2020年3月期末時点の計算MRRは5.3億円。
はじめに、ペイロールのMRRについて述べます。なお、ペイロールはそのMRR/ARRを有価証券報告書の中では公開していません。一方で、給与計算関連サービス売上高は公開していますので、この給与計算関連売上高を12(ヶ月)で割り算することで、そのMRRを算出しています。
ペイロールの初期費用、月額費用は要問い合わせ。基本的には従業員が800名以上の企業を前提とした商品
こちらは2021/5/24時点のペイロールのサービスページの抜粋です。初期費用、月額費用ともに料金は公開されておらず、
・初期費用、月額費用は要問い合わせ
となっています。前提としては、エンタープライズ企業を中心とした商品のようですね。
2020年3月期末の期末契約社数あたり単価は207.5万円/月。最新YoY伸び率は106%
続いて、2021/5/18日発表の第3期有価証券報告書、2021/5/24時点同社ホームページにて公開されているペイロールの期末時点導入社数あたりの単価についても見てみましょう。有価証券報告書に掲載されている給与計算関連サービス売上高をホームページに掲載されている契約社数で割り戻すと、
・2020年3月期末の期末契約社数あたり単価は207.5万円/月
・最新YoY伸び率は106%
となっています。
2020年3月期末時点のID数あたり単価は0.53万円/月。最新YoY伸び率は104%
続いて、2021/5/18発表 第3期有価証券報告書、2021/5/24時点同社ホームページにて公開されている給与計算関連サービス売上高、ペイロールの期末時点のID数から算出した契約ID数あたり単価についても見てみましょう。ホームページに掲載されている利用者数で給与計算関連サービス売上高を割り算することによって求めたIDあたり単価によれば、
・2020年3月期末時点のID数あたり単価は0.53万円/月
・最新YoY伸び率は104%
となっています。
2020年3月期末の契約社数は253社。最新YoY伸び率は103%
続いて、ペイロールの導入社数についても見てみましょう。こちらも2021/5/24時点同社ホームページより抜粋してきた情報にはなりますが、
・2020年3月期末の導入社数は253社
・最新YoY伸び率は103%
とのことでした。先程ご紹介した導入企業が800人を超える企業が基本的に利用ゾーンとの記載もホームページにあった通り、高単価少数のビジネスモデルとなっているようですね。
2020年3月期の最新従業員数は478人。最新YoY伸び率は107%
最後に、ペイロールの従業員数について述べます。2020年3月期の最新従業員数は478人で最新YoY伸び率は107%とのことです。直近で急激に人が増えている、ということはなさそうです。
最後に
今回取り上げたペイロールは、企業に必要な給与計算関連業務をクラウドサービス、かつ人での業務含めて提供する会社でした。また、過去紹介したSaaSの中で唯一、提供する人数の目安(800人以上)を公開していたのが特徴的な会社でした。今後もさらにこのようなエンタープライズ系SaaSが国内でも出てきそうですね。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。