TL:DR;
- カナミックネットワークはどのようなサービスを提供している会社なのか?
- 110%付近の対前年売上高成長率を維持しながら成長中
- 提供するクラウドサービス、カナミッククラウドの売上比率は2019年9月時点で売上の約90%に到達
カナミックネットワークはどのようなサービスを提供している会社なのか?
これまで紹介したSansanと比べて、テレビCMなどは放送されていないカナミックネットワーク 。一体どのようなサービスを提供しているのでしょうか。
同社の有価証券報告書によれば、カナミックネットワークは医療/介護/健康情報をリアルタイムに情報共有/コミュニケーション/利活用できるプラットフォームを提供しているとのことです。この背景にあるところには、日本の高齢化が進み、介護が必要な人口が増えている一方で、介護に従事できるケアマネージャーや事業者の数は人材不足に悩まされており、そこを繋ぐプラットフォームということですね。
有価証券報告書ベースでは、特に海外市場については言及はありませんでした。市場が日本でもかなりの需要はありそうな中、今後海外で人口サイクルが日本と似たフェーズに入ってくる国でも同様の問題が発生するはずなので、ニーズは大きそうだなという印象を受けました。さらに、医療/介護の現場としてはそこまで大掛かりなシステム投資をすることは簡単にはできないはずなので、安価なSaaSを組み合わせて使うことで業務効率改善にもつながるのではないでしょうか。
110%付近の対前年売上高成長率を維持しながら成長中
さて、次は気になる売上高の推移です。直近5年分の売上高推移によれば、カナミックネットワークは対前年成長率は110%付近を保ちながら成長しています。2019年9月期では売上高も15億円を突破したんですね。
提供するクラウドサービス、カナミッククラウドの売上比率は2019年9月時点で売上の約90%に到達
気になる売上におけるクラウドサービス比率については、2015年9月末時点ですでに80%を超えており、2019年9月末時点で90%近い水準まで到達しています。クラウドサービス以外のところについてですが
- コンテンツ:医療/介護関連商品の広告サービス
- その他:大口顧客向けカスタマイズなど
をしているとのことです。
まずKGIの概要が掴めたところで次回は詳しいKPIについて紹介します。これまで紹介してきたHENNGE、Sansanとは事業内容も全く異なり、SaaS関係のKPI(解約率)などはほとんど開示されていないですが、結構いろいろなことがわかりました。一口にSaaSと言っても、そのプロダクトによって各指標が大きく変わってくることを知ることができて本当にワクワクしてます。いやあ!SaaSって、本当にいいもんですね。
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。