ベビーカレンダーは妊娠・出産・育児の情報メディアのベビーカレンダー、産婦人科医向けソリューションのベビーパッドを提供
さて、初めにベビーカレンダーのプロダクトについてご紹介します。2021/5/11時点の同社ホームページによれば、同社は、
・妊娠・出産・育児の情報メディアのベビーカレンダー、
・産婦人科医向けソリューションのベビーパッド
を提供しています。こちらの中で、産婦人科医向けソリューションのベビーパッドがSaaSの要素を持っているようですね。
1991年4月(株)ロジスティクスコンサルティングを設立。2021年3月東証マザーズ上場
続いて2021/2/19発表 第29期有価証券報告書よりベビーカレンダーの沿革についてご紹介します。ベビーカレンダーの沿革によれば、同社は
・1991年4月(株)ロジスティクスコンサルティングを設立
・2008年7月産婦人科向けのベッドサイドシステム「MediPac mama」(現ベビーパッドシリーズ)を開始
・2015年6月クックパッドベビーに商号変更
・2015年6月クックパッドベビーに商号変更
・2017年5月(株)ベビーカレンダーに商号変更
・2021年3月東証マザーズ上場
しています。
1991年4月の創業時は経営コンサルティングの会社として始まっている会社で、その後クックパッドの子会社になり、クックパッドから譲り受けたメディアでメディア事業を始めているところが印象的な会社ですね。
2020年12月期末で6.0億円。直近YoY成長率は123%
では続いてベビーカレンダーの売上高から見てみましょう。
2015年12月期から2020年12月期の6年分の売上高を見ると、YoYの売上高成長率は47%〜123%の水準で推移しています。2015年12月期から2016年12月期へかけての売上が減少していますが、こちらについては詳細は有価証券報告書については記載されていませんでした。
2020年12月期末でストック売上比率は推定で31%
続いて、ベビーカレンダーの売上高の構成比率について見てみましょう。2021/2/19発表 第29期有価証券報告書によれば、2020年12月期末のベビーカレンダーの売上構成比率は、
・メディア事業売上高:69%
・産婦人科向け事業売上高:31%
となっていました。産婦人科医向け事業売上高のうち、ストック売上高とフロー売上高の境界は開示されていないため不明です。従って、ここではストック売上高の比率は最大で31%という推定を行なっています。
さて、次回はベビーカレンダーのSaaSプロダクトがどのようなKPIになっているのか、分析していきます。経営コンサルティング事業から初めて、クックパッドの子会社になり、その後メディア事業を譲り受けたベビーカレンダーのSaaS KPIはとても特徴がありそうです。産婦人科向け、というのも業界を絞っているところが特徴的なのでとても分析のしがいがありそうです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。