SaaSスタートアップへの転職」カテゴリーアーカイブ

saaslife_SaaSに関わり始めて変わった/変わらない私の強み(SaaSとストレングス・ファインダー)

SaaSに関わり始めて変わった/変わらない私の強み(SaaSとストレングス・ファインダー)

TL:DR;

  • SaaSは全員野球
  • 強みが多分横スライドする
  • 役割の変わり続けるスタートアップの中で、自分の強みにフォーカスして進化を楽しみながら事業を伸ばしていこう

以下本題。


SaaSビジネスは常に動き続けており、終わりがない

ちょうど今から約2年前に以下のfreee佐々木さんブログに、「SaaSは全員野球」だと書かれていた。

SaaSのビジネスを考えるとこの内容には共感しかない。

  • マーケチームがリードジェンする。
  • インサイドが商談設定する。
  • フィールドセールスがクロージングする。
  • クロージング後はカスタマーサクセスとカスタマーサポートが顧客に伴走する。

わかりやすくビジネスサイドについてだけ書いたが、当然これらのビジネス活動をプロダクトが支えており、細かく言えばフロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、、、などなど、組織一丸となってビジネスに取り組むのがSaaSだ。


組織が大きくなることで役割が変わり、効率化を図るために分業を進めるとボールが落ち始める

人数が少ない頃はいい。顔が見える。顔色が悪いとかもすぐわかる。みんなが何に取り組んでいるかがわかる。何か気になることがあれば、すぐに声をかければ良い。

これが100人を超えるあたりから怪しくなる。別拠点ができてこの傾向が見え隠れし、フロア分割で決定打となる。


どうすればいいか?

社会人でありプロである以上「相手の期待を超え続ける」のは前提である。しかし、その中でも所詮は人と人だ。自分と相手のタイプを知っておくことで自分を理解し、相手を理解することにつながるのではないか。

と言うことで、昔受けたストレングス・ファインダーテストをもう一度受けてみた。


変わった資質と変わらない資質

saaslife_管理人SLのストレングス・ファインダー結果(2020年3月時点)

前回(2015)と変わっていない資質

  • 学習欲
  • 最上志向

TOP5に新規で追加された資質

  • 活発性
  • 達成欲
  • 目標志向

TOP5から消えた資質

  • 内省
  • 着想
  • 指令性

全体で30近くある資質のTOP5資質だけが分かり、残りはさらに課金が必要というクs仕様であることには目をつむりつつ、意識的に思い当たるところとしては、

  • 学習欲:常に学び続けないと死ぬ
  • 最上志向:スタートアップなら上目指すでしょ

は、これがないとSaaSで成果だせないでしょ的な話あたりが気になるところではある。

新規追加になった3資質については、日々Salesforceを見て売り上げについて考えているからこうなってるのかな、と言うレベル。活発性は、これがないと自分で適切な意思決定をするための情報をとりに行けないから、磨かれたような感覚はある。

削除された内省/着想/指令性については、

  • 内省:忙しすぎてあんまり考える暇がない?
  • 着想:アートよりもサイエンスな実利追求に触れすぎてる?
  • 指令性:主導権が常に変わり続けるので、主導権を握る必要性をそこまで感じてない?

と言う強引なまとめをして締め括ろうと思う。ぜひ、これを読んでいる方も受けてみて、比べてみて欲しい(なお、中古で買うとアクティベーション用のコードが使えないので必ず新品を買う必要があることにご注意!)。

saaslife_エンジニアがSaaS企業の非エンジニアCEOが本当に使えるのかを見抜く方法

エンジニアがSaaS企業の非エンジニアCEOが本当に使えるのかを見抜く方法

TL:DR;

  • 非エンジニアCEOに必要なのはプロダクトのユーザー理解、その一点に尽きる
  • プログラミング/ファイナンス/マーケティングの細かい各論の知識はあればベターレベル
  • とにかくプロダクトの先にいるユーザーの理解がどれだけできているかを見極めよう

