セールスフォースによる買収決定!ビジネスチャットを提供するスラックのKGI/KPI推移を調べてみた(2/2)

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saaslife_セールスフォースによる買収決定!ビジネスチャットを提供するスラックのKGI/KPI推移を調べてみた(2/2)

推定KPI:スラックの推定期末時点MRRは52.5億円

saaslife_推定KPI:スラックの期末時点MRR推移

はじめに、スラックの推定MRRについて述べます。なお、こちらは

・開示されているスラック売上高 / 12(ヶ月)

の計算によって算出しています(プロフェッショナル・サービスによる売上高は軽微なものとして非開示のため)。なお、こちらは2020年1月期末の情報であることにご注意ください。これだけ見ると、MRRだけで日系SaaSの通期売上を軽く超えており、米国SaaSのすごさを改めて感じます。

参考:スラックの料金体系はフリーミアムに始まり、850円、1,600円、エンタープライズ・グリッドの合計4レンジ。プランによる違いは利用可能機能への機能制限の有無

saaslife_参考:スラックの料金体系

こちらはスラックのホームページから抜粋した2020年12月13日時点の料金表です。スラックもチャットワークと同様に明確に料金体系が公開されており、フリーミアムに始まり、850円、1,600円、エンタープライズ・グリッドの合計4レンジがあります。それぞれのプランによる違いはメッセージの表示件数制限、インテグレーション(外部連携)、セキュリティ関連機能の開放など、企業のサイズが大きくなるにつれて、セキュリティなどの面で要求が上がる部分で制限を設けているようですね。

直近期末のスラックの有料利用企業数は11万社、YoY成長率は125%

saaslife_公開KPI:スラック利用企業数の推移

続いて、公開されているスラックの有料利用企業数の推移を紹介します。2020年1月の利用企業数の昨対成長率は125%で、11万社います。さて、これはチャットワークに比べて多いんだっけ?ということが気になるわけなんですが、チャットワークは利用企業数24.6万(有料、無料両方)でざっくり有料会員化率が10数パーセントなので、チャットワークの約3倍くらいの有料企業数があるということが言えそうです。

ご参考までに、既にこのサイトにてご紹介したチャットワークの各種KPIへのリンクを貼っておきますね。

直近期末の売上高1,000万円以上の企業数推移は、2020年1月期末で893社、YoY成長率は155%

saaslife_公開KPI:売上高1,000万円以上の企業数推移

続いて、公開されている売上高1,000万円以上(=スラックへの支払いが1,000万円以上)の企業数推移がこちらのグラフです。こちらは有料顧客数の伸びよりも大きな伸び率ですね。

直近期末の売上高1億円以上の企業数推移は、2020年1月期末で70社、YoY成長率は170%

saaslife_公開KPI:売上高1億円円以上の企業数推移

続いて、公開されている売上高1億円以上(=スラックへの支払いが1億円以上)の企業数推移がこちらのグラフです。こちらは有料課金、1,000万円以上の支払い企業数の推移と比べても最も大きく成長しています。ここまでから読み取ることができるのは、大企業への導入が進んでいた、と見なすことができそうですね。

スラックの従業員数は2020年11月末の状況で2,045人、最新のYoY伸び率は136%

saaslife_参考:スラックの従業員数推移

最後に、スラックの従業員数について述べます。2020年1月期で従業員数は2,045名とのことです。過去ご所介したサイボウズでも従業員数は800人程度なので、その2倍以上も従業員がいる、ということですね。米国SaaSの規模の大きさに驚かされるばかりです。

最後に

最近セールスフォースによる買収が話題になったスラックについて調べました。チャットワーク、スラックともに無料でプロダクトが使えるプランを用意しながら、有料プランの価格帯はチャットワークが400〜800円というところに対して、スラックは850円〜ということで、スラックの方が明確に高価格、ということがわかりました。今後、セールスフォースが経営に入ってくることで、スラックの影響力はさらに大きくなると言えるでしょう。引き続き、チャットワーク、スラック、セールスフォースの関係がどうなっていくかは、注視して行こうと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝

SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。

ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、

  • ホリゾンタル・バーティカルSaaS
  • エンタープライズとSMBSaaS

などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。

時期表紙取扱SaaSとそのリンク(上場日付順)
FY2022Q2 セカンドサイトアナリティカ
サークレイス
ペットゴー
トリプルアイズ
ヌーラボ
FY2022Q1 エッジテクノロジー
カジー
マーキュリーリアルテックイノベーター
ビーウィズ
FY2021Q4シンク
フォトシンス
GRCS
サイエンスアーツ
ラストワンマイル
スローガン
ボードルア
フレクト
ネットプロテクションズ
トゥルーデータ
ブロードエンタープライズ
JDSC
ヒュウガプライマリケア
グローバルセキュリティエキスパート
ラバブルマーケティンググループ
サインド
網屋
ザクー
フィナテキストホールディングス
エクサウィザーズ
ハイブリッドテクノロジーズ
エフ・コード
CS-C
ニフティライフスタイル
セキュア
FY2021Q3ラキール
フューチャーリンクネットワーク
モビルス
ユミルリンク
ロボットペイメント
セーフィー
FY2021Q2ビジョナル
ペイロール
プラスアルファ・コンサルティング
サイバートラスト
ファブリカコミュニケーションズ
ネオマーケティング
FY2021Q1ワカル
ウイングアーク1st
ベビーカレンダー
スパイダープラス
エイピアー
出版履歴

管理人のSaaslifeです。

本サイトにお越しいただきありがとうございます!

SaaSについて、

・SaaSとオンプレミス型の違いは何か

・SMBとエンタープライズ

・ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaS

・MRRとARR、単価と社数の関係

・IPOした各社のプロダクト特徴や沿革

を各社の公開情報(IR)からまとめた電子書籍を四半期に一度発行しています。

SaaSビジネスの全体像を掴むためであれば1冊読んでいただければ十分です。

各社IRを見たら載っている、など辛辣なレビューもいただいてます。

良いレビューも悪いレビューも受け止めて今後も内容の充実に努めていきます。

が、IRを個別に見なくても全体像を把握できるようにする目的でまとめています。

上で紹介した電子書籍はkindle Unlimitedにご登録されていれば全冊無料で読んでいただくことができます。

もしご登録されていなければ、以下よりご登録ください!

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