チームスピリットはB2B向けにSalesforceプラットフォーム上で動くサービスを提供。
はじめにチームスピリットの各サービスについてご紹介します。こちらはチームスピリットの抱えているプロダクトの一覧(TeamSpirit、Leaders、HR、マイナンバーエンジン)です。チームスピリットはSalesforceの上で動く各種のプラットフォームを提供しています。これまでご紹介してきたサービスは、(裏側でAmazonやGoogle、Microsoftなどのクラウドサービスなどを使っているはずですが)基本的にプラットフォームの上には乗っていないサービスを提供していることに特徴があるので、面白いですね。プロダクトの一覧を同社ホームページより抜粋すると、以下のようになっています。全体的に従業員管理に関連したツールを提供しているということがいえそうです。
- TeamSpirit:勤怠管理や工数管理など、従業員が日々利用する機能を融合し、従業員が意識しなくても働き方のデータを収集。一人ひとりの働き方をリアルタイムに可視化できるクラウドサービス。
- Leaders:「TeamSpirit」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービス。主に人が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、管理職や経営陣の迅速な意思決定をサポート。
- HR:「TeamSpirit」に人事情報管理(HRM)機能を統合したサービス。人事情報のデジタル化と情報登録・変更のセルフオペレーションにより、管理の効率化と戦略人事に向けた基盤の確立をサポート。
- マイナンバーエンジン:人事情報管理サービスの「TeamSpirit HR」と組み合わせて使用。社員情報の中からマイナンバーを分離して保管するほか、マイナンバーのマスク化や暗号化、トークン化などの機能を提供。
1996年に創業後、2018年8月に東証マザーズ上場
チームスピリットの沿革によれば、同社は1996年に有限会社デジタルコーストとして創業があった後、10年近く期間が空いて社名変更、セールスフォースとのAppExchangeパートナー契約を開始しています。その後は2018年の8月には東証マザーズに上場し、2019年にはTeamSpirit WSP(Workforce Success Platform)をリリースしています。
チームスピリットの開示KGI(売上高)推移:2019年8月期末で18.2億円。直近YoY成長率は148%
では続いてチームスピリットの売上高から見てみましょう。直近6年の売上高の推移を見ると、売上高の成長率は徐々に下がっている傾向はありますが、2014年以降140%〜180%の圏内で成長を続けております。
直近の売上高ストック比率は少なくとも76.6%より大きい
続いて、クラウドサービス(月額課金)の比率について見てみましょう。2020年10月13日に発表された2020年8月期の決算説明資料によれば、チームスピリットの売上高セグメントは
- ライセンス:TeamSpirit、TeamSpirit Leadersなどサービスの月額課金
- プロフェッショナルサービス:プレミアサポート、スポットサポートの2種類。前者はリカーリング(月額課金)
となっています。
以上より、チームスピリットの売上高に閉める月額課金比率については、少なくともライセンス費 + プレミアサポート費用のため、少なくともライセンスが全売上高に占める割合よりも大きくなります。
次回以降、気になるKPI推移について紹介していきます!チームスピリットは各種KPIを細かく開示しているので、いろいろな指標が推定を挟まなくともわかりやすくなっているはずです。分析が非常に楽しみです!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
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