2020年2月期末時点の計算MRRは8.7億円。
はじめに、ウイングアーク1stのMRRについて述べます。なお、ウイングアーク1stはそのMRR/ARRを有価証券報告書の中では公開していません。一方で、リカーリングによる売上高は公開していますので、このリカーリング売上高を12で割り算することで、そのMRRを算出しています。
SVFは初期費用は20万〜30万円、月額費用は3万〜90万円。Dr.Sumは初期費用は50万円、月額費用は15万〜200万円。
こちらは2021/5/10時点のウイングアークの代表プロダクト(SVFとDr.Sum)の料金体系です。初期費用、月額費用ともに料金が明確に公開されており、
・SVFは初期費用は20万〜30万円、月額費用は3万〜90万円
・Dr.Sumは初期費用は50万円、月額費用は15万〜200万円
となっています。エンタープライズも中小企業も両方に提供できる価格帯になっているようですね。
2020年2月期末の期末契約社数あたり単価は171.8万円/月。最新YoY伸び率は105.8%
続いて、2021/2/18日発表の第4期有価証券報告書にて公開されているウイングアークの期末時点の契約パートナー数から算出した契約パートナー数あたり単価についても見てみましょう。有価証券報告書に掲載されている契約パートナー数でリカーリング売上を割り算することによって求めた契約パートナー数あたり単価によれば、2020年2月期末の契約社数あたり単価は171.8万円/月で、最新YoY伸び率は105.8%となっています。
2020年2月期末の契約社数は507社。最新YoY伸び率は105.8%
続いて、ウイングアークの契約パートナー数についても見てみましょう。こちらも2021/2/18発表の第15期有価証券報告書より抜粋してきた情報にはなりますが、2020年2月期末の契約社数は507社で最新YoY伸び率は105.8%とのことでした。有価証券報告書によれば、ウイングアークの販売はパートナーを介した間接販売が前提とのことなので、詳細の利用社数は公開されていません。一方、2021/5/10時点のホームページ情報によれば、
・SVF Cloudだけでも28,000社を超える導入
・Dr.Sumで6,400社
の導入実績があるそうですので、月額数万円がボリュームゾーンなのかもしれないですね。
2020年2月期の最新従業員数は561人。最新YoY伸び率は107%
最後に、ウイングアーク1stの従業員数について述べます。2020年3月期の最新従業員数は561人で最新YoY伸び率は107%とのことです。直近で急激に人が増えている、ということはなさそうです。
最後に
今回取り上げたウイングアーク1stは、企業に必要な帳票をSaaSとして提供する会社でした。価格帯も幅広く、数万円から数十万円までの金額感でサービスを展開する形式は、業務上不可欠なソフトウェアはSaaSとして提供するのに非常に相性が良さそうですね。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
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