GRCSはGRC(ガバナンス/リスク/コンプライアンス)とセキュリティの専門人材を活用しGRCソリューション、セキュリティソリューションに加えてGRCとセキュリティに特化したプロダクトを提供

さて、初めにGRCSの事業についてご紹介します。2022/2/28発表 事業計画及び成長可能性に関する事項p.9、12によれば、GRCSは、
・GRC(ガバナンス/リスク/コンプライアンス)とセキュリティの専門人材を活用しGRCソリューション
・セキュリティソリューションに加えてGRCとセキュリティに特化したプロダクト
を提供しています。同社の社名の由来である
・G:ガバナンス
・R:リスク
・C:コンプライアンス
・S:セキュリティ
に関連した事業を展開しているんですね。なお、GRCSはソリューション事業とプロダクト事業の2つを展開していますが、プロダクトの占める売上高の構成は
・2020年11月期末時点で5%未満
・導入顧客の割合(新規・既存)については非開示
となっており、さらにソリューション事業の売上高は既存顧客の継続によるリカーリングの性質を持っているため、今回はこちらのリカーリングに着目して分析を行なっています。
2005年3月 Frontier X Frontier(株)を設立。4年後の2009年11月 GRCソリューションを開始。そこからGRCに関連したツールの提供を行いつつ、12年後の2021年11月東証マザーズへ上場。

続いて2021/10/14発表 第16期有価証券報告書よりGRCSの沿革についてご紹介します。GRCSの沿革によれば、GRCSは
・2005年3月 Frontier X Frontier(株)を設立
・2009年11月 GRCソリューションを開始
・2009年12月 商号をNANAROQ(株)に変更
・2017年2月 外部委託先リスクマネジメントツールSupplier Risk MTを提供開始
・2017年3月 脆弱性情報日次配信サービス脆弱性TODAYを提供開始
・2017年7月 CSIRT向けインシデントチケット管理ツールCSIRT MTを提供開始
・2018年3月 商号を(株)GRCSに変更
・2019年1月 全社的リスクマネジメントツールEnterprise Risk MTを提供開始
・2021年11月東証マザーズへ上場
とのことです。
GRCSの売上高は2020年11月期末で14.3億円。直近YoY成長率は+30.0%

では続いてGRCSの売上高から見てみましょう。
2016年11月期末から2020年11月期末の5年分の売上高を見ると、YoYの売上高成長率は+10.1%〜+42.9%の水準で推移しています。
2020年11月期末の公開ストック売上高比率は85.5%

続いて、GRCSの売上高の構成比率について見てみましょう。2021/10/14発表 第16期有価証券報告書によればGRCSはそのストックサービスの売上高比率を公開していない反面、その売上高に占める既存顧客の売上高比率を公開しています。これらの数字をストック売上とみなすと、2020年11月期末のストック売上高比率は85.5%です。
さて、次回はGRCSの各種KPIを分析していきます。GRCSはGRCとセキュリティに特化したコンサルティングを行いつつ、プロダクトを提供しているしており、主要なコンサルティング事業がどのような個社単価や契約社数になっているか調べるのがとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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