この記事を書こうと思ったきっかけ

非エンジニアの創業者が1人目の実力を見抜く方法、と言う記事を最近読んだ。記事を読み終えて、この反対側の視点だったらどうだろう、とふと思ったのでここに私の考えをまとめておく。なお、先に述べておくと私は非エンジニアである。


大前提としてSaaS企業のCEOには何が求められるか

まず、SaaS(Software As A Service)の定義から考えても、SaaS企業にてビジネスサイドとエンジニアサイドはプロダクト(クラウドソフトウェア)によって繋がっているといえるだろう。全社ビジョンの策定/成長戦略/組織・人事などCEOの考えるべきことは無限にある。しかしCEOが解くべきイシューの根元には「ユーザーに熱狂的に受け入れられるイケてるプロダクトをどう作るのか?」があるべきだ。

全社ビジョンの策定/成長戦略/組織・人事などを考える目的は、

ユーザーに使われてナンボのプロダクトをいかにしてさらに効率的に広めるか

と言うことだったりする。

以上を元に考えると、CEOは「誰のどういう具体的なペインを解決して対価を会社を運営していくのか」に答えを出し続ける存在ということである。このため以下3特質が「SaaS企業で本当に使えるCEO」の性質ということになるだろう。


(1)プロダクトの使われ方について誰よりも詳しい(詳細の技術仕様については知らなくて良い)

ユーザーは裏でどういう技術が使われてるなんかに興味はない。飛行機の揚力の仕組みを考えながらみんな飛行機に乗らないし、内燃機関など考えて車を運転しないのと一緒だ。重要なのはプロダクトの使い心地という結果のみである。

このため、CEOは細かい技術仕様について知る必要はないが、一方で

  • 技術が自社の負債になっていないか
  • 負債解消の投資をいつするのか

については考える必要はあれど、技術面の詳細については知る必要はない、と私は考えている。

もちろん、採用などで技術面についてのアピールポイントがわかっているとエンジニアに対してはプラスにはなる、けどあくまで加点程度。本質的に重要なのは

  • 自社プロダクトのコアユーザーは誰で
  • 何の機能に満足しているか(さらなるアップセル/クロスセルの機会探究)
  • 何の機能に不満を抱いているか(解約の防止)

を肌で理解しているか、という点だ。


(2)プロダクトを当たり前のように実際に触っている

これは結構びっくりすることなんだけど、意外にみんな自社プロダクトを触っていない。なので、CEOがこれを触ってたりすると、グッとくるよね。どちらかというと精神論な話かもしれないけど。


(3)なぜそのプロダクトがイケているか/どうしたらさらにイケている状態にできると思うか自分の言葉でコメントできる

これは詰まるところ

「ユーザーに熱狂的に受け入れられるイケてるプロダクトをどう作るのか?」

のイシューに答える上で

どういう仮説を持っていて、何が不確定要素なのか

の切り分け精度を見極めるための基本的な特質な気がしている。

上記に付随する資質として、

  • 疑問の解消のためにはあらゆる人脈を駆使する
  • 自社プロダクトによらず、他社のプロダクトを誰よりも触っている

も挙げられるが、CEOであれば当たり前にこれくらいやるよね、ということばかりだ。


まとめ

SaaSプロダクトはtoCプロダクトと違って、実際に自分で試すことが難しい場合が結構ある。

であるが故に、もしあなたがエンジニアで興味のあるSaaS企業があるんだとしたら、例えばイベントに参加して実際にプロダクトを見せてもらうだったり、無料でユーザー登録をして使ってみるなどのやり方があるだろう。てことで当たり前なんだが、エンジニアはSaaS企業への転職においては、

  • 転職先候補のSaaS企業プロダクトをなるべく触っておく
  • 触れないのであれば知り合いに頼んで触らせてもらう

ということを行っておくと、イケてるCEOと出会える可能性が上げられると思いますよ、というお話でした。本当かどうか知らんけど。


興味のある人のためのおすすめ書籍

以下2作は時代背景的にweb完結、かつSaaSよりもコンシューマー向けプロダクトの勝ち方にやや寄せて書かれている感もあり、「とりあえず雑でもいいからプロダクトを出そうよ」という誤解をされがちだけど名著。いいSaaSプロダクト、いいSaaS人材を見つけ出す上で何か参考になれば幸いです。

saaslife_SaaSスタートアップに転職する前に知っておくべきSFAで一変したSaaS関連の21世紀型職種一覧とさらに重要になるスキル(2020年2月1日版)

