前身となるパイプドビッツの提供していたSPIRALを中心に5セグメント、多数サービスを展開
パイプドHDの提供するサービスは前身となるパイプドビッツの提供するSPIRALシリーズを中心として、数えたところ実に18サービスありました(もちろん、事業としての大きさは全てバラバラです)。このサイトは基本的にSaaSとしての要素に注目して分析をしていく方針につき、パイプドHDの事業セグメントである
- 情報資産プラットフォーム事業
- 販促CRMソリューション事業
- 広告事業
- xTech事業
- 社会イノベーション事業
の内、月額課金の要素の大きな主力サービス、SPIRALを含む「情報資産プラットフォーム」をクラウド売上とみなして分析を進めます。
2000年に前身となるパイプドビッツ(の名称変更前のサハラ)創業後、2006年12月には東証マザーズ上場
パイプドHDの沿革によれば、同社は2000年に子会社のパイプドビッツの前身であるサハラ設立以来、2001年にはスパイラル・メッセージングプレースとして、現在のスパイラルの元となるサービスを提供していたそうです。パイプドビッツのソリューションは、ややできることの自由度がグループウェア、だったり経費精算、という領域特化型SaaSよりは広そうな感じを受けますが、20年にも渡って同じサービスを提供し続けることができているということに尊敬の念を覚えます。
パイプドHDの開示KGI(売上高)推移:2020年3月期末で62.1億円。直近YoY成長率は115%に増加
では続いてパイプドHDの売上高から見てみましょう。直近5年の売上高の推移を見ると、売上高は2016年3月期末に40億円を突破後、2018年3月期末には50億を突破し、2020年3月期末には62.1億円に至っています。このペースでいくと、2021年3月期末には65億円を突破しそうですね。
直近のクラウドサービス比率は68.5%
続いて、クラウドサービス(月額課金)の比率について見てみましょう。先ほど述べた通り、クラウドサービス比率は、情報資産プラットフォームの売上比率として算出しています。全体で見ると直近では広告事業の割合が増え、販促CRMソリューションの割合が下がり、両者の比率が入れ変わりつつありますね。
次回以降、気になるKPI推移について紹介していきます!パイプドHDのプロダクトはある意味ラクスやネオジャパン、サイボウズと似た部分を持っているプロダクトです。特徴的な値付けなど、SaaSという観点でまた異なる特徴があるはずなので、こちらも分析が非常に楽しみです!
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。