2020年12月期末時点の推定MRRは0.5億円。
はじめに、スタメンのMRRについて述べます。なお、スタメンはそのMRRを平均MRRという形でIR資料の中で公開しています。一方で、社数あたりの平均となり、会社としてのMRRがわかりづらいため、公開されている売上にストック比率をかけて、12で割り算をすることで算出しています。
初期費用と月額費用が発生要問合せ
こちらは2021/4/18時点の同社ホームページより抜粋したスタメンの料金体系です。
・初期費用と月額費用が発生
・詳細は要問合せ
という料金体系になっています。
2020年12月期末の期末契約社数あたり単価は15.1万円/月。最新YoY伸び率は130.5%
続いて、同様に2021/3/26発表 第5期有価証券報告書にて公開されているスタメンの契約社数から算出した契約社数あたり単価についても見てみましょう。有価証券報告書に掲載されている契約社数でMRRを割り算することによって求めた契約社あたり単価によれば、2020年12月期末の契約社数あたり単価は15.1万円/月で、最新YoY伸び率は130.5%となっています。
2020年12月期末の契約社数は310社。最新YoY伸び率は124%
続いて、スタメンの契約社数についても見てみましょう。こちらも2021/3/26発表 第5期有価証券報告書より抜粋してきた情報にはなりますが、2020年12月期末の契約社数は310社で最新YoY伸び率は124%とのことです。社数あたり単価の伸び率が社数の伸び率よりもやや大きいので、若干顧客の大型化が進んでいるのではないか、と推測されますが、ツナグについては、顧客単価をあげていくに当たって影響力が強いのがオプションによる課金なのかID数による課金なのかは詳細に公開されていないため、こちらは完全に推測になります。
2020年12月期の最新従業員数は47人。最新YoY伸び率は131%
最後に、スタメンの従業員数について述べます。2020年12月期の最新従業員数は47人で最新YoY伸び率は131%とのことです。特に2018年12月期末から2019年12月期末にかけて大きく従業員数が伸びた後は減少しつつも、人を増やしているようですね。
最後に
今回取り上げたスタメンは、従業員エンゲージメントを高めるための情報共有プラットフォームをSaaSとして提供する会社でした。2-3人で経営している小規模組織とは異なり、従業員が増えた際に発生する従業員管理をするというプラットフォームとしてとても特徴的なSaaSであるということが言えるのではないかと思います。このような、会社運用と切り離すことができない問題はSaaSとして解決策を提供するのに非常に相性がいい、ということが言えそうですね。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。