SaaSスタートアップに 転職する前に知っておくべき SFAで一変したSaaS 関連の21世紀型職種一覧と さらに重要になるスキル (2020年2月1日版)

TL:DR;

  1. SFA(Sales Force Automation)はSaaSスタートアップ運営の肝だ
  2. 20世紀型職業に対して、SFAが組み合わさることで、様々なカタカナ語の職種が生まれた
  3. 全てと切り離せないのが「データ活用」。派手なカタカナ語に惑わされずに後悔のない選択をしよう

はじめに

SaaS関連の募集要項を見ていて、どのスタートアップもカタカナ語をたくさん並ぶ。フィールドセールスに始まり、インサイドセールス、カスタマーサクセス、セールスOps、…などなど。実際にスタートアップに身を置く立場としては、これらのカタカナ語は「ハイハイ、あの仕事のことですね」とすぐにピンとくる。ただ、そもそも自分が大企業にいてSaaSスタートアップに興味を持ったとして、いまいち何が違うのかがわかりづらいだろうし、転職エージェントは細かい職種など何もわかっちゃいない。そこで、そんな方のために極力漢字に変換する形で以下に対応関係を作った。

なお、私自身が事業側を管掌している関係上、売上を作り出すことに関係しているビジネスサイドを中心にまとめた。ただ、実感として、

  • プロダクトサイドは、DevOpsとか、SREとかいろんな名前が出てるけど、「SaaSだからこそ」という職種は皆無

と私は考えている。つまりプロダクトサイドにはSaaSならではの職業パラダイムシフトは一切ないと私は思っている。

では、はじめよう。はじめに、長々と職種の説明を書く。その後に何がこれらを成り立たせるのか、SFAとの関連は何かを紹介するので、興味を持っている職種のつまみよみだけでいいので、最後まで読んでみて欲しい。


(1)マーケ = 名刺獲得部隊

言うまでもない。リード、という言葉は「名刺」を表しており、どれだけの名刺を獲得できるかを目的とした部隊だ。


(2)インサイドセールス = 架電部隊

これは、マーケの獲得した名刺に対して架電を行う部隊を指す。後述のフィールド(実地)セールスと異なり、基本的に社内もしくは屋内(リモートなどの場合)で働くことが多炒め「インサイド」という冠がついている。


(2-a)SDR = 顕在顧客架電部隊

マーケの獲得する名刺には大きく、

  • 資料請求を中心とした(先方からの)友好的な問い合わせのあった連絡先
  • 過去に交換した名刺、顧客リストやインターネット情報などから生成した(こちらからの)一方的な連絡用連絡先

の2種類がある。

これらの名刺のうち、前者の「友好的な名刺」に電話をする部隊がSDRだ。なお、SDRはSales Development Representativeの略称だ。これは、確か Salesforceが発祥だった気がするが、IT企業で「営業」というのを「アカウントマネージャー」のようにより高い次元で意味づけして呼ぶことに成功している、という印象を持っている。


(2-b)BDR = 潜在顧客架電部隊

2-aで述べた「一方的な連絡用連絡先」に電話をする部隊を指しており、Business Development Representativeの略称である。こちらもSalesforceが発祥だ。一般に行って、ニーズが顕在化していないお客さんに連絡を取り、ニーズを顕在化する必要があることが多く、難易度は一般にSDRより高いとされている。


(3)フィールドセールス = 外勤営業部隊

インサイドセールスの設定した商談に関して、顧客と会い、受注を獲得するための部隊。いわゆる「営業」。


(4)セールスイネーブルメント = 営業教育部隊

最近、「うちのセールスイネーブルメントは〜」という使われ方でSaaSスタートアップでもちょくちょく聞く職種。SaaSスタートアップにも人事はいるけど、正直採用/制度設計などのいわゆる旧来のコストセンターとしてしか機能しないので、人事に頼らず売上を上げるために設置されることが多い。


