三年前にこの業界に入ってくる前、私はある広告会社にいた。広告会社なのでビジネスモデルは、
- ショット(単発発生)で売上を作る
ものだった。
営業はあの手この手でクライアントの広告予算を取ってくる。クライアントの予算総額を知り、クライアントの予算を自社メディアに差配するのが良い営業のような雰囲気があった。この状態について、
- 利益率は高くて、
- 参入障壁もまあ低いので
ビジネスとして参入する気持ちはまあわかる。
だけど、経営的には、慎重に経営したい自分としては、そこまでおいしくないんじゃないか、って常に思ってた。「次の年、クライアントの気が変わったらどうするんだろう」だったり、「クライアントが『これって効果出てるの?』みたいなことをいいはじめたらどうする?」という点で。
SaaSは、ちゃんと字義通りSoftware as a Serviceとして取り組む以上、利益率はどんどん上がる。(あんまりソフトウェアに寄っちゃうと、ASPと変わらなくなって、解約したりするけど。)
SaaS会社の社長が毎年元旦に、昨年末のMRRを12倍して今年の売上を読むことができることも素敵である。ごちゃごちゃ季節要因とかを考えずに単純な掛け算で売上をそれなりの精度で予測できるのもSaaSの魅力のひとつなのである。
最後にSaaSを理解するための本のご紹介と宣伝
SaaSの本質であるリード生成、商談獲得、商談受注までのプロセスを表す一連の流れを指し、Salesforce、Marketoで勤務した経験を持つ福田氏による名著です。基本的なSaaSオペレーションの諸概念について、簡単な言葉で表現してくれており、SaaSの全体観を掴むのに適しています(なお、SaaS全体のおすすめ本はこちらにまとめています)。
ちなみに2021年以降にIPOしたSaaS関連各社の四半期単位の各社については、本サイトをまとめた書籍を執筆しています。(画像クリックでamazonの新しいタブが開きます。)当該期間にIPOした新規上場SaaSの分類として、
- ホリゾンタル・バーティカルSaaS
- エンタープライズとSMBSaaS
などの分類とまた、その他関連SaaS書籍をまとめておきましたので、興味のある方は以下よりご覧ください。なお、リンクのクリックで個社の過去記事をご覧いただくこともできます。