ビートレンドは多店舗展開する飲食店、小売企業に向けたCRMプラットフォームをSaaS形式で提供。
はじめにビートレンドの提供しているプロダクトについてご紹介します。同社の新規上場申請のための有価証券報告書によれば、ビートレンドは
顧客情報をベースとした機能をメール配信サービスに限定した「メールマーケティングサー
ビス」及び「メールマーケティングサービス」機能に加え、顧客管理ツールも含めた「スマートCRMサービス」
の2つのサービスに大別され、直販または代理店販売により提供
しているとのことです。これらは、具体的にどのようなことができるのでしょうか。
例えば、「いきなりステーキ」を展開するペッパーフードサービスはビートレンドのCRMを使って、そのアプリの中で「肉マイレージ」「ランキング」の仕組みを実現。
続いて、ビートレンドの提供しているCRMサービスを活用している会社について紹介します。今回取り上げるのは、ビートレンドのホームページに導入事例として載っているペッパーフードサービス社についてです。そもそも導入の背景として、いきなりステーキのサービス上、来店顧客の前で肉の塊を計り売りして調理する、という仕組みで、顧客から何らかの形でたくさん通ったことによる特典が欲しい、という要望があったそうです。そのために、一からサービスを自社でゼロから用意するのは巨額な投資が必要なので、ビートレンドのCRMSaaSを使って、肉マイレージ、ランキング機能を導入したスマートフォンアプリを提供しているそうです。ビートレンドのサービスを使ってメールマガジンとスマートフォンアプリを両方提供してるとのことで、大きな投資がかかりがちなIT投資を手軽に行うことができているようですね。余談ですが、私もこのアプリには登録しており、最近巣ごもりしており外出をほとんどしておらず出歩けてないですが、久しぶりにいきなりステーキに行ってみたくなりました。
2000年3月ビートレンドドットコム株式会社設立後、2000年11月ビートレンド株式会社に社名変更。2020年12月に東証マザーズに上場
続いてビートレンドの沿革についてご紹介します。ビートレンドの沿革によれば、同社は2000年3月にモバイルを活用した企業の売上の向上、販促コストの削減、顧客満足度の向上等のBtoC企業向けソリューションの社会的な必要性と重要性を確信し、そのソリューションとしてのソフトウエアビジネスを行うことを目的に設立されました。当時は、今のスマートフォンと違って、1999年のiモード登場が大きな転機となったようですね。今年で設立後20年経過しているということも驚きです。この20年の間にスマートフォンが登場してからも、スマホアプリに対応したスマートCRMを提供するなどして、形を変えながらBtoC業態である飲食店・小売の持つ顧客と繋がりたいニーズに応え続けてきた会社なんですね。
ビートレンドの開示KGI(連結売上高)推移:2019年12月期末で7.5億円。直近YoY成長率は118%
では続いてビートレンドの連結売上高から見てみましょう。直近5年の売上高推移を見ると、売上高の成長率はYoYで104〜118%の範囲にあります。堅実に売り上げを伸ばし続けている企業なんですね。
2019年12月期末のストック売上比率は75.8%
続いて、ビートレンドの売上高の構成比率について見てみましょう。2020/11/12発表の新規上場申請のための有価証券報告書によれば、ビートレンドのプロダクト別の売上構成は
・CRMサービス
・カスタマイズサービス
・その他サービス
の3つとなっています。このうち、ストック型の売上はCRMサービスとなっており、2019年12月期末時点で、75.8%となっています。
それでは次回以降、気になるKPI推移について紹介していきます!ビートレンドは明確な料金体系と解約率などの各種KPIを詳しく公開しているので分析が非常に楽しみです!最後まで読んでいただきありがとうございました。
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