(5)セールスOps = 営業推進 | 営業庶務

そろそろ数の多さに食傷気味になってきたような気がするが、まだ続く。これはもはやただ単にカタカナを使いたいんちゃうかという感じだが、いわゆる営業推進を業務効率化実施文脈で行う部隊として置かれることが多い。


(6)ビジネスデータアナリスト = 営業企画 | 営業推進 | 集計部隊

SaaSはそのシンプルなビジネスモデルと、SFAに適切な(これだけで相当にエントリが書けそうな予感がするんだけど)情報さえ入っていれば、それなりに分析ができるため、ビジネスデータアナリストという職種があり、まだ日本では聞かないが、アメリカではもういるそうだ。


(7)カスタマーサクセス = 既存巡回営業

個人的には一番この職種が言い得て妙だと思っているんだが、「顧客の巡回営業のことを『カスタマーサクセス』と呼んだことは本当にSalesforceの行った最大の発明だ」と言っても過言ではないと思う。ただ、論理的に考えればわかることなんだが、

  • 解約の阻止も大事だが企業のモメンタムとしては新規受注獲得の方が優先度が高い

という当たり前の事実から、一般的にフィールドセールスよりも下に見られることが多い(プライドを持ってカスタマーサクセスしている人たちを知っているが、売上責任の比重が弱めに設定されていることが多く、に対するコミットメントが弱い人は多い感じはある)。


番外編:プロダクトマネージャー = 商品企画

結局このあたりを、開発者が自分たちの居心地がいい状態を作るために「スクラム」とか「アジャイル」とか好き勝手言った結果日本のスタートアップのプロダクトがつまらなくなった、というのが私の持論ではあるが、「名称を変更した結果過剰に評価されている」職種だと思う。


これらの数多い職種を支える前提、SFA

さて、と。(1)〜(7)は全て、SFA(Sales Force Automation、営業力自動化)というクラウドツールのおかげで可能になっていることがSaaSのキモだ。SFA、といえば私はSalesforceを思い浮かべるわけなんだが、評判を聞く限りHubspotでも似たことが代替できると思っている。

実はこれらの仕事は全て、

  • 顧客の状態
  • 顧客の情報

を部門間でパスしながら売上の創出につなげている特徴を持っている。そして、SFAがこれらを全て可能にしているのだ。すなわち、SFAを使いこなすことができるのか、というのがこれらの仕事の質を支えていると言っても過言でない。

例えば日本におけるtoCスタートアップの代表のように今なっているメルカリなどはここまで営業は細分化されていないだろうし、どちらかというと

  • マーケ
  • プロダクトマネージャー

が、前者は広告CPAデータ、後者は内部のユーザー行動データを見るために各種集計ツールを駆使するという意味で強い感じはある。ので、一言で「顧客データ」と言っても、それが果たして一般消費者のデータなのか法人顧客のデータなのかで組織も全く変わる。


最後に

新しい一歩はいつだってドキドキする。私も初めての転職はそうだった。ただ、実際にそのタイミングになって、緊張しながらいろいろ調べたり自分の頭で考えたり、人と会って決断に至った後は不思議と後悔していない。

May the force be with you.あなたの職業選択に幸あれ。

saaslife_masteryoda
saaslife_masteryoda
saaslife_大企業にいながらにしてできるSaaSスタートアップへの転職準備3選

大企業にいながらにしてできるSaaSスタートアップへの転職準備3選

TL:DR;

  1. 転職候補のSaaSスタートアップが本当にSaaSが適した事業モデルか見極めよう
  2. 今いる大企業の中で優秀な人と繋がっておこう
  3. 今いる大企業ののIR/KGI/KPIを隅から隅まで理解しておこう

