeelシリーズを連携することで、自社の業務に合わせたシステムを簡単に構築できる
メリットがあるとのことです。
LaKeelシリーズには
・LaKeel Workflow:デジタルのワークフローシステム(各種申請や稟議など)
・LaKeel Data Insight:データの一元管理
・LaKeel Messenger:ビジネスチャット
・LaKeel Passport:ID管理システム
があり、組み合わせることで企業内の様々な業務フローに対応することができそうですね。
2005年6月(株)レジェンド・アプリケーションズ設立。2021年7月東証マザーズ市場へ上場予定
続いて2021/6/11発表 第4期有価証券報告書よりラキールの沿革についてご紹介します。ラキールの沿革によれば、
・2005年6月(株)レジェンド・アプリケーションズ設立
・2011年9月(株)ワークスアプリケーションズが株式を100%保有し親会社になる
・2012年8月Lakeel Instant Messengerリリース
・2013年9月Lakeel BIリリース
・2017年11月経営陣によるMBO
・2019年5月Lakeel DXリリース
・2019年5月Lakeel Commerceリリース
・2019年10月商号を(株)ラキールに変更
・2020年6月Lakeel Data Insightリリース
・2021年7月東証マザーズ市場へ上場予定
とのことです。ワークスアプリケーションズの子会社になった旧レジェンドコミュニケーションズの経営陣によるMBOが起きた2017年から現ラキールの決算期が始まっていますが、実態としては2005年から取り組まれていた事業ということがわかります。プロダクトは初めに2012年にLakeel Instant Messengerをリリースし、その後2013年にLakeel BI、2019年にLakeel DX、LaKeel Commerce、2021年にLakeel Data Insightをリリースしていますので、直近2年で複数のプロダクトをリリースしたことがわかりますね。
2020年12月期末で53.3億円、直近YoY成長率は94%
では続いてラキールの売上高から見てみましょう。
2018年12月期から2020年12月期の3年分の売上高を見ると、YoYの売上高成長率は94%〜152%の水準で推移しています。直近YoY成長率は94%となっており、2019年12月期末と比べて、2020年12月期末の売上高が減少していることがわかります。
2020年12月期末でストック売上比率は66.1%
続いて、ラキールの売上高の構成比率について見てみましょう。2021/6/11発表の第4期有価証券報告書によれば、ラキールのストック売上高比率は66.1%です。なお、ラキールはそのプロフェッショナルサービス売上高に占めるリカーリング売上高の比率とプロダクトサービス売上高におけるサブスクリプション売上高を公開しています。そこで、これらの売上高を合算し、全売上高に占める割合をストック売上比率として算出しています。
さて、次回はラキールのSaaSプロダクトがどのようなKPIになっているのか、分析していきます。ラキールは解約率などの各種KPIも公開しており、その詳細がどのようになっているかの深掘りがとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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