計算KPI:エネチェンジの期末時点MRRは0.49億円
はじめに、エネチェンジのMRRについて述べます。なお、今回は、「計算」MRRとしています。この背景には、エネチェンジはそのSaaSプロダクトであるエネチェンジ関連の売上高エネルギーデータ事業の中に包含しており、ファンド要素のあるJAFの売上を小さいと仮定することで、この売上高を12(ヶ月)で割ることで、そのMRRが計算できるためです。計算した結果によれば、2019年12月期末時点の計算MRRは0.49億円でした。
直近期末のエネチェンジの累計顧客数は25社。最新YoY伸び率は166.7%
続いて、
・エネチェンジの累計顧客数
について公開されているKPIを紹介します。
なお、エネチェンジによれば、累計顧客数はエネルギーデータ事業のサービス、EMAP、SMAPを提供している会社数を表しており、電力・ガス会社が中心のようです。こちらによれば、直近期末のエネチェンジの累計顧客数は25社。最新YoY伸び率は166.7%とのことです。
2019年12月期末時点のEMAP、SMAPのARPU(顧客毎)の月額利用料は234万円。直近YoY成長率は73.1%
続いて、
・エネチェンジのARPU
について公開されている情報を紹介します。
エネチェンジはその顧客の年額利用料の平均をARPUとして公開しています。エネチェンジの場合は、Uが電力・ガス会社ということで、これまで本サイトで紹介してきたARPAに該当する数字のようですね(ややこしくてすみません・・)。さて、年額利用料がわかれば、それを12ヶ月で割ることで月額の平均値を求めることができ、こちらでは月額の平均値をご紹介します。
計算によれば、2019年12月期末時点のEMAP、SMAPのARPU(顧客毎)の月額利用料は234万円で、直近YoY成長率は73.1%とのことでした。これはおそらく、料金が利用機能によって変わるだったり、従量課金の要素が入っているためではないか、と推測します。社数が小さい一方で、MRRはかなり大きい、というのが特徴的なSaaSのようですね。
2019年12月期の最新従業員数は90人。最新YoY伸び率は141%
最後に、エネチェンジの従業員数について述べます。エネチェンジの2019年12月期の最新従業員数は90人で、最新YoY伸び率は141%とのことです。
最後に
今回取り上げたエネチェンジは、電力・ガス会社に特化したバーティカルSaaSを提供しており、平均のARPU(エネチェンジの場合のUは電力・ガス会社)が月額約200万円ととても大きな会社でした。限られた市場である、電力・ガス会社市場の中でどこまで市場シェアを拡大していくことができるかとても楽しみです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
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などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。