計算KPI:ココペリ(ココペリ)の期末時点MRRは0.34億円
はじめに、ココペリのMRRについて述べます。なお、今回は、「計算」MRRとしています。この背景には、ココペリはそのSaaSプロダクトであるBig Advance関連の売上高を明確に有価証券報告書の中で公開していないため、フロー売上、その他の売上が小さいと仮定することで、この売上高を12(ヶ月)で割ることで、そのMRRが計算できるためです。計算した結果によれば、2020年3月期末時点の計算MRRは0.34億円でした。直線の傾きが大きくなっていることから、会員数の伸びが加速していることがわかります(詳細は後述します)。
直近期末のココペリの有料会員企業数は12,792件。最新YoY伸び率は527.7%
続いて、
・ココペリの有料会員企業数
について公開されてるKPIを紹介します。
なお、ココペリによれば、導入社数には
・金融機関数(Big Advanceに対して利用料を支払う)
・有料会員数(金融機関の提供するBig Advanceに対して利用料を支払う中小企業)
の2種類があり、前者にココペリがBig Advanceを提供し、有料会員(中小企業)へ金融機関がBig Advanceを提供して対価を得るビジネスモデルのようです。なお、Big Advance導入金融機関数が有料会員企業数に比べて小さい結果(2020年3月期時点で有料会員数が12,792に対して、金融機関数26と実に500倍近くの違いがあります)、グラフには表示がされていないことにご注意ください。
中小企業のBig Advance利用料は月額3,000円(税抜)。金融機関からの平均的な会員数あたりの支払い金額は推定で月額2,695円(税抜)※ただし、推定の精度は低いと思われる
続いて、
・ココペリのARPA
について推定したものを紹介します。
こちらは、ココペリの有価証券報告書から抜粋した事業系統図ですが、ITサポートサービスの例外を除き、ココペリは
・金融機関にサービスを提供して
・月額システム利用料もしくはサービス利用料
を取得するとのことです。さらに、有価証券報告書を紐解くと、ココペリはBig Advanceの提供に際して、初期導入費用を取得しているようです。このため、ストック売上比率はほぼ100%と前回の分析で紹介していますが、確実にストック売上比率は100%未満であることが言えそうですね。こちらは、導入金融機関数が急成長している結果、料金体系が流動的で、まだ公開する時期を待っているのかもしれません。より分析の精度をあげるために、早い時点で公開されることを期待する次第です。
さて、上記の前提で、精度はもちろん下がりますが、推定の会員数あたりの売上を売上高から
・売上高 / 会員企業数 / 12(ヶ月)
で計算すると、2,695円となり、ざっくり3,000円ということがわかりました。金融機関には中小企業から3,000円(税抜)が入り、さらにそのさきで3,000円を金融機関はココペリにBig Advance利用料として費用を支払っている、と推定されます。ただ、繰り返しになりますが、初期費用なども入っており、もう少しここの金額は下がる可能性がありますので、あくまでご参考、というところに留めておいていただけますと幸いです。
2020年3月期の最新従業員数は29人。最新YoY伸び率は145%
最後に、ココペリの従業員数について述べます。ココペリの2020年3月期の最新従業員数は29人で、最新YoY伸び率は145%とのことです。会員数・金融機関数の急増に合わせて、人も絶賛増加中、ということですね。
最後に
今回取り上げたココペリは、金融機関の中小企業向け情報発信に特化したバーティカルSaaSを提供しており、そこの市場シェアをさらに伸ばしていくフェーズにあります。今後、初期費用や金融機関から取得しているサービス費用の詳細がわかってくるのがとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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