2020年3月期末時点の計算MRRは1.3億円。

はじめに、コマースOneホールディングスのMRRについて述べます。なお、コマースOneホールディングスはそのMRR/ARRを有価証券報告書の中では公開していません。そこで、フューチャーショップの売上が純粋なMRRによるものであるという仮定を置いて、フューチャーショップ売上を12で割り算をすることで算出しています。
初期費用は2.2万〜5.2万円、月額費用は2.2万〜8.1万円。

こちらは2021/5/3時点の同社ホームページより抜粋したフューチャーショップの料金体系です。初期費用、月額費用ともに料金が明確に公開されており、
・初期費用は2.2万〜5.2万円
・月額費用は2.2万〜8.1万円
となっています。月額費用の違いは、ECサイトに登録することが可能な商品点数によって異なっているようです。点数が小さいところから初めて、ECが軌道に乗ると点数を増やすことができる価格体系になっているようですね。

2020年3月期末の期末契約社数あたり単価は4.9万円/月。最新YoY伸び率は106.2%

続いて、同様に2020/6/29発表の第15期有価証券報告書にて公開されているフューチャーショップの契約社数から算出した契約社数あたり単価についても見てみましょう。有価証券報告書に掲載されている契約社数でフューチャーショップ売上を割り算することによって求めた契約社あたり単価によれば、2020年3月期末の契約社数あたり単価は4.9万円/月で、最新YoY伸び率は106.2%となっています(なお、今回の計算の仮定として、フューチャーショップの全ての売上が月額によるものである、という仮定を置いておりますので、実態の単価はもう少し下がるはずです)。
2020年3月期末の契約社数は2,622社。最新YoY伸び率は106.2%

続いて、フューチャーショップの契約社数についても見てみましょう。こちらも2020/6/29発表の第15期有価証券報告書より抜粋してきた情報にはなりますが、2020年3月期末の契約社数は2,622社で最新YoY伸び率は106.2%とのことでした。
2020年3月期の最新従業員数は114人。最新YoY伸び率は104%

最後に、コマースOneホールディングスの従業員数について述べます。2020年3月期の最新従業員数は114人で最新YoY伸び率は104%とのことです。直近で急激に人が増えている、ということはなさそうです。
最後に
今回取り上げたコマースOneホールディングスは、ECサイトの構築・運用をするためのプラットフォームをSaaSとして提供する会社でした。今や小売業にとってなくてはならない存在であるEC。このような、業務上不可欠なソフトウェアはSaaSとして提供するのに非常に相性がいい、ということが言えそうですね。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。