Salesforce(セールスフォース、と読む)の決算が絶好調だ。2019年3月4日発表のIRによれば、2019年(会計年度)の決算にて
売上は132.8億ドル(=1ドル100円換算で約1.3兆円)、作対伸び率は26%
Salesforce IR
とのことだ。
セグメントの売上は
サブスクリプションとサポート費(*1)が124.1億ドル(=1ドル100円換算で約1.2兆円)
プロフェッショナルサービス(*2)が8.6億ドル(=1ドル100円換算で約860億円)
(*1) 収益が安定する月額課金SaaSパート
(*2) 収益が不安定な単発課金パート
Salesforce IR
とのこと。
実にサブスクリプションが売上の92%を占める化け物企業だ。しかも、月額課金が前提のSaaSモデルだから、翌年の売上も堅い。SaaSのスタートアップにいるので、当然のごとく日々の業務でSalesforceを使う。それは、もう好むと好まざるを得ず。
実は、Salesforceという商品自体は、SaaS企業向けにデザインされていなくて、どちらかというと単発で売上が発生する、ショット向け商品を売る企業のためにデザインされているな、と現場では感じる。それがゆえに各社涙ぐましい努力をして、Salesforceを独自にカスタマイズし、自社の受注情報を握られ、他の絶妙な代替手段がないため乗り換えることができず、「仕方なく」使っているのが実情だと思う。
それがゆえに、例えばSaaSスタートアップの現場メンバー同士で情報交換をすると、「Salesforceでこれってどうやっている?うちはこう魔改造してるよ」的な話で盛り上がって、いい刺激を受けあっているらしい。
こういうところもふくめて、やっぱりSalesforceって偉大だし、SaaSスタートアップの経営に携わる身としては、自社をこういうように大きくしていきたいなあと思いながら、今日も会社を後にするのだった。
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。