はじめに

私が今所属するSaaSスタートアップに転職したころ、日本の資金調達環境は今ほどの活況はなく、SaaSもそこまで注目されていなかった。

このページにたどり着いた方は、ある程度SaaSスタートアップの転職に興味があるのだろうと思う。一方、SaaSスタートアップの本当にほしい情報はネットには出まわっていない。非上場会社である以上、事業数値向上に寄与しない情報を出回らせる必要がないからだ。

そこで、これまで私が体験したSaaSスタートアップの勤務経験を元に、あなたが転職を決断する前に何をしておくべきかを厳選してここに3つ記す。

(なお、自分は転職の際転職エージェントを利用したが、転職エージェントはSaaS特化型ではなく、ビジネスモデルをほとんど理解していなかった。したがって「人生の重要な決断をするんだ」と考えて以下を自分で調べて納得のいく答えを出すことを強くオススメする)


1.本当にそのサービスはSaaSである必要があるのか?を見極める

最近は、資金調達がバブリ気味になところと、財務が読みやすい性質(参考:過去記事)もあって、SaaSはVCからも大人気だ。実際、前田ヒロさんによるAll Star SaaS FUNDなるものも存在する。

このように大人気のSaaS。しかし、「それ、SaaSである必要あるの?」という観点が実証されないと、導入はされてもその後すごいスピードで解約が起こることを忘れてはいけない。経営的観点で考えると、使いもしないものにお金は払わない。利用しない物はオンプレだろうが、SaaSだろうが価値は等しくゼロなのである。

解約を起こさず使い続けてもらうためには大まかに以下の観点を満たしたプロダクトである必要がある。(全てが突出して高い必要はないが、これがバランスよく高い、もしくは振り切れていると最高だ)

  • 顧客(基本的に法人)の業務性質上、利用頻度が高い
  • 顧客のすごく重要なデータが溜まっていて、解約するとデータでアクセスできない
  • 顧客はすでに非効率な解決方法を保有もしくは発見しており、ソフトウェアで代替解決可能である

簡単に解説しよう。


顧客(基本的に法人)の業務性質上、利用頻度が高い

これは、議論の余地が少ないと思うが、「そもそも使われることが確約されていますよね」ということだ。いわばビジネスマンにとってのExcelやPowerPoint的な役割を担うことができているのか?ということである。ここに対してはyesと言うことができるように、社員に話を聞いてみたり、知り合いのツテをたどって情報収拾をすべきだ。


顧客のすごく重要なデータが溜まっていて、解約するとデータでアクセスできない

これは、解約防止にとても有効だ。例えば人事評価。人事評価は基本的に四半期、半年、年単位で行われるため、一部の人を除いて利用頻度は高いとは言い難い。しかし、過去の評価をもとに組織編成/役職/人材の配置を決めるためには、「過去の情報」にとても価値が出てくる。これらの情報は溜まれば溜まるほど価値を発揮する。この情報が解約に対して強力な抑止力になるのは想像に難くない。



顧客はすでに非効率な解決方法を保有もしくは発見しており、ソフトウェアで代替解決可能である

つまるところ、アカウント数による契約/一社一括導入関係によらず、最終的にSaaSを導入するのは法人単位になる。法人である以上、予算が明確に決まっており、そのSaaSに使うことのできる費用にはキャップがある。また、法人である以上、Business As Usualとして回すべき業務があり、この業務に対しては何らかの解決方法をその法人ができていると、SaaSを当てて予算の付け替えを起こしやすい。ここは法人営業では真新しい話ではないが、転職などの重要な決断をする際に曇りがち(例:会った人との相性が良さそうだと感じたので、など)なので、私は重要な観点だと思っている。


2. 大企業の中で優秀な人と繋がっておこう

次に、人編。「え、大企業の『外』じゃないの?」と思うかもしれない。これは「中」で正しい。理由は2つある。

  • 大企業は、スタートアップの最終形態。よって、あらゆるものが揃っている
  • 入社後の必要人材は、自分で集めるしかない。そういう人材が重宝される


大企業は、スタートアップの最終形態。よって、あらゆるものが揃っている

結局どれ綺麗事を言おうとも、スタートアップは投資家から事業成長を求められている。成長というのは売上を増やすことで、売上を増やすことは人が増えるということだ。今は小さくカオスな会社も、人が増えるにつれ制度ができ、りん議ができ、決裁が必要になり、という流れに抗うことができない。今の大企業は全て昔スタートアップだった。この事実に目を向けると、大企業は、「最終ゴールはこれを目指すんだな」という意味ではとても有効だということがわかる。なお、私はいわゆる日本の製造業を中心とした大企業には在籍したことがないので、ここでいう大企業というのは製造業などは指していない。基本的にはDeNa、サイバーエージェントなどのIT企業を指す。


この点を踏まえると、大企業の中に当たり前に福利厚生や制度として存在しているものが、どういう前提で出来上がったのかを日々検討して、実装していくのがスタートアップの醍醐味だったりやりがいなんだな、と私は思っている。また、自分がスタートアップの中で働いている中で、大企業にまだいる同期に、「そういえばあの制度ってどうなってて、どう運用されてたっけ?」と聞いて、解決の糸口を得たことは計り知れない。自分から相手に提供できるものがあれば、優秀な人との繋がりは常に自分にとってプラスに働く。



入社後の必要人材は、自分で集めるしかない。そういう人材が重宝される

結局、スタートアップもある数を越えると人事機能が「なんでもバックオフィスさん」から切り出される事になる。実際に人事がいることの恩恵は計り知れない。だが、彼らはキャラクターとしての人材の見極めには長ける一方で、事業理解については苦手としていることが多い。このため、本当に自分が働きやすい環境を作るには、「以前共に働いたことのある人を引っ張ってくる」というのがもっとも効率がいいし、信用できる手段だ。そこで、一緒に仕事を優秀な人とする機会を逃さなければ、回り回ってスタートアップ入社後に、また働くことができる可能性はある。私も今の会社に元同僚がいるが、ベースとしての信頼があるので、コミュニケーションコストが下がるのに助かっている。


3. 自社のIR/KGI/KPIを隅から隅まで理解しておこう

さて、これは以外に軽視されがちなんだが、「自分の会社、本当に辞める必要あるんでしたっけ?」という観点だ。比較するのは大企業とスタートアップなので、メジャーリーガーと高校球児を比較するみたいなものだというのはわかっているが、もしもいい仕事をしたいとあなたが思っているなら、当たり前のようにこの辺は押さえておきたい。

これは、簿記の勉強をしろという話ではない。つまるところビジネスはどうやって回っているのか、なぜ組織がこうなっているのか、という現状を数字で理解するための手段として有効だからだ。残念ながら、日本の大企業にいると、部課長レベルではP/Lまでを理解していればそれだけでいいというところも多いはずだ。ただ、ここをP/L、B/S、C/Fで理解しておくことによって、「案外うちってすごく儲かってるな」ということに改めて気づくことができたり、例えば「自社のサービスをSaaSにしたらどうなるのか?」ということを考えて見て、起案したりすることもできるはずなのである。スタートアップへの転職を進めるような記事ではあるが、ここはフラットに考えたほうがいいと思う。


以上、自分の経験をもとに、今の経験を元に、大企業からもう一度別のSaaSに転職するとしたら、この辺りを重点的にチェックするかなとは思っていることをまとめた。なお、執筆の動機は、

よく知り合いに聞かれるので、テンプレ化したかった

というのが本音だ。


最後に

ここまで好き放題書いた。これまで、面接・実務含めてレイヤーがハイレイヤーから現場レイヤーまで様々な方を見てきた。が、身も蓋もない話をすれば、最初の段階で上記全てができている人は見たことがない。このため、自分の得意な領域を選んでみて、参考にしていただけると幸いである。異論、反論は積極的に認めます。


オススメ本

「3. 自社のIR/KGI/KPIを隅から隅まで理解しておこう」のやり方として、私がこれまで読んだ本の中で、一番いいなと思った本をあげておく。繰り返すが、簿記の勉強をする必要は転職先を適切に選定する観点だと一切必要ないので時間を有効に使って欲しい。