メドレーは人材プラットフォームを中心に、SaaSサービスを含む医療プラットフォーム事業を展開。

はじめにメドレーの提供しているプロダクトについてご紹介します。同社のホームページによれば、メドレーは
医療ヘルスケア分野における日本最大級の人材採用システム「ジョブメドレー」
を中心とした人材プラットフォーム事業と、
日本最大級のオンライン診療システムである「CLINICSオンライン診療」 を中核として、患者と医療機関双方にとって、テクノロジーの恩恵を受けることのできるプラットフォーム
としての医療プラットフォーム事業を中心としてサービスを提供しています。人材プラットフォームで契約している顧客が、医療プラットフォームの利用ベースになる、というところがとてもユニークで面白い会社ですね。なお、SaaS要素は医療プラットフォーム事業の方に含まれており、具体的にはCLINICS 、Pharmsの2サービスが該当しています。

2009年6月メドレー株式会社設立後、2019年12月に東証マザーズに上場

続いてメドレーの沿革についてご紹介します。メドレーの沿革によれば、同社は2009年6月に「医療ヘルスケア分野の課題を解決する」ことをミッションとして設立されました。同年にはジョブメドレーを開始し、約6年後の2015年2月に医療情報サービスMEDLEYを提供開始した後は、約1-2年間隔でCLINICSオンライン診療、CLINICSカルテの提供を初め、2019年3月にNaClメディカルを完全子会社化した後、同年12月には東証マザーズに上場しています。なお、ミッションは2019年6月には「医療ヘルスケアの未来をつくる」に変更となったようです。
メドレーの開示KGI(連結売上高)推移:2019年12月期末で47.7億円。直近YoY成長率は162%

では続いてメドレーの連結売上高から見てみましょう。直近5年の売上高推移を見ると、売上高の成長率はYoYで162〜300%の範囲にあります。急激に売り上げを伸ばし続けている企業なんですね。
2019年12月期末のストック売上比率は最大11.3%

続いて、メドレーの売上高の構成比率について見てみましょう。2020/3/27発表の有価証券報告書によれば、メドレーのプロダクト別の売上構成は
・人材プラットフォーム事業
・医療プラットフォーム事業
・新規開発サービス
の3つとなっています。このうち、ストック型の売上を含んでいるのは医療プラットフォームサービスとなっており、2019年12月期末時点で、11.3%となっています。こちらの中の全てがSaaSでないため、あくまで最大で11.3%としています。
それでは次回以降、気になるKPI推移について紹介していきます!メドレーは医療、という領域に特化しているSaaSを提供しており、これまでに紹介してきたところと少し異なっています(会社の沿革は、人材採用から始まっているラクス、と若干似たところはあるかもしれないですね)。ので分析が非常に楽しみです!最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。