スタメンは従業員エンゲージメントを高めるための情報共有プラットフォームをSaaSとして提供
さて、初めにスタメンのプロダクトについてご紹介します。2021年4月21日時点の同社ホームページによれば、スタメンは従業員エンゲージメントを高めるための情報共有プラットフォームをツナグ(TUNAG)というSaaSとして提供しています。これまでに紹介してきたSaaSプロダクトで言えば、リンクアンドモチベーションのモチベーションクラウドと同じカテゴリのプロダクトということが言えるでしょうか。
2016年1月株式会社スタメンを設立。2017年4月TUNAGを正式リリース。2020年12月東証マザーズ上場
続いて2021/3/26発表 第5期有価証券報告書よりスタメンの沿革についてご紹介します。スタメンの沿革によれば、
・2016年1月株式会社スタメンを設立
・2017年4月TUNAGを正式リリース
・2019年11月TUNAGグローバル版の提供開始
・2020年5月サブスクファンサロンアプリFANTSの提供開始
・2020年12月東証マザーズ上場
しています。
まだ5期ということで、他のSaaS提供企業と比べると、相対的に若い会社ということが言えそうですね。
2020年12月期末で6.2億円。直近YoY成長率は157%
では続いてスタメンの売上高から見てみましょう。
2017年12月期から2020年12月期の4年分の売上高を見ると、直近の売上高成長率は2019年12月期から2020年12月期にかけて、YoY成長率157%となっています。2017年12月期末から2018年12月期末までの期間で1500%を超えるYoY成長率を示していますが、こちらは母数が低いので、特に気にしなくていいでしょう。続いて、スタメンのストック比率を見てみます。
2020年12月期末でストック売上比率は90.4%
続いて、スタメンの売上高の構成比率について見てみましょう。2021/3/26発表 第5期有価証券報告書によれば、スタメンの2020年12月期末のストック売上比率は90.4%でした。なお、スタメンはストック売上比率を「売上高ストック比率」という形で開示しています。沿革によれば、2020年5月にサブスクファンサロンアプリFANTSを公開していますが、有価証券報告書が単一セグメントで提出されていることから、まだ売上が目立った大きさにはなっていないと推測されます。
さて、次回はスタメンのSaaSプロダクトがどのようなKPIになっているのか、分析していきます。SaaSとして、人材関連のプロダクトを提供している会社はこれまで取り上げた中でも、ウォンテッドリー、リンクアンドモチベーション、カオナビなど複数います。スタメンのKPIはどうなっているのか、とても分析のしがいがありそうです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。