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saaslife_社員皆経営者」な意識を私が持つ為に有効だった先輩の質問

社員皆経営者」な意識を私が持つ為に有効だった先輩の質問

たまには趣向を変えてお送りします。

特にある読者を想定している訳では無いが、強いて言うならあの頃の自分に向けたポエムということで。

なお、このアイキャッチ画像のダンディな紳士が誰かわからない人は、知り合いのSaaS企業勤務の人にこの投稿のリンクをシェアして誰なのか聞いてみたください。すごい人です。逆にその人が答えられなかったらその人はただの雰囲気でSaaS最高と言ってるただのワナビー野郎なので今後SaaS文脈においては連絡しないほうがいいと思います。

本題に入ろう。

よく「社員皆経営者」という話を耳にする。簡単にいうと、「経営者の目線を持って働きましょう」ということだ。

前職、広告会社で働いていた際私は正直言ってプライドばかり高いが仕事のできない、いわゆるお荷物社員だった。具体的にどうお荷物だったかというと、

  • 会社の文句はがっつり言う、態度も悪い
  • 先輩の言うことを聞かない
  • の割に的外れなことばかり言う

と言う、どうしようも無い社員だった。

これで、「仕事だけはこなせる」のであればまだマシだったんだが、仕事もろくにこなせていなかったと客観的に当時を振り返って思う。仕事において当事者意識なんてものはかけらもなかった。よくクビにならなかったな・・

当時は、

  • 俺は会社を辞めるぞジョジョーッ!!

という、「入社1-3年以内で仕事を辞めてノマド的な動きをしたりする人たち」をよそ目に、なんか違うんじゃ無いかと感じながら、でも自分も仕事を辞める選択はできなかった。無一文になりたくもなかったが、リーマンショック直後の2009-2012年ごろは今と違って猫も杓子もスタートアップ、経験不要のやる気採用という感じではなかったのである。

ということで、ズルズル仕事を続けていたわけなんだが、ある日レッドブルを買いに行った自販機で先輩に呼び止められた。

「SL君、君の担当している事業はいくら会社において売り上げているか答えられるかい?」

引用元:名もなき前職の先輩

正直答えることができなかった。先輩は続けた。

「そのくらいも知らないのに自分の仕事に対して文句を言ってるとか話にならないよね。せいぜい悲劇の主人公を気取ってなさい」

引用元:名もなき前職の先輩

悔しかった。ので、手元の情報を集めて、まずは先輩の質問に対して答えられるようにしてみた。

すると、

  • なぜあの先輩は「仕事できる」風な空気を出しているのか
  • なぜあの事業部は花形扱いされているのか

が一段違う視座で見えてきた。売上高が大きいからあそこの事業部は持ち上げられているのか、と。

この頃から、営業部の人たちとゴルフを始めた。

もちろん、売上を上げている所の営業部の人たちとだ。この頃、社内で働く仕事をしていたので、完全に「この人たちと仲良くしておけば自分の仕事が楽になるな」という下心と、「一体普段どういうことを考えているんだろう」「会社の決定に対して、どう解釈しているんだろう」ということに尋常ならざる興味を持っていた。中にはとにかく長期間売上目標を達成し続けている化け物もいたし、この人たちの考え方を理解することで自分も仕事ができるんじゃないか、と当時は思っていた。

このように異なる部署の営業の人たちとの関係性の中から、

  • 自分の仕事をボトムアップで理解し、
  • 会社においてどういう位置付けに今自分がいて、振る舞うのか

をまるで将棋のコマとして日々振舞いながら、盤面について考えるような感覚を持ったことがある日あった。

あの瞬間から、少しだけ私に社員皆経営者主義の片鱗が生まれたような気がする。もちろん、スタートアップで働いていると、株式やSOの話・比率は人によって大幅に異なるので、経営者が「経営に絡む視座で物事を考えよう」と言ったとしても

はいはいポジショントーク乙(成功したら恩恵を受けるのは自分だから言ってるんでしょ)

よくある社員皆経営者主義や当事者意識に対する反論

と捉えることはできるが、「その状況でさらに貢献するか・退職するかを含めて、どう最善に振る舞うか」はあなたに委ねられており、「自分の使える資源(主に時間)」をどう過ごすかは、将来に天と地ほどの差を作り出す。誰もが平等ではないが、わかりやすい事実だ。そして最後は自分がどうするかを決められる。

今思えば、あの日の瞬間はすごく嫌だったが、先輩には感謝しないといけないと思う。

saaslife_Adobeに買収されたMarketoの上場直前3期のサブスク比率と年間売上額 / 導入社数 /MRR

Adobeに買収されたSaaS企業、Marketoの上場直前3期のサブスク比率と年間売上額 / 導入社数 / MRR

TL;DR:

  • Form S-1によると2013年のNASDAQ市場上場直前期のMarketoの年間売り上げは約60億円
  • 上場直前の導入社数は2000社超え
  • 上場直前の推定MRR単価は21.9万~219.8万円/社

Marketoの歴史

saaslife_Marketo親会社の推移
saaslife_Marketo親会社の推移

2018年、Adobeに最近買収されたニュースがついこないだのことのようだ。

WikipediaのMarketoの項目によればMarketoはEpiphanyメンバーのPhil Fernandez、Jon Miller、David Morandiにより2006年に操業された。

その後

  • 2008年にリードマネジメント
  • 2009年にセールス・インサイト
  • 2010年に収益分析

のプロダクトを矢継ぎ早に公開している。

その後2013年にNASDAQ市場に創業後7年目で上場し、その後は

  • 2016年にビスタ・エクイティパートナーズ
  • 2018年にAdobe

に買収された。個人的な感想でいうと、前職でまさにMaketoで配信したメルマガの効果の詳細をAdobeのアナリティクスツールで分析していたので、さらに連携がうまく進むシナジーを期待した買収なんだろうなと勝手に胸熱に感じたのを覚えている。

Marketoのプロダクトで何ができるのか?

saaslife_Marketoプロダクト説明ページ(2009年9月7日時点)

さて、一体Marketoで何ができるのだろうか。デジタルマーケティングに馴染みの無い方に向けて超ざっくりと解説すると、Marketoは

  • 自社ウェブサイト
  • 広告キャンペーン用のランディングページ
  • ソーシャルメディア

など、さまざまにユーザー接点があったBtoBマーケティングの領域において、各種ユーザー接点を把握してその効果分析や、(メルマガを使った)ターゲティングマーケティングを行うことができるツールであり、マーケターにとってありがたいツールである。

例えば前職では、それなりの大企業だったのだが、

メルマガを自社ツールで送ると、抽出条件/送信テンプレートなどを都度エンジニアに依頼することが必要になり、なかなかに施策を試すことができない

CRMマーケティングに関わっていた某大企業勤務の前職同僚談

課題があった。そこを月あたり数十万円で解消できるので、

  • マーケターは自分の考える施策をすぐに試すことができる
  • エンジニアの工数を前提にしなくていい

メリットがあり、導入に至った経緯があった。それでは以降で売上とSaaS関連指標情報を読み解く。

会社の売上:上場直前のMarketoはサブスクリプション比率90%、売上は60億に到達

saaslife_Marketo上場前3年の売上推移(単位:億円、1USD=100JPYで換算)
saaslife_Marketo上場前3年の売上推移(単位:億円、1USD=100JPYで換算)

FormS-1によれば、Marketoの売上は

  • FY2011 -> FY2012で221%
  • FY2012 -> FY2013で176%

と毎年2倍近い成長を続けている。

FormS-1に公開されていた情報で、

  • サブスクリプション(S-1内では、”Subscription and support”)
  • プロフェッショナルサービス(“Professional services and other”)

がある。これらはそれぞれ、

  • いわゆるMRRに該当する、Marketoのソフトウェア利用、またはそのサポートに伴って発生する月額費用
  • Marketoソフトウェアのセットアップにかかる費用でショット(1回限り)で発生

となっており、サブスクリプション比率が高いほど純度の高いSaaSということになる。

サブスクリプション比率は低下傾向にあれど、FY2011->FY2012で共通して90%を超える水準だった。(サブスクリプション比率が下がっている理由は、MRRのパートにて後述)

上場直前の導入社数は2000社超え

saaslife_Marketo上場前3年の導入社数(FY2010は非公開につき推定値)
saaslife_Marketo上場前3年の導入社数(FY2010は非公開につき推定値)

続いて、導入社数を見てみよう。

Form S-1の中では、”over x companies(xが実数)”という表現をしており、下限の社数を以下の通りで公開していた。

  • FY2009:200
  • FY2011:1,000
  • FY2012:2,000

なお、FY2011->FY2012で数字が2倍の成長をしていることから、上のグラフはFY2010の社数をFY2009->FY2010で2倍社数が伸びたという仮定をおいている。こちらも売上の伸びに迫る大きな伸び率である。

上場直前のMarketoMRR単価は推定21.9万~219.8万/社

saaslife_Marketo上場前3年のMRR平均単価/社(1USD=100JPYで換算)
saaslife_Marketo上場前3年のMRR平均単価/社(1USD=100JPYで換算)

グラフは冒頭の売上(の内、サブスクリプション部分のみ)/12(ヶ月)/社数で求めたMRRである。若干の低下傾向にはあるが、20万~30万円の間を推移している、という感じだろうか。

なお、これは推定になるが、

  • Marketo導入の間口をさらに広げるさらなる廉価版の投入 や
  • 海外への展開に伴う価格体系の若干の変更

があったのではないかと管理人SLは推測している。

また、プロフェッショナルサービスの比率が増えているのは、

  • 大企業など、既存で大きなシステムが回っていて、そこの中にMarketoを組み込む

案件が増えていることを表している。

まとめ(TL;DR:の再掲)

  • Form S-1によると2013年のNASDAQ市場上場直前期のMarketoの年間売り上げは約60億円
  • 上場直前の導入社数は2000社超え
  • 上場直前の推定MRR単価は21.9万~219.8万円/社

今後もSalesforceを筆頭に、他のSaaSのKGI/KPI推移を調べた内容を紹介していくハード・コアなブログにしていこうと思っています。