ホットリンクはSaaSとしてSNS分析ツールのクチコミ@係長を提供。

さて、初めにホットリンクのプロダクトについてご紹介します。2020年3月31日時点の第21期有価証券報告書によれば、ホットリンクは3つの事業区分となっており、それぞれの事業区分は
・SaaS:クチコミ@係長を提供
・ソリューション事業:国内はSNS広告とSNS運用コンサル、海外は各種データアクセス権を販売
・クロスバウンド事業:越境EC、中国消費動向トレンド情報メディア、中国におけるWEBプロモーション実行
の3つに別れているようです。SaaSとして提供しているサービスはSNS分析ツールのクチコミ@係長のようです。
なお、今回紹介するKGI、KPIについては、2019年度のものであり、最新の年度ではないことにご注意ください。ホットリンクは2020年度より事業区分を先ほどご紹介した3区分から、
・SNSマーケティング支援事業
・DaaS事業
・クロスバウンド事業
の3つにへこうしているようです(旧区分と照らし合わせると、クロスバウンド事業は変更がない一方で、旧SaaS、旧ソリューション事業がSNSマーケティング支援事業とDaaS事業に配分が変わったようですね)。

ホットリンクの提供するSaaSプロダクトはBuzzSpreader Powerd by クチコミ@係長

プロダクトに関して、2021/3/10時点の同社ホームページより抜粋してきたプロダクトの図を紹介します。過去のリリースによれば、2019年7月31日のプレスリリースで、クチコミ@係長をBuzzSpreader Powerd by クチコミ@係長という名称に変更しているようです(正式名称で記載するととても長くなってしまうので、以降の分析では、クチコミ@係長と省略して記載することにいたします)。

2000年6月株式会社ホットリンクを設立。2008年7月ソーシャル・ビッグデータ分析ツールのクチコミ@係長を提供開始後、2013年12月東証マザーズ市場へ上場

続いて2020/3/31発表 第21期有価証券報告書よりホットリンクの沿革についてご紹介します。ホットリンクの沿革によれば、2000年6月株式会社ホットリンクを設立しています。その後、2008年7月ソーシャル・ビッグデータ分析ツールのクチコミ@係長を提供開始し、2013年12月東証マザーズ市場へ上場しています。設立からざっくり20年近くが経過した会社であることがわかりますね。特徴として、国内だけでなく、海外(米国の子会社があったり、中国人向けマーケティング事業も手がけている)にも事業を広げていることがわかります。
ホットリンクの最新開示KGI(売上高)は2019年12月期末で37億円。直近YoY成長率は114%

では続いてホットリンクの売上高から見てみましょう。2017年12月期から2019年12月期の3年分の売上高を見ると、その売上高成長率は2018年12月から2019年12月にかけて、鈍化しています。2018年12月期から2019年12月期の売上高のYoY成長率は114%でした。
2019年12月期末でストック売上比率は12.9%

続いて、ホットリンクの売上高の構成比率について見てみましょう。2020/3/31発表 第21期有価証券報告書によれば、ホットリンクの事業のうち、ストック売上比率(SaaS売上比率)は12.9%でした。全体の売上に占めるSaaS事業売上の比率は2018年12月期末から2019年12月期末で下がっているようですね。
さて、次回はホットリンクのSaaSプロダクトがどのようなKPIになっているのか、分析していきます。SaaSだけでないプロダクトも提供している会社なので非常に楽しみです